地震を予知している? 地震発生前にみられる動物たちの異常行動について

豪雨や洪水、落雷、噴火といった自然災害は、生命と生活を脅かす現象として長年恐れられてきました。
有史以来、さまざまな書物に自然災害の被害について記録されていることから、私たちの祖先が自然の脅威から命を守る戦いを続けてきたことがわかります。特に国土周辺に4つの大きなプレートがある日本にとって、地震の予知は大きな課題でした。
これについては科学技術が発達した現代でもなお不確かなものが多く、いかに難しいかがわかります。

しかしそんな中、最近は地震が発生する前の動物たちの異常行動を観察して地震を予知する研究が注目され始めているのをご存知でしょうか。
例えば「ナマズが暴れると地震が起こる」との言い伝えの通り、動物は地震を予知しているという説は昔からありました。これを科学的に解明し、防災に役立てるというわけです。
確かに、地震の前に動物たちの行動に異変が見られた事例は非常に多いのは事実です。

そこで、今回は動物と地震に関する言い伝えや実際の動物たちの異常行動の例、自宅のペットを災害から守るための防災対策についてご紹介します。

動物と地震に関する有名な言い伝え

「動物は地震を予知できる」なんて単なる迷信に過ぎない―。
地震が起きる前の動物たちの行動について語られるとき、それが単なる偶然であると同時に、昔からある迷信だとする声が常にあがります。
一方で、動物は人間には聞こえない音、感じ取れない重力や地面の動きなど、微妙な環境の変化を感知する能力があるとも言われています。実際、動物と地震についてはどのような言い伝えがあるのでしょうか。

ナマズが暴れる

細長いヒゲが特徴的な淡水魚・ナマズは普段、水底に体をくっつけて生活しているため、微弱な地震の揺れを感じ取ると暴れるのではないか、との説があります。
また、ナマズは電気を感じる能力があるため、地震による電磁波を感じ取っているとの説も。というのも、地震が起こると地殻から電磁波が発生するからです。
この「ナマズが暴れる=地震が起きる」の説は江戸時代から存在し、幕末に安政の大地震が発生した際にはこのときの社会状況をナマズで表現した風刺画「ナマズ絵」が流行しました。なぜ、現在ほどの科学技術を持たない当時の人々が地震とナマズを関連付けたのでしょう。
いつもは水底の岩にひっそり隠れて暮らしているナマズが珍しく暴れている様子を見て、「これは近々何か起こるかもしれない」と第六感が働いた人が大勢いたのかもしれませんね。

深海魚が打ち上げられる

水深200メートル以上の深海に生息する深海魚が海岸に打ち上げられると近々地震が起こる、との言い伝えも昔からあります。
近年、体長4メートルほどにもなるリュウグウノツカイが多数打ち上げられた際は大地震の予兆だったのではないかと騒がれましたが、実はこれは多くの研究機関が根拠なし、と判断しています。
ナマズと同じく、深海魚も電磁波の影響を受けて地上に出てきたのでは、との推測がこの説の元となったようですが、どうやら関連性はないよう。
浜辺を散歩中、打ち上げられたリュウグウノツカイを見つけても慌てないようにしてくださいね!

イルカやネズミ、犬も…動物の異常行動の事例

リュウグウノツカイのように根拠がないと判断されているものもあれば、否定する根拠が見つからない事例もあるため、動物の地震予知についてはまだまだ研究の余地がありそうです。
では、ほかにどのような動物で異常行動が見られたのか、有名な事例をみていきましょう。

イルカやクジラの集団座礁

茨城県の海岸でイルカやクジラの集団座礁が発見された際は大地震の前兆だったのではないかと騒がれましたが、イルカやクジラの座礁はそれまでにも多く観測されているため、地震と集団座礁は関係ないと考えられています。
現在でも大きな海洋動物や大量の魚が打ち上げられると地震との関連性が噂されますが、真偽は不明です。

ネズミが街からいなくなる

なぜか街でネズミの姿をまったく見かけなくなったと思った矢先、大きな地震が起きたという話は先ほどご紹介した安政の大地震や1923年(大正12年)の関東大震災が起きたときのエピソードとして有名です。
地震発生前にネズミが集団で逃げる場面を目撃した人も多く、なかなか興味深い話ですね。

カラスが大群で空を飛ぶ

地震が起きる数日前にカラスが群れをなして空を飛ぶ光景を見た、との証言もたくさんあります。
カラスの群れで空が暗くなる様子は、見る人にさぞ強い印象を与えたことでしょう。「どうしたのかな?」と思った数日後に地震が起きたのですから、地震とカラスの行動を関連付ける人が出てきてもおかしくはありません。

犬が遠吠えする

犬の行動にも異変がみられるようです。具体的には「急に吠える」「ソワソワして落ち着きがなくなる」「遠吠えする」などが挙げられ、普段とは明らかに違う行動を見せるので、飼い主さんも驚いてしまうようです。

猫が外へ出ようとする

猫の異常行動も報告されており、「外に出ようとする」「鳴き続ける」「落ち着きがなくなる」「高い場所へ行こうとする」といった行動をすることが多いようです。

なお、1975年に中国の遼寧省で起きた海城地震は、地震発生前に行政当局が住民を事前に避難させて被害の拡大を防いでいますが、実はこのとき使われた地震予知手段の一つに、動物の異常行動の観察がありました。実際、地震発生前には動物の異常行動が数多く報告されていたというのですから驚きです。

普段からの心がけが大切! ペットを守るための防災対策をしよう

普段からの心がけが大切! ペットを守るための防災対策をしよう
地震を正確に予知することはできないのが現状ですが、万が一に備えることは今からでも可能です。
近年の震災の経験から災害に備える方が急増しましたが、ペットを飼っている方は動物への被害を防ぐ対策まで考えなければなりません。
飼い主さんはご自身の備えをしたうえで、ペットのために次のような災害対策を徹底しましょう。

餌やトイレグッズなどのペット用品を備蓄しておく

食べ慣れている餌や愛用のトイレグッズなどは普段から少し多めに購入し、備蓄しておきましょう。1ヵ月分〜2ヵ月分が目安です。
災害発生後は食料や日用雑貨の確保のため買い物客が押し寄せてスーパーやコンビニの商品が品切れになる傾向があり、お店へ駆けつけても購入できない可能性が高いからです。
また、交通インフラが復旧しないことで物の流通も滞りがちになり、オンラインショッピングで購入しても手に入るまでに時間がかかることも考えられます。

ケージやサークルには耐震補強をしておく

ケージやサークルが強い揺れで転倒しないよう、耐震補強をしておくと安心です。耐震補強グッズはペットショップやホームセンターで購入できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
また、ケージやサークルは背が高くて重い家具(本棚や食器棚)の近くに置かないようにしましょう。下敷きになるのを避けるためです。

ガラスの飛散防止対策をする

揺れでガラスが割れると想像以上にガラスの破片が飛び散るものです。
ペットが怪我をしないよう、動物が過ごす空間にあるガラスには飛散防止フィルムを貼るなどして飛び散りを防ぎましょう。

ペット同行避難ができるようペット用防災セットを用意する

最寄りの避難所でペット同行が可能な場合はぜひ連れて行きたいもの。
万が一のときはすぐに連れて行けるよう、餌やトイレグッズ、首輪、おやつなどをまとめて袋詰めしたペット用の防災セットを用意しておくと便利です。

ペットホテルや動物病院以外の預け先を確保しておく

ペット同行避難ができず、ペットホテルや動物病院もいっぱいになってしまった場合に備え、万が一のときに一時的に預かってもらえるよう、日頃から親戚や知人にお願いしておくのも得策です。

愛情と防災対策でペットに安心を!

動物の異常行動は、震度5以上の規模の大きい地震の際に見られるとの説があります。何らかの異変を感じ、本能で恐怖や危険を感じているのかもしれません。
もし、ペットがパニックを起こしているようであれば「大丈夫だよ」と優しく声をかけたり撫でたりして、安心感を与えてあげましょう。
もちろん、日頃からの災害対策があってこその安心ですから、飼い主さんは気を抜かず、万が一に備えておきましょう。

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