知る・学ぶ 2024-04-23

ペットとは一生一緒に! どうしても飼えなくなったらやるべきこと

犬や猫に限らず、最近はさまざまな動物がペットとして飼われています。サル、キツネ、フクロウなど珍しい種類も飼育されるようになり、SNSや動画サイトで見かける人も多いでしょう。
それと同時に注目されつつある問題に「ペットの野生化」があります。飼育できなくなったペットを無責任に野に放つことによって起きる問題です。

この記事では、ペットの野生化が引き起こす自然界への問題、どうしても飼育できない事情ができたときの対応法などについて詳しく解説します。

ペットの野生化とは?

ペットの野生化とは、ペットが何らかの事情で飼育されなくなり、もともと生息地ではない環境に住み着いてしまうことです。野生化のほか、移入とも言われます。
野生化したペットはさまざまな問題を引き起こす可能性があり、実際に問題が顕在化している事象も確認されています。

場合によっては地域の生態系をおびやかす危険があることも事実です。特にそのような危険が高い動物は「侵略的外来種」と呼ばれます。
侵略的外来種は飼育放棄されたペットに限りませんが、なかにはアメリカザリガニやアライグマのように、もともとペットとして飼育されていた種も混ざっています。

野生化する原因1:海外からの流入

ほかの環境で生息していた動物が野生化する原因は、大きく分けて2つあります。
ひとつは本来の生息地以外(海外や国内のほかの地域)から届く貨物や移動してくる人に付着していたり、混入していたりなど、意図的ではない流入があることです。
この場合はペットの野生化ではなく、他地域から人の生活の流れによって移動してきたといえるでしょう。動物に限らず、貨物を運ぶ船舶に付着した海藻が移動してくることもあります。
しかし生態系に影響を及ぼす可能性は否定できないため、近年では大きな問題としてとらえられていることも事実です。

野生化する原因2:ペットの脱走や飼い主の飼育放棄

ペットや家畜が逃げ出したり、飼い主が飼育放棄をしたりするなどの事情で野生化することもあります。飼育できない環境や事情になったからといって放棄するのは非常に無責任ですが、残念ながらそのような飼い主がいることも事実です。
野生化したペットのなかには、住み着いたエリアで繁殖を繰り返し、本来そのエリアで営まれていた生態系を大きく変化させてしまうものもあります。
それだけではなく、そのエリアで暮らす従来の生物を捕食し、固有種の存続をおびやかしてしまうことも否定できません。
例えばペットのエサとして輸入されていたトカゲのグリーンアノールは、逃げ出したり捨てられることによって日本で繁殖し、固有種である蝶のオガサワラシジミを絶滅させた可能性が高いと言われています。

ペットが野生化することで生まれる問題

ペットが野生化することによって生まれる問題は多く、人間にとっても動物にとっても被害が出るケースは少なくありません。人間社会への被害や生態系の変化、動物自身の安全など、いくつもの問題をはらんでいます。

人間社会に害を及ぼすことがある

野生化したペットの生きるための行動が、人間社会に被害を与えることがあります。その結果、ペットとして飼育することができなくなり、害獣認定されてしまうケースも生まれているのです。
顕著な例としては北米のアライグマです。かつて日本ではアライグマをペットとして飼うブームが起こりました。
幼少時のアライグマは人間になつき、かわいらしさも相まって大人気でしたが、成獣になると気性が荒くなるため飼育放棄をする飼い主が増え、野生化と繁殖が進みます。
その結果、農作物や家屋に被害が出るようになり、いまでは害獣として駆除が進められることになってしまいました。学術研究や展示目的以外での飼育も禁じられ、ペットとして飼うことはできなくなっています。

生態系を変化させてしまう

捕食や繁殖の規模が大きく、生態系、自然環境に重大な影響を与えることもあります。このような種は侵略的外来生物や特定外来生物のカテゴリーに分類され、駆除対象になるケースが少なくありません。
たとえば沖縄ではハブの駆除を目的に、アフリカやインドなどに生息するマングースを迎え入れ、地域に放ちました。
しかし、繁殖したマングースは人々の期待に反してハブ退治には効果がなく、それどころか固有種のヤンバルクイナやアマミノクロウサギなど、貴重な動物を捕食するようになったのです。
結果として特定外来生物に指定され、駆除が進められるようになりました。
マングース自身には何の問題もないはずが、人々の都合と野生化によって害獣扱いされるようになってしまっています。
飼育するべき人間の責任放棄や無計画な受け入れは、何の罪もない動物を苦しめ、人間社会にも影響を及ぼす可能性があることを知っておかなければいけない例だといえるでしょう。

動物によっては生きていけないこともある

いままでペットとして飼育されてきた動物が野に放たれた場合、自分の力では生きていけないこともあります。
人間の家という安全な環境で食事をもらって快適に生きてきたペットが、外の世界で突然暮らすことになったらどうなるでしょうか。
狩りの方法や外敵から身を守る方法も知らない元ペットは、野生化したといっても生き方が分からず、場合によっては最悪の事態になってしまうことも考えられます。
人間の都合で飼育を放棄する行為は動物愛護観点からも誤ったものであり、絶対に避けるべきでしょう。

どうしても飼い続けられない時にできること

飼い始めは一生面倒を見るつもりだった人も、やむを得ない事情でペットを手放さなければならないことがあるかもしれません。
そんなときには野生化させるのではなく、できる限りの対応をしてみてください。

どんな事情があっても捨てない

「捨てない」ということは必ず意識しておきましょう。
日本には「動物の愛護及び管理に関する法律」があります。この法律では愛護動物(ペット)の飼育放棄を禁じており、違反した場合には100万円以下の罰金を支払う必要が生じるとされています。
法律面、金銭面でもペットの遺棄は飼い主にとって大きな問題をまねきます。
「どうしても飼えなくなった」という事情があっても決して捨てず、次項の動物愛護センターや行政の窓口に相談してください。

動物愛護センターや行政に相談

各自治体の窓口や動物愛護センターでは、飼えなくなったペットの面倒を見たり、次の飼い主を探すサポートをしたりするシステムが整えられています。
引っ越しや飼い主の高齢化などさまざまな事情に対応しやすいため、必要であれば相談を検討しましょう。

基本は「終生飼育」を意識して

ペットは寿命まで飼育する「終生飼育」が求められています。飼う前に「自分がペットの寿命を見届けてあげられるか」ということをよく考えましょう。
「飼う前から」考えておくことも、ペットの野生化を防ぐための重要な対策になります。

一度迎え入れたら最後まで! ペットの野生化は重大問題

ペットの野生化は日本だけではなく、世界でも問題視されています。従来の生態系をおびやかしたり、人間社会に被害を与えてしまったりなどの影響があり、ときには害獣として駆除対象になってしまうこともあるほどです。
ペットは人間に幸せを与えてくれる大切な存在であり、野生化してうとましがられるために生まれたわけではありません。一度生活に迎え入れたら最後まで愛情を持って飼育しましょう。

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暮らし 2024-03-21

寒い時期には注意して! ペットの低温やけどは気づきにくいことも

冷え込む時期には、ペットに暖房器具を用意してあげる飼い主さんも多いことでしょう。体調管理に効果的な暖房器具ですが、気がつくと低温やけどをしていることがある点には注意が必要です。

そこで今回は、ペットの低温やけどの症状や対策などについて詳しく解説します。

ペットも人間も気づきにくい低温やけどの怖さ

寒い季節には人間もペットも暖房器具が恋しくなるものです。湯たんぽや使い捨てカイロ、ヒーター、ストーブなど、色々な暖房器具を使って快適な環境を作り出すでしょう。
ただ、製品の注意書きに「低温やけどに注意しましょう」と記載されていることに気づいている飼い主さんも多いかもしれません。実は人間だけではなく、ペットの低温やけども注意するべきなのです。

低温やけどとは?

低温やけどは、高温で起こる一般的なやけどとは異なり、約44℃~60℃の低い温度に長時間接触することで生じてしまうやけどが該当します。
一番低い約44℃の場合、普通の人なら「お風呂のお湯にしては少し熱いな」と感じる程度であることが多く、やけどの原因になる可能性がある温度とは思い至らないかもしれません。
しかし、動物は人間よりも長い毛で身体が覆われています。長い毛は熱さを感じにくい性質があるため、動物自身が「熱いな」と感じないままじわじわと熱が皮膚にダメージを与えてしまうおそれがあります。

低温やけどになるとどんな心配があるの?

低温やけどは、一般的な高温によるやけどよりも痛みに気づきにくい特徴があります。そのため気づいたときには症状が進行しており、治るまで長期化してしまうことも少なくありません。
痛みに気づきにくいとはいえ、症状が進行すれば痛みを感じるようになることは当然です。治るまで長期化する場合、その痛みが長く続くということにもつながります。ペットが痛みで長く苦しむのは飼い主にとっても哀しいことでしょう。
また、気づくまでに時間がかかりすぎ、やけどの範囲が広がってしまうケースも。体表面積の2~5割以上にやけどを負ってしまうと、敗血症の恐れも生まれると考えておきましょう。
ペットのために用意した暖房器具が、逆に健康を損ねては元も子もありません。暖房器具の設置方法やペットに過ごさせる環境には注意が必要です。

こんな状態は要注意! ペットの様子をよく観察して

低温やけどはペット自身も気づきにくいため、普段と違った様子を見せないことも多く、飼い主の発見が遅れてしまうケースが少なくありません。
もしもペットに以下のような様子があれば、低温やけどを疑い、必要であればかかりつけの動物病院に相談してください。

1:身体の同じ場所を気にしている、舐めている
2:特定の場所の被毛がはげている
3:皮膚が赤くなっている、水ぶくれができている、めくれている

このような状態は、低温やけど以外でもペット自身のクセやほかの原因で見られるかもしれません。
しかし、低温やけどをした動物に見られる行動でもあり、獣医師さんも注意を促していることは少なくないことも事実です。
あてはまる様子があれば、できるだけ早くかかりつけの動物病院へ行くことをおすすめします。

低温やけどの原因は? 症状は?

低温やけどの原因や症状について詳しく見てみましょう。ペットだけではなく人間も同様の原因で低温やけどが起こるため、飼い主もペットと一緒に気をつけるようにしてください。

低温やけどは熱さの感じにくさが原因に

前述の通り、低温やけどは約44~60℃の低めの温度に長く接触することが原因で起こります。ホットカーペットやペットヒーター、湯たんぽ、こたつのような熱源に長く触れていると起こりやすくなります。
どの暖房器具も、寒い時期には人間もペットも好んで使うものではないでしょうか。使っている時は温かく快適でも、長時間使い続けると低温やけどの原因になるため注意が必要です。

症状の深さは4段階

低温やけどの症状は4つの段階に分類されます。

【Ⅰ度】低温やけどの中ではもっとも軽い症状です。皮膚が赤くなったりヒリつきを感じたりします。

【Ⅱ度】水ぶくれができ、強い痛みが生じる段階です。ペットがしきりに同じ場所を気にしていたり、舐め続けているような様子があれば注意が必要になります。
また、進行すると皮膚の壊死や神経の損傷、感染症なども心配される段階のため、早めの処置が必要です。

【Ⅲ度】深いやけどが起きています。皮膚や皮下組織に重大な症状が見られるため、必ずすぐにかかりつけの動物病院へ連れて行きましょう。

低温やけどに気づいたら?

ペットの低温やけどに気づいたら、もっとも大切なことはかかりつけの動物病院で診てもらうことです。もしも症状がひどく、布や異物が傷口に付着している状態でも、はがさずに受診してください。
受診までの間は可能なら冷水を入れたポリ袋で冷やしたり、流水で積極的に冷やしてあげるのも効果が期待できます。冷やしたあとは清潔なガーゼで患部を覆い、傷を保護してあげましょう。

ペットを低温やけどにしない予防のポイント

低温やけどが心配だからといって、暖房器具をすべて撤去する必要はありません。注意を払いながら上手に使えば、低温やけどを防ぎながら快適な環境を作れるようになります。

湯たんぽや使い捨てカイロはここに注意!

湯たんぽはそのまま置くのではなく、厚手のカバーをかけてあげましょう。直接触れると気持ちよいことは確かなのですが、低温やけどの原因になります。
また人間がよく使う、使い捨ての貼るカイロはペットの使用に向きません。こちらも低温やけどの原因です。どうしても使わせてあげたい場合には、湯たんぽと同じように厚手のカバーで包んであげてください。

暖房器具のそばで長時間過ごさせない

人間もペットも、温かいストーブやヒーターの前で長く過ごしたくなるものです。「こたつに入ったら出られない!」という人もいるでしょう。
しかし、暖房器具のそばで長時間過ごすことも低温やけどをまねきます。適度な時間が経ってもペットが暖房器具のそばから移動しない場合には、飼い主がほかの場所へ連れて行ってあげましょう。
エアコンを上手に使い、暖房器具のそばだけではなく、部屋中が温まる工夫をするのもおすすめです。暖房器具の周りに柵を作り、至近距離まで近づけないようにするのもよいでしょう。

定期的に身体をチェックしてあげる

低温やけどは初期段階で気づきにくいものです。特にペットは強い痛みのような大きな違和感を持つまで変わった様子を見せないかもしれません。その時点では進行している可能性が高くなっています。
暖房器具の前で過ごす時間が増えたと思ったら、定期的に身体をチェックしてあげましょう。赤くなっている部分や触れたら嫌がる特定の部分があれば低温やけどを疑い、早めに治療を始めることが大切です。

気づかないと怖い低温やけどは飼い主が注意しよう

低温やけどは気づきにくく、厄介なものですが、飼い主が注意することによって防げる確率は高くなります。
暖房器具の使い方や長時間の使用を避けつつ、万が一低温やけどになってしまった場合には、早めにかかりつけの動物病院で受診しましょう。

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知る・学ぶ 2024-02-28

両生類ってどんな生き物? 特徴や生態、爬虫類との違いについて

「両生類」と聞くと、どのような生き物を思い浮かべますか?カエルやイモリ、サンショウウオなど、水辺で見かける可愛らしい生き物たちのことです。
そんな両生類ですが、具体的にどんな生態や特徴を持っているのかご存知でしょうか。

今回は、両生類の特徴や種類、生態、外見がよく似ている爬虫類との違いなどについて詳しくご紹介していきます。

両生類とは

両生類は、その名の通り「二つの生活」を意味する言葉からきています。
幼生期には水中で呼吸をし、成長すると陸上で生活するようになるという、一生のうちに大きな変化をすることが特徴です。
生まれた時は水中でエラ呼吸をし、成長すると陸上での生活に適応するため肺呼吸に移行します。

カエルを例に取ると、初めにオタマジャクシとして生まれ、水中でエラ呼吸をします。
しかし成長に伴い、後肢を発達させ、次いで前肢が現れ、エラが退化して肺呼吸になるのです。
また、柔らかく湿った皮膚から皮膚呼吸も行います。
その皮膚は乾燥に弱いため、生活場所は、池、川などの湿った環境が主で、常に湿度の高い場所を好むのです。

成体になると陸上生活をすることが基本ですが、例外として一部のサンショウウオは成長しても陸上生活に移行せず、一生を通じて水中で過ごす種もいます。
これらがなぜ両生類に分類されているとかというと、稀に陸上生活に移行する個体があるためです。

両生類と爬虫類は何が違う?

両生類の一種である「イモリ」と姿形がよく似ている「ヤモリ」や「トカゲ」がいますが、これらは爬虫類に分類されます。
一見似ているように見える種でも生態には大きな違いがあります。

生活環境

まず生活環境の面から見ると、両生類は水辺の湿った環境を好みます。
これは湿った皮膚を通じて呼吸するため、常に湿気を保ち、生活の一部または全てを水中で過ごす必要があるからです。
一方、爬虫類は肺呼吸のみで生きており、乾燥した環境にも適応しているため、湿度の高い場所よりも乾燥した岩場や砂漠、草原などで見られることが多いですね。

皮膚

両生類の皮膚は薄く、ウロコ、甲羅、体毛を持たず、体は粘液で覆われた柔らかい皮膚を持っています。
これに対し爬虫類は、硬いウロコや甲羅で覆われており、乾燥に強いです。

繁殖方法

両生類の多くは水中に卵を産み、ゼリー状の物質で覆われており、乾燥から保護されています。
一方で、爬虫類は硬い殻で覆われた卵を産む種がほとんどで、陸上での生活により適応していますね。

両生類と爬虫類の共通点は?

上述したように両生類と爬虫類では異なる生態を持っていますが、共通点も持っています。

卵から生まれる

まず、両生類と爬虫類は両者とも卵から生まれることです。
陸上で生活する多くの生物に共通していますが、爬虫類と両生類では特に大きな共通点でしょう。
両生類は水中に卵を産み、爬虫類は地上に卵を産む種が多いです。

変温動物である

爬虫類と両生類は、変温動物(冷血動物)としての性質も共通しています。
変温動物は、体温が周囲の環境温度に強く依存するものです。
これは、自らの体温を内部で調節する能力が限られている、または全く持っておらず、体温を調節するために環境内で特定の行動を取る必要があります。
例えば、暖かい場所で日光浴をすることで体を温めたり、影に隠れたり水中に潜ることで体温を下げたりします。
このような行動により、活動に適した体温を維持し、生存と繁殖のために必要な条件を確保するのです。
両生類は湿度の高い場所で体温を保つことが多く、爬虫類は日光浴をすることで体温を調節することが多いですね。

この動物は両生類? それとも爬虫類? 見分けるポイント

自然の中で両生類や爬虫類のような外見をしている動物を見かけた際に、「この動物は両生類?それとも爬虫類?」と疑問に思うことがあるかもしれません。
ここでは、両生類と爬虫類を見分けるためのポイントをご紹介します。

皮膚

まずは皮膚をチェックしてみましょう。両生類の皮膚は湿っていて柔らかいのが特徴で、触ると少しヒンヤリとしていることが多いですね。
一方、爬虫類の皮膚は乾燥しており、鱗で覆われて硬いです。この違いは、一目見ただけでも比較的判断しやすいでしょう。

次に目を見てみましょう。多くの両生類は、目が大きくて外側に突き出ています。
これに対して、爬虫類は目が平らで、瞼によって保護されていることが多いですね。また爬虫類の中には瞬膜(まばたきをするときに目を保護する薄い膜)を持つ種類もいます。

生活環境・行動パターン

そして、生活環境も重要なポイントになります。水辺や湿った場所で見かける場合は、両生類の可能性が高いです。
逆に乾燥した環境や岩場、砂漠などで見かける場合は、爬虫類である可能性が高いと考えられます。

行動パターンも参考になります。例えば、湿った場所で活発に動いている場合は、両生類であることが多いですね。
一方、太陽の下でじっとして体温を調節している動物は、爬虫類の可能性が高いです。

これらのポイントを押さえておけば自然の中で出会ったときに判別しやすいでしょう。

両生類の種類は?

両生類には様々な種類が存在し、それぞれに異なる特徴と生態があります。

カエル

カエルは両生類の中でも最も多様で、世界中の様々な環境に適応しており、強力な後脚を使った高い跳躍能力を持つことで知られています。
カエルの多くは水中で卵を産み、幼生期にはオタマジャクシとして水生の形態をとります。
成長すると、陸上で生活する肺呼吸の成体に変態します。

イモリ

イモリは湿った森林や水辺に生息していますが、人間の生活圏内でも見かけることがあります。
イモリの多くは、夜行性で捕食者から身を守るために毒を持っています。
色が鮮やかであるほど警告色として機能し、捕食者に対して有毒であることを示しています。
よく見かける「二ホンイモリ」も毒を持っているので、もし触った場合は必ず念入りに手を洗って下さい。

ウーパールーパー

ウーパールーパーは、成長しても幼生と同じような形態でいるサンショウウオの一種です。
水中で生活し続け、エラを使用して呼吸しますが、一部の個体は陸上で生活するために変態することもあります。
愛らしい見た目からペットとしての人気もありますが、水質の悪化や生息地の破壊により特に絶滅の危機に瀕している種で、保全活動が必要です。

世界には数千種類の両生類がいるとされていますが、急速に減少していることが問題となっています。
薄い皮膚が環境汚染物質に対して弱いこと、気候変動や生息地の環境変化に適応できていないことが挙げられます。

両生類を飼うときの注意点

両生類の可愛らしい姿やユニークな行動は癒しを与えてくれて、ペットとしても飼うことができます。
しかし、飼育する前には特性や要件をよく理解することが重要です。

まず両生類は水を必要とする生物のため、飼育する際には水場を提供する必要があります。
水を清潔に保つためには定期的に交換をするようにしましょう。
また体温が外部環境に依存しているので、体温が適切に保たれないと体の機能に問題が生じることがあります。
そのため、飼育する際には適切な温度と湿度の管理が必要です。

主な餌として昆虫や小動物を摂取しますが、これらを手に入れることは簡単ではありません。
餌を十分に摂取できない場合、栄養不足や成長の遅れが生じる可能性があるため、専用の配合飼料なども検討してしっかりと用意できるようにしておきましょう。

これらの点を考慮し、両生類を飼育する際には十分な知識と責任を持つことが重要です。
飼育環境や餌、健康管理についてはペットショップなどでアドバイスを受けることをおすすめします。

自然で見かけたら興味深く観察してみよう

両生類の特徴や生態についてご紹介しましたが、どれくらいご存知でしたか?
もし自然の中で出会った際には、ここでお伝えした知識を思い出しながらぜひ観察してみて下さいね!

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知る・学ぶ 2024-02-26

人間はいつからペットと暮らしてる? 長い歴史を共に歩んできた動物たち

人間と動物が一緒に暮らすようになったのは少なくとも1万年以上前だといわれています。時代の流れのなか、人々の暮らしや文化は変化を遂げてきました。ペットとの関わり方にもそれがあらわれています。
頼もしい相棒、権力の象徴、そして愛らしい家族へ。今回は歴史のなかで変遷してきた関係性についてご紹介します。

犬は1万年以上前から、猫は5000年前から?

人間と動物の関わりは、人類が文明を生み出す以前から続いています。長い歴史を共に歩んできた動物たちのなかでも、犬と猫はとくに人間と深い関係を結んでいました。

ペット化は1万5000年前という説もある犬

人間と犬の関わりは人類の歴史でもっとも長いものにあたるでしょう。約1万5000年前にはすでに深い関係が築かれていたと考えられています。
集団生活が得意な犬は人間の暮らしに順応し、狩猟のサポートをしていました。人間は狩猟を手伝う犬を愛し、大切に扱ったと言われています。
1万2000年前のイスラエルの遺跡には人間と犬が一緒に葬られているお墓もあるほどで、どれほど大切にされていたかが想像できますね。日本でも9000年前(縄文時代)の遺跡から、丁寧に埋葬された犬の骨が発見されています。

ほかにも牧羊犬や牧畜犬などのように人間の生産生活を支えたり、盲導犬や聴導犬、警察犬などのように社会性の高い仕事を担ったりなど、犬は人間の生活から切り離せない存在です。
また、優れた仕事をしてくれるだけではなく、愛情深く優しい気質で幸せを感じさせてくれることも、人間が犬を愛する理由のひとつですね。

5000年前から文明の発展を助けた猫

猫が人間とともに暮らすようになったのは犬より少し遅く、約4000年前からだと言われています。それよりも前、約5000年前からだという説もありますが、いずれにせよ人間との付き合いが長いことには変わりません。
人間の暮らしのなかで猫が重宝されるようになったのは、その狩猟能力が理由でした。ネズミが穀物を食い荒らして困っていた人々は、猫が退治してくれることに気づいたため、一緒に暮らすようになりました。
狩猟能力ももちろんですが、その愛らしさが人々を虜にしたのかもしれません。

犬や猫以外にも愛された動物たち 近世のペット事情

ペットとして愛されたのは犬や猫だけではありません。江戸時代には金魚が、明治時代にはうさぎが大ブームになり、近世の日本ペット界隈を盛り上げました。

【金魚】江戸後期には庶民の間で大人気

江戸時代後期、金魚の飼育が一大ブームを巻き起こしました。きっかけは寛延元年(1748年)に金魚の飼育書が発売されたことです。
ブームのはじめは金魚の価格がとても高く、一部の富裕層の間で飼育されていました。しかしやがて大量飼育が可能になったため、庶民の手が届くようになり、金魚の飼育が一般的なものになりました。
お祭りの縁日でよく見かける金魚すくいはこの頃に始まったといわれています。

【うさぎ】明治時代に突然起きた大ブーム

うさぎはもともと日本人のなかでよく知られた動物でした。昔話や民話によく登場し、現代でも多くの人に愛されています。
とはいえ、昔は犬や猫ほどペットとして扱われていませんでした。どちらかといえば野生のうさぎが畑を荒らすため、嫌われていた一面もあったそうです。
しかし明治維新を経て人々の生活様式に変化が訪れた頃、突然うさぎブームが巻き起こったことで状況が一変します。
そのブームはすさまじく、珍しいうさぎは投資対象になったほどです。庶民の間ではうさぎの売買が過熱し、時には人同士のトラブルまで発生したのだそう。
あまりの過熱ぶりに政府はうさぎ1羽につき1円の税金を支払う「うさぎ税」を制定。政治や経済にまで影響を与えたとは驚きですね。

昭和以降はペットも多様に! 愛され続けるペットたち

ペットブームは明治時代以降も続きます。昭和初期には熱帯魚が、経済成長時代には小鳥や小型犬がとくに人気を集めました。
特定の動物を求めるブームが終わってもペットを愛する心は消えることがなく、平成、令和もペットとともに暮らす人々は増加傾向にあります。

昭和初期から始まった熱帯魚ブームはいまでも根強い人気

昭和元年(1926年)に開業した有名百貨店に熱帯魚コーナーが設置されたことをきっかけに、熱帯魚の愛好家が急増しました。当時の飼育用機器が高価であることから、そのブームは富裕層の間で広がるにとどまったようです。
しかし経済成長を遂げた昭和後期には庶民も裕福になり、憧れの熱帯魚を家で飼育したいと思う人々が急増。熱帯魚を求める人が増え、過去にない熱帯魚ブームが日本を席巻しました。
ブーム当時も高価であることは変わりなく、飼育用機器だけではなく熱帯魚そのものも高い値段がついていました。ネオンテトラ1匹が10万円になることもあったのだそうです。庶民の手が届くとはいえ、やはり富裕層向けだったのですね。
やがて品種改良や技術革新が進み、無理をしない予算で飼育できるようになったため、幅広い人が熱帯魚と暮らしやすくなりました。いまでも根強い人気があり、優美に泳ぐ姿で家族を癒してくれています。

昭和後期の小鳥ブームで日本の鳥が海外へ

昭和50年前後には小鳥ブームが起きました。小柄で可憐な姿と可愛らしい鳴き声が人々の心をつかんだようです。飼育しやすいという現実的な点も人気のひとつだったのかもしれません。
おしゃべりをしたり歌を歌ったりなど芸達者な品種も多く、景気のよい時代にぴったりの華やかさが感じられます。玄関に鳥かごを置き、お客さんへ挨拶をさせていたご家庭も多かったようですよ。
このブームをきっかけに、日本の鳥(和鳥)が海外の人々に知られるようになったそうです。セグロセキレイやオシドリなど日本に住む鳥をきっかけに、日本文化に興味を持ってくれたら嬉しいですね。

思わず抱っこしたくなる人が続出 お座敷犬ブーム

昭和40年代から小型犬、いわゆるお座敷犬が富裕層の間で人気を集めました。マルチーズやポメラニアンなど思わず抱き上げたくなるような愛らしさを持つ犬が人気だったそうです。
また、当時は戸建てが多く、番犬代わりによく吠えるスピッツも大人気でした。集合住宅が増えてからはほかの犬種も求められるようになりましたが、お座敷犬のブームに火を点けたのはスピッツだといわれています。

人気作品が火付け役 シベリアンハスキーとハムスター

平成に入った頃、シベリアンハスキーが大ブームに。犬を飼う人の間で圧倒的な人気を誇りました。シベリアンハスキーが登場する「動物のお医者さん」漫画がヒットしたことがきっかけです。
シベリアンハスキーだけではなく、大型犬の飼育に注目が集まるようになったのもこの頃でした。
メディアから広く知られるようになった動物は人気を得ることも多く、ほかには「とっとこハム太郎」がきっかけになったハムスターブームもありました。

人間の暮らしをサポートしながら癒しもくれる動物たち

1万年以上前から人間に寄り添い、生活や文化をサポートしてくれる動物たち。いまではサポート役そのものよりも、一緒に暮らしたいと考える人も多くなっています。
とはいえ、ペットは一緒に暮らすだけでも癒しや責任感を与えてくれます。昔から同じく、人間の成長や暮らしをサポートしてくれているのかもしれませんね。

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知る・学ぶ 2024-02-20

寒さに強い生き物は? マイナス120℃まで耐える強者も!

寒い時期、人間なら暖房器具や厚着で暖を取ることができますが、野生の生き物はそういう訳にもいきません。どのように寒さに対処しているのか、または、何か秘訣があるのでしょうか?
最も寒さに強い生き物はなんとマイナス120℃まで耐えられるのだそうです。そこまでではないとはいえ、寒い地域に住む生き物たちについても気になります。

寒さに最も強いのは意外な生き物だった!?

「最も寒さに強い生き物」と聞くと何を想像しますか。ホッキョクグマやアザラシなど、極寒の地域で生きる動物を思い浮かべるかもしれません。
ところが意外にもそのような動物ではなく、なんと「カタツムリ」の可能性があるのだそうです。しかもマイナス120℃まで耐えられるという説もあり、あまりの意外性に驚くばかりですね。

とはいえ、この説はまだ確定しているわけではないようです。真偽がわからないため、噂にすぎないと考える人もいるとのことでした。
それでも「もしもマイナス120℃まで耐えられる生き物がいたら」と考えるだけで楽しくなりませんか。これからはカタツムリを見て「こんな見た目で実はすごいのかも…」と思うかもしれません。

動物たちの防寒方法は? 寒さに適応する身体の構造

厳寒の地域で生きる動物たちはそれぞれの防寒方法を持っています。人間にも真似できるようであれば冬の時期に取り入れたいものですが、どのような方法なのでしょうか。

海で生きるなら必須? 分厚い脂肪で体温を確保

極寒の場所で生きる秘訣は「体温を逃さないこと」。外気温が寒いばかりか水温まで極寒になる場所で生きる海生哺乳類(セイウチやアザラシなど)は、そのために分厚い脂肪をたくわえています。
脂肪は身体の熱を外に逃しにくい構造になっているため、体感温度を保ちやすいのだそうです。そのため、凍てつくような海中でもセイウチたちはゆうゆうと泳ぐことができるのでしょう。
しかも脂肪は浮力が強い性質も持っています。水の中で素早く動き、獲物を逃さないためにも、あの分厚い脂肪は必要なのですね。
人間も真似しようと思えばできるかもしれませんが、健康を考えると少し遠慮したほうがよさそうです。それぞれの種に合った脂肪量で健康に暮らしましょう。

陸上は毛皮がお役立ち! 驚きの暖熱性能

主に陸上で暮らす生き物の場合、脂肪をたくわえようにも限界があります。そこで厳寒地域で生きる陸上動物は毛皮をまとうことによって防寒するようになりました。
毛皮は体毛の集まりです。その体毛の1本1本の間に空気を抱き込み、熱を逃がさないようにします。人間も衣類の間に空気を入れるとあたたかさが増すという防寒テクニックがあるのですが、それと同じようなものですね。
体毛が長ければ長いほど抱き込める空気の量は多くなります。そのため、同じ種でも生息地域によって体毛は長くなるそうです。
体毛が長い上に厳寒地ならではの工夫をしているのがホッキョクグマです。ホッキョクグマの体毛はストロー状になっており、より多くの空気を抱き込めるようになっています。
さらに、あれだけの美白を誇りながら実は皮膚が黒いのもホッキョクグマの特徴です。太陽光の熱を吸収し、保温に役立てているそうですよ。厳寒地ならではの進化には感心するばかりです。

寒さに強い動物は大きくなるって本当?

寒い地域で厳寒を生き抜く動物は多種多様ですが、「寒さに強い動物は身体が大きい」という傾向が見られます。
もちろんすべてではなく、ユキウサギやシマエナガなど小さくてかわいい動物もいますが、前述のホッキョクグマをはじめ、エゾシカやヒグマなど、北方に多く生息する動物は確かに大きい種類が多いかもしれません。

寒冷地の動物ほど大きくなる「ベルクマンの法則」

生息地の寒さと身体の大きさが比例する法則は、発見したドイツの生物学者クリスティアン・ベルクマンにちなんで「ベルクマンの法則」と呼ばれています。
ベルクマンの法則とは、簡単に言うと「北へ行くほど動物の身体が(同種で比較すると)大きくなる」というものです。
たとえばクマですが、日本の本州に生息するツキノワグマはオスの平均体長が約1.2~1.4メートルです。対して北海道に生息するヒグマの平均体長は約1.8~2メートル、さらに北に住むホッキョクグマは約2.2~2.5メートルにもなります。

逆にタイやマレー半島などの温帯に生息するマレーグマは約1.1~1.5メートルと小柄になり、「北へ行くほど大きくなる」という法則に真実味が出る結果に。
これは体重に対して体表面積が小さいほど放熱しない(体温を逃がさない)という仕組みが関係しています。身体を大きくすると体重に対する体表面積も大きくなるため、厳寒地に生きる動物たちは必然的に身体が大きくなるということなのですね。

ベルクマンの法則は人間にもあてはまる?

北へ行くほど動物の身体が大きくなるのであれば、人間も南国より北国に住む人のほうが大柄なのでしょうか。
考えてみると日本人よりも北欧の人々の身長は高いイメージがあります。実際に各国平均身長の統計では、北に住む人々が大きいという数値的な結果が出ていました。
各国や各地域の社会経済、食生活、親からの遺伝によって差が出ることも多いため、必ずしもすべての人間がベルクマンの法則にあてはまるわけではありませんが、北国の人を見て単純に「背が高い!」と思ったら、ベルクマンの法則を思い出してみるのもいいかもしれませんね。

寒い地域でもこんなに元気! 厳寒で生きる動物たち

寒い地域でも元気に生きる動物たちは多種多様です。人気の動物たちを見てみましょう。

ニホンザル

寒い季節に温泉へ入ることもあるニホンザル。赤い顔とお尻が特徴的です。寒さにはとても強いのですが、逆に暑さには弱いのだそう。最近の日本の暑さでは心配になりますが、元気に過ごしてほしいですね。
なお、山口県の秋吉台では遺跡から50万年前のニホンザルの化石が見つかっています。古くから日本に住む歴史的な動物とも言えるでしょう。

アムールトラ(シベリアトラ)

トラのなかでも最も大きいアムールトラ。絶滅危惧種でもあり、世界に約500頭しかいないそうです。シベリアのツンドラを駆け抜けながら狩りをする身体は大きくても引き締まり、猫の仲間とは思えないほど。冬毛は約4~5cmにもなり、防寒対策も安心です。

トナカイ

クリスマスに大活躍(?)のトナカイは、地球の最北でも生き抜けるたくましい動物です。防寒のため肌の露出がほとんどなく、鼻先まで体毛で覆われています。
また、トナカイが歩く時には「カチカチ」と独特の足音がします。これは歩くたびに蹄(ひづめ)が鳴るためです。冬の雪や凍った土をかきわけられるほど強い蹄ですが、サンタクロースのそりを引く光景のBGMとして考えるとなんとも神秘的ですね。

ペンギン

老若男女に大人気のペンギン。水族館や海辺をよちよち歩く姿はかわいらしく、思わずうっとりしてしまいます。主に寒冷地に住んでいますが、赤道直下のガラパゴス諸島に住むペンギンもいて、種の進化と対応能力には驚かされますね。
ペンギンは色々な種類が確認されており、性格も様々です。なかでもアデリーペンギン類は攻撃的で勇気もあり、自分よりも大きな動物が相手でも果敢に挑むのだそう。かわいい姿でもやるときはやる、頼りになりそうなペンギンです。

生息地に合わせて進化した防寒能力でたくましく生きる動物たち

カタツムリがマイナス120℃まで耐えられるという話には諸説あるものの、事実なら素晴らしい発見ですね。
寒冷地に住む動物たちは気候に合わせた進化を遂げ、極寒世界をたくましく生き抜いています。寒い日々が続きますが、私たち人間も寒さに負けず元気に過ごしましょう。

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知る・学ぶ 2024-01-25

ペットを飼う前の参考に! 飼ってよかったこと、気をつけようと思ったこととは?

ペットと暮らす人は「ペットを飼ってよかった!」と感じることが多いのではないでしょうか?家族の一員となり、絆が深まるにつれて大きな愛情を感じることができます。
その一方で、飼い主としての責任や、周囲への配慮に対して気を引き締めなければならないこともあるでしょう。ペットと暮らす人たちはどのようなときに「よかった」「気をつけよう」と考えるのでしょうか。

ペットを飼って「よかった!」と思うことは?

ペットと暮らしていると、人間だけで暮らす場合とは違う「よかった」があるようです。ペットを飼う人ならではの「よかった」を見てみましょう。

1:癒やされる

愛らしい姿や動物ならではの行動に癒しを感じている人はとても多いようです。疲れて帰って来てもペットが無償の愛で迎えてくれる瞬間にはたまらない幸福を感じるのではないでしょうか。
また、ペットの癒し効果には科学的根拠があります。ペットとの触れあいは脳内に癒し効果が高いホルモン(オキシトシン、セロトニン、フェニルエチルアミン)を発生させ、ストレスの軽減効果やメンタルの安定効果が期待されるのだそうです。
そのなかでもオキシトシンはペットと触れあうことで分泌量がとくに増えるといわれており、お互いの絆を深める効果があるとのこと。たくさん触れあえば、別名「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンもたくさん増えるでしょう。

2:家族のコミュニケーションが増える

家族関係はご家庭それぞれで違いますが、ペットを迎え入れてから「家族の交流が深まった」と感じる人も多いようでした。「会話が増える」「喧嘩をしても間を取り持ってくれる」という効果があるようです。
ペットのお世話を通して家族同士の会話が弾んだり、喧嘩をしても仲直りのきっかけになったり…など、ペットは家族関係のバランスをよい方向へ向ける力を持っているのでしょう。
例えば、少し気まずいときでも「一緒に愛犬の散歩に行こうよ」とコミュニケーションのチャンスを作り出せるのは、ペットがいるご家庭ならではの素敵な一面です。
前述の通り、ペットと触れあうことで幸せホルモンの分泌量が増えるという事実があります。ペットと暮らすことで、家族の皆が幸せを感じる時間が増え、家族関係が良好に保たれることでしょう。

3:子どもの成長をサポートしてくれる

ペットとの暮らしを通し、子どもの成長を感じる人も少なくありません。
「お世話をすることで命の大切さを理解し責任感が生まれた」「優しさや思いやりを持てるようになった」「遊び相手や兄弟のような存在を得た」など、数え切れないプラス効果があるようです。
教育目的だけでペットを飼うわけではないとしても、このようなプラス効果が実感できるのは嬉しいことですね。一緒に成長していく子どもとペットを見守り、幸福を感じている人も多いのでしょう。

ペットを飼って「気をつけよう」と思ったことは?

ペットを飼っていると「気をつけよう」と考えるタイミングもあるはずです。周囲への配慮や命への責任感を意識する人も多いのではないでしょうか。

1:散歩中のマナー

散歩が必要なペットを飼っている場合、散歩中のマナーは大切です。多くの飼い主さんはしっかりとマナーを守っていますが、一部のマナー違反を気にしている人も少なくないようです。
例えばトイレなら、必ず処理が必要です。あちこちに排泄物を放置することは周囲に大変な迷惑をかけてしまいますし、ペットを飼う人への印象が悪くなってしまいかねません。また、ノーリードでの散歩に不安を覚える人もいます。「うちの子は大丈夫」と分かっていても、お互いが安心できるよう、ノーリードOKの場所以外はリードをつけたほうがよいでしょう。
もっとも、多くの飼い主さんはマナーを守っているはず。「そんなマナー違反をする飼い主もいるのか、自分も気をつけよう」と考える材料になりそうですね。

2:健康管理

ペットの健康管理は飼い主の役割です。話せないペットは身体の不調や異常を詳しく訴えられないため、日頃のお世話を通して気をつけながら観察してあげる必要があるでしょう。
定期的な検診や予防接種など、気を抜けないこともたくさんあります。自分のスケジュールと照らし合わせながらペットの健康管理をすることはとても大変ですが、それでも「健康でいてほしい!」という愛情で乗り切りましょう。

3:しつけ

トイレマナーや無駄吠え、すれ違った人やほかのペットを威嚇しないなど、ペットと人々が良好な関係で暮らすために覚えさせたいしつけは少なくありません。「きちんとしておかなければ」と気をつけている飼い主さんは多いことでしょう。
生活に関するマナーはもちろん、ペットの種類によっては家族間の上下関係が大切な場合もあるため、やはりしつけの中でバランスを取る必要があります。
人によっては自分だけではなく、しつけ教室へ通ったり、ドッグトレーナーに預けたりすることも。時間もお金もかかりますが、ペットへの愛情ならではの選択でしょう。ペットと楽しく暮らすためには有効な手段のひとつですね。

どんなペットが人気? 世界で愛される動物たち

ペットは世界中で愛されています。世界の人々はどんな動物と暮らしているのでしょうか。データサイエンス企業・GfKが2016年におこなった「グローバルのペット飼育率調査」を参考に、トップ3を見てみましょう。

【1位】犬

1位は犬でした。人類が初めてペットにしたといわれ、一番の友達として愛されています。アンケートに回答した22カ国・27,000人のうち、じつに33%もの人が犬を飼っているのだそうです。
また、その中の66%がアルゼンチンの人でした。アルゼンチンでの犬人気の高さには驚きますね。

【2位】猫

2位は猫でした。古代エジプトでは猫の神様がいたほど、古くから愛される存在です。アンケート回答者のうち23%の人が猫を飼っていると答えました。
国別に見てみると、猫を飼っていると回答した人のうち57%がロシア人、41%がフランス人だったとのことです。

【3位】魚

3位は魚でした。多種多様で美しいルックスや、水中で優雅に暮らす姿に心を奪われる人は少なくありません。アンケート回答者のうち12%が魚を飼っているそうです。
とくに魚の飼い主が多い国は中国で、回答者の17%にのぼりました。

日本で人気のペットは?

同調査で日本の項目を見てみると、全体で37%の人がペットを飼っています。そのうち多く飼われているのは犬(17%)、猫(14%)、魚(9%)だそうです。グローバルなランキングと同じ順位です。
日本はペット飼育率が低いといわれていますが、愛情をかける気持ちはきっと世界中の飼い主さんと変わらないはず。ペットがきっかけで国を超えたコミュニケーションが生まれるかもしれませんね。

よかったこと、気をつけること…ペットを愛するからこそ

ペットを飼ってよかったこと、気をつけようと思ったことなど、ペットへの愛情があるからこその気づきは、飼い主や家族の生活や心を豊かにしてくれます。しつけや健康管理など大変なことも多数ありますが、ペットと暮らす喜びが苦労を上回るのではないでしょうか。
「うちの子が最高に可愛い!」と感じられる幸せを楽しみながら、これからもペットと仲良く過ごしてくださいね。

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