カンガルーやコアラが有名な「有袋類」! 代表的な動物と生態について

有袋類(ゆうたいるい)とは哺乳類の1つのグループであり、その中でも腹部にある袋状の器官・育児嚢(いくじのう)で子どもを育てる動物のことを言います。
有名なところではカンガルーやコアラがいて、有袋類のほとんどがオーストラリア周辺の地域に住んでいます。

今回は、この有袋類の代表的な動物や生態についてご紹介していきます。

約300種! 有袋類の特徴とは?

有袋類は哺乳類の約4300種の中で、約300種とされています。
有袋類の特徴の中で最もわかりやすいのが、名前の由来にもなっている、子どもを育てるための腹部にある袋状の器官「育児嚢」を持っていることです。
(なお、有袋類の中でも育児嚢が無く痕跡しか確認できない種類がいたり、有袋類以外にも育児嚢を持っていたりする生物もいます。)

有袋類が育児嚢で子育てをする大きな理由は子どもが発育の不完全な状態で産まれてくるためで、出生直後にすぐ育児嚢に入り、内部で乳を飲みながらしばらくはここで母親に守られて成長していきます。

哺乳類の中には出産後にすぐに立ち上がることができるような動物もいる中で、有袋類の子どもは本当に未熟な状態で産まれてきます。
なぜ未熟なままで産まれてくるのかは一般的な哺乳類の雌がもつ「胎盤」が関係しています。

有袋類には「胎盤」がない?!

私たち人間を含む多くの哺乳類は、妊娠中に「胎盤」という器官を通して子どもに栄養を与えますが、有袋類はこの胎盤がないか、あっても十分に栄養を与えることができないのです。

これが、有袋類の子どもが未熟な状態で産まれてくる最大の理由です。

いくつ知ってる? 有袋類の動物たち

では、有袋類の代表的な動物をご紹介します。

カンガルー

カンガルーは有袋類の中でも特によく知られているでしょう。
動物園やテレビ、図鑑などでカンガルーの子どもが育児嚢の中から顔を出している姿を一度は見たことがあるかと思います。
カンガルーの仲間は、主にオーストラリア大陸に生息していて、タスマニア島、ニューギニア島でも見られます。
カンガルーを含む他の有袋類もほぼこの地域に生息しています。

ワラビー

ワラビーもカンガルーと同じく有袋類の中ではおなじみですが、姿形はカンガルーと同じで、その違いは「大きさ」です。
カンガルーよりも小型な種(25kg以下)がワラビーに分類されます。環境への適応能力が高く、ペットとして飼育することも可能です。

コアラ

コアラは地上を駆け巡るカンガルーとは違い、生活のほとんどを樹上で過ごし、ユーカリをはじめとした樹木の葉や芽を食べています。ユーカリの葉が好きなことは有名ですね。
コアラは有袋類の中で「コアラ科コアラ属」に分類されているのですが、この中にコアラの他の動物がおらず、コアラが唯一だという珍しい分類になっています。

ウォンバット

かわいらしい丸いシルエットが特徴的なウォンバットも有袋類の仲間で、オーストラリア大陸の限定地域に生息しています。
ウォンバットの育児嚢は少し変わっていて、後ろ向きに開いているため、そのおかげで子どもは産まれてすぐに育児嚢に入ることができます。

フクロモモンガ

フクロモモンガは「モモンガ」ではなく、モモンガのような外見をしている体長が20cmほどの有袋類の仲間です。
最近ではペットショップでも姿を見るようになり飼育もできるのですが、樹上を駆け回って滑空するため、大きな飼育ゲージが必要になります。

フクロネコ

フクロネコも上述のフクロモモンガと同じように「フクロ」という言葉が名前に入っている有袋類になります。
そして「ネコ」ともありますが、見た目はネコよりもネズミのような姿をしています。
フクロネコは環境破壊や外敵、感染症などの原因によってオーストラリア大陸では絶滅してしまったため、わずかにタスマニア島に生き残っている限りで、こちらも絶滅が危惧されています。

なお、有袋類は「袋」を持っているだけあって「フクロ」と名前がつく種類が多いです。
他にも、フクロアリクイ、フクロオオカミ、フクロギツネ、フクロモグラなどが存在します。

バンディクート

バンディクートも「フクロウサギ」と呼ばれることがあり、ウサギと違って口先がネズミのように尖っています。
ウサギは草食動物ですが、バンディクートは昆虫やカタツムリを食べるなど、雑食なのが特徴です。
実は日本ではTVゲームの有名キャクラターのモチーフになっていますが、バンディクート自体はあまり浸透していません。

タスマニアデビル

多くの生き物が生息しているタスマニア島の「タスマニア」をとった名前がついていることで知名度があるタスマニアデビルですが、前述のフクロネコ科で、フクロネコの仲間です。
「デビル」の由来は、気性が荒く、肉食性だからということですが、実際は警戒心が強く、自分より大きな動物に対しては臆病で逃げ出すことが多いようです。
フクロネコ同様、病気などによって数が減っているため、保護活動が行われています。

オポッサム

ここまでご紹介した有袋類は、オーストラリア大陸とその周辺が生息地ですが、オポッサムは南北アメリカ大陸に生息しています。
あまり知られていませんが、有袋類はオポッサムの仲間が属するオポッサム科が多いです。

ケノレステス

ケノレステスはグレーの柔らかい毛に覆われていて、姿はネズミに似ています。
鼻先が尖っていて、有袋類の中でも育児囊がないのが特徴です。
オポッサム同様にオーストラリアではなく、南北アメリカ大陸に生息しています。

有袋類の生息地の分布について

有袋類は世界各地で化石が発見され、かつてはかなり広範囲に生息していたことがわかっていますが、現在ではオーストラリア大陸とその周辺の島、新熱帯区である南アメリカ大陸、および北アメリカ(オポッサム類のみ)に限定されて生息しています。

歴史を遡ると、有袋類は有胎盤類より先に出現し、有胎盤類は約1億6000万年前に有袋類と分岐したとされています。
有胎盤類は有袋類との競争に勝って数を増やしていきましたが、オーストラリア大陸と南アメリカ大陸には何かしらの理由により侵入することができなかったため、これらの大陸のみで有袋類が繁栄したと考えられています。

しかし、約300万年前に南アメリカが北アメリカと接続したため、南アメリカの有袋類は衰退しました。
そんな中、キタオポッサムは南アメリカから北アメリカに移住できた、北アメリカで唯一の珍しい有袋類として生存しています。

また、長期間他の大陸から孤立していた南アメリカ大陸にはティラコスミルスという肉食有袋類が生存していましたが、北アメリカ大陸と繋がった際に同じ肉食の有胎盤類のサーベルタイガーに破れて絶滅しています。

他にもオーストラリアにはフクロオオカミのような大型の肉食有袋類も存在していましたが、人間が犬を持ち込んでそれが野生化し、その野生化した犬(ディンゴと呼ばれる)との生存競争に負け、1936年を最後に発見されておらず、絶滅した可能性が濃厚です。

それでもオーストラリアには比較的競争相手が少ないため、今でも多様な有袋類が生息することができています。

今後の保護活動に期待高まる「有袋類」

今後の保護活動に期待高まる
上述したように、有袋類は過去にはかなり多くの種類が存在していたことが分かっています。
しかし、環境の変化や病気の影響などで数を減らしてしまい、いまでも生き残っている有袋類にも絶滅が危惧されている種類がいくつもいるため、今後の保護活動に期待するばかりです。
今回の記事で、有袋類に興味を持ったという方は是非動物園に足を運んでみて下さいね!

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