生態

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知る・学ぶ 2022-12-26

パンダとの違いは? レッサーパンダの生態や歴史について

レッサーパンダは、そのかわいらしい姿で人気を博し多くの動物園で飼育されていますが、日本には生息しないため生態などは詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、レッサーパンダの生態や分布、歴史、習性などをご紹介していきます。

レッサーパンダってどんな動物?

分類

レッサーパンダは、ネコ目(食肉目)レッサーパンダ科に属する動物で、学名は「Ailurus fulgens」英名は「Lesser panda」です。
外見がアライグマやタヌキに似ていることから以前はタヌキ科に分類されていましたが、研究が進むにつれて独立した動物であることがわかり、現在はレッサーパンダのみがレッサーパンダ科に属しています。
インド北東部、中国南部、ネパール、ミャンマー、チベットに生息しているものの、森林伐採などにより生息地が減少しており、現在では絶滅危惧種に指定されています。
原因は、生息地の開発により餌が減り繁殖が不可能になったと言われていて、ワシントン条約に登録され、取引や捕獲が禁止・保護されています。

名前の由来

レッサーパンダの名前の由来は、その歴史にあります。
現在、「パンダ」といえばジャイアントパンダを指すことが多いですが、元々は先に存在が確認されていたレッサーパンダを「パンダ」と呼んでいました。

レッサーパンダはヨーロッパで最初に発見され、その後同じような食性を持つジャイアントパンダが発見されました。
「ジャイアントパンダ」と名前をつけられましたが、こちらの方がインパクトが強かったためか、「パンダ=ジャイアントパンダ」のイメージが定着したと言われています。
その後、レッサーパンダはジャイアントパンダと区別するために、「小さい」という意味の「レッサー」という英名が付けられました。
ちなみに、中国語ではレッサーパンダは小熊猫、ジャイアントパンダは大熊猫と呼ばれています。(ジャイアントパンダは「クマ科」です。)

「red panda」という英名もあり、これはパンダが赤い色をしていることに由来しているようです。
また、学名の「Ailurus」はラテン語で「猫と似ている」、「fulgens」は「光り輝く」を意味し、「光り輝く猫」という意味になります。

大きさ

レッサーパンダの体長は約50cm~63cmで、長くて柔らかい体毛で覆われています。
木の上でバランスをとるように長いふさふさのしっぽを持ち、しっぽの長さだけでも約30cm~50cmあり、尻尾を含めた体長は約80〜120cmになります。
尻尾にある縞模様もレッサーパンダの大きな特徴です。
体重は3~6kgで、大きさはオスとメスであまり変わらないとされていますが、オスの方がやや重い傾向があるようです。
また、木の上で滑らないように手足の裏にも毛が生えていて、木の上で生活できるような体の構造になっています。

レッサーパンダは生まれたばかりのときは体長15cm、体重100~130gですが、生後1年ほどで成獣と同じ大きさになります。
お腹が黒いのは、下から見上げたときに木陰に溶け込み、敵に見つかりにくくするためと考えられています。

レッサーパンダの生態

それでは、レッサーパンダの生態はどうなっているのでしょうか?

分布と種類

レッサーパンダは、インド北東部、ミャンマー北部、ネパール、中国四川省、雲南省の温帯から亜熱帯にかけての落葉樹林、針葉樹林、竹林に生息し、主食となる竹や笹が多い場所で樹上生活をしています。
生息地によって以下の2種類に分類されます。

・シセンレッサーパンダ
中国南部からミャンマー北部に生息するレッサーパンダです。やや大型で体毛が黒っぽいのが特徴で、日本で飼育されているレッサーパンダのほとんどがこの種です。

・ネパールレッサーパンダ(ニシレッサーパンダ)
インド北東部、ネパール、ブータンに生息するレッサーパンダです。明るい体色が特徴で、日本ではほとんどの動物園で飼育されていません。
シシレッサーパンダに比べ白っぽい体色が特徴です。

食生活と外敵

「パンダ」といえば竹や笹というイメージが強い動物ですが、レッサーパンダも同じように竹や笹、タケノコが好きで、手に発達した骨の突起を爪のように使って掴んで食べます。
この突起は、手首の骨の一部が変化して指のような形成をしていて、「第6指突起」と呼ばれます。
指は5本ですが、この突起も使って上手く物を掴むことができるようになっていて、ジャイアントパンダにも同じものがあります。

また、果物も主食のうちの一つで、動物園で飼育されているレッサーパンダの多くはリンゴやバナナなどの果物を食べています。
レッサーパンダは上述のとおり「食肉目」という肉食動物のグループに分類されていますが、限りなく草食動物に近い雑食性です。
時には昆虫や鳥、鳥の卵、小動物なども食べるものの、これは環境の変化で適応したからと言われています。
人に向かって牙を剥くことはほとんどありませんが、肉食動物特有の鋭い爪は健在で、顎の力も強いので、触るときは注意が必要です。

野生のレッサーパンダの寿命は8~10年と言われていますが、動物園で飼育されている場合は13~14年、日本の動物園では20年以上生きたという記録もあるそうです。
これは野生のレッサーパンダには外敵が多いのに対し、飼育下では外敵がおらず、病気の治療もできるためと考えられています。
野生のレッサーパンダの天敵は、チベットやヒマラヤに生息するユキヒョウをはじめ、ヒョウ、ワシ、タカ、オオカミなどです。

習性と活動

レッサーパンダはどちらかというと夜行性の動物で、夜になると地上に降りてきて活動を始め、特に早朝と夕暮れ時に活発に動きます。
日中は外敵から身を守るため、木の上で寝ていることが多いです。

性格は、そのかわいらしい外見とは裏腹に、獰猛で強い気性を持っています。群れを作らず、基本的に単独で生活しているため、縄張り意識がとても強いです。
特にオスは肛門付近にある匂い腺から発する強い匂いで自分の縄張りをアピールし、繁殖期にはオスもメスも縄張りをめぐって争います。
小さな音にも敏感に反応し、ライバルに出会うと前足を上げて後ろ足で立ち上がり、すぐに攻撃態勢に入ったり、威嚇したりします。
有名な両足立ちのポーズは、自分を大きく見せるための威嚇行動の一つなのです。

繁殖と飼育

レッサーパンダの繁殖期は6月から8月で、この期間だけは2頭1組で行動します。
妊娠期間はおよそ90〜150日で、木の穴や岩の隙間で2頭の赤ちゃんを産むのが一般的です。
多いと4頭の赤ちゃんが生まれることもあるようです。
授乳期間は約5ヶ月で子育てはメスだけが行い、生後約1年で親と同じ大きさに成長し12~18ヶ月で性成熟を迎えます。

なお、レッサーパンダの国際取引はワシントン条約で規制されていて、個人でペットとして飼うことはできません。
日本では多くの動物園でレッサーパンダが飼われていて、世界のレッサーパンダの4分の1が日本の動物園で飼育されていると言われています。

動物園へレッサーパンダを見に行こう!

動物園へレッサーパンダを見に行こう
野生のレッサーパンダは過酷な生活をしており、絶滅が心配されています。
生息地を中心に保護活動が行われていて、日本の動物園でも個体数の増加に取り組んでいます。

野生のレッサーパンダが絶滅しないようにすることが一番大事ですが、動物園で保護することも重要なのです。
日本の動物園が繁殖に力を入れ続ければ、種の保存につながることでしょう。

まだレッサーパンダを直接見たことがないという方や、この記事を読んで改めて見たくなったという方は、ぜひ動物園に足を運んでみて下さいね!

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知る・学ぶ 2022-09-21

恐竜も爬虫類だった?! 現存する爬虫類とその特徴について

動物の中で「爬虫類」と分類されているものがありますが、図鑑で見る恐竜にどこか似ていると思ったことはないでしょうか?
実は爬虫類と恐竜には共通点がいくつかあります。

そこで今回は、恐竜と爬虫類の関係性や、現存する爬虫類についてご紹介します。

恐竜と爬虫類の関係

恐竜はその姿や特徴から、爬虫類から進化したものと考えられています。
中生代三畳紀に爬虫類は大きな発展を遂げ、魚竜、真獣類、トカゲ(後のヘビ、モササウルス)、カメ、ワニ、翼竜、恐竜と多くのグループに分けられました。

そもそも爬虫類が陸に上がることができた理由

爬虫類が陸に上がることができた理由は、まず爬虫類の体の特徴である「硬い角質でできた丈夫な鱗や殻」にあるといわれています。
これによって、水がない陸上でも爬虫類の体からは水分が失われることがありません。
また、卵を覆っている殻が硬いということもあり、孵化するまで外敵から守り、乾燥に耐えられる強さを持っていることも理由になります。

中生代白亜紀は爬虫類の楽園だった

白亜紀には、現世とは比較にならないほど多くの爬虫類のグループが存在しました。
その中で現世に残っているのは、ご存知のように、トカゲ、ヘビ、カメ、ワニのグループだけです。
今から約6550万年前、現在のユカタン半島に直径10kmの巨大な隕石が落下し、この隕石は直径200kmのクレーター(チチュルブ・クレーター)を作り、大規模な火災と砂煙を発生させて気温を低下させました。
その結果、恐竜をはじめとする多くの生物が絶滅したのです(白亜紀末の大量絶滅)。

そんな中この過酷な環境を生き抜いた生物がいますが、その生き残った生物には恐竜に虐げられていたという共通点があります。
恐竜の時代、広大な陸と海の多くは、さまざまな恐竜に支配されていた中で、大型恐竜が生息しない「水辺」に生息する生き物たち、つまり現存する爬虫類です。
陸上にはティラノサウルスなどの巨大な肉食恐竜、そのほか海にも巨大な肉食恐竜がいました。
しかし、限られた生息地である川に生息する恐竜は少なく、爬虫類は川を生息地とし、巨大なワニなどの大型爬虫類が発達していったのです。

体温調節ができないという欠点が逆に利点に?

そうなると爬虫類はどうやって生きてきたのでしょうか?
爬虫類は、生存に必要な水がある水域に生息していて、水で高熱を避けつつも保温することができたため、厳しい環境でも生き延びることができたという説があります。

また、恐竜が体温を維持できる恒温動物で、爬虫類は体温を維持できない古いタイプの変温動物であったことも幸いしたとも言われています。

体温を維持するためには、大量の食料を必要としますが、ヘビやカメなどが冬眠するように、爬虫類は体温調節動物であるため、気温が低くなると代謝活動を低下させます。

鳥類も元は恐竜だった?

鳥類は恐竜から進化してきたと考えられています。
大型の恐竜が陸上を支配していたのに対し、鳥類となった恐竜は、他の恐竜が支配できない空を生息地としました。
地上で弱い鳥たちは、穴や木の空洞に巣を作り、このような隠れ場所によって、災害から逃れることができたのではないかと考えられています。

足首の関節が頑丈な構造で、脚は前後方向にしか動かせないという特徴を鳥類が受け継いでいるので、「恐竜は絶滅していない」と言われることさえあります。

恐竜は「鳥盤類」と「竜盤類」の2種類に分かれる

鳥盤類は、骨盤の形が鳥に似ていることからそう呼ばれていて、鳥盤類には、アンキロサウルス、ステゴサウルス、トリケラトプス、イグアノドンなどが含まれます。
そして竜盤類は、骨盤の形がトカゲに似ていて、四足歩行の草食動物ディプロドクスやスーパーサウルス、二足歩行の肉食動物アロサウルスやティラノサウルスが含まれます。

恐竜に近いワニ類

ワニは現生爬虫類でもっとも恐竜に近い種です。
すべての生物は、生物学的分類によって分類されていますが、まず基本的な情報で両者をみてみましょう。

本題の爬虫類の代表種「イリエワニ」は、どのように生物学上で分類されているのでしょうか?

・ドメイン 真核生物
・界 動物界
・門 脊椎動物門
・綱 爬虫綱
・目 ワニ目
・科 クロコダイル科
・属 クロコダイル属
・種 イリエワニ

イリエワニは上記ように分類されています。

では、恐竜の代表格であるティラノサウルスはどうでしょうか。

・ドメイン 真核生物
・界 動物界
・門 脊椎動物門
・綱 爬虫綱
・目 竜盤目
・科 ティラノサウルス科
・属 ティラノサウルス属
・種 ティラノサウルス・レックス

上記の分類になります。

ワニと同じ「綱」であることまでがわかります。
つまり、生物学的には恐竜も爬虫類の仲間なのです。
すると、生きている爬虫類(ワニなど)と絶滅した爬虫類(恐竜)は何が違うのでしょうか?
その答えは、立ち方と歩き方にあります。

恐竜は二足歩行を特徴としている

現在の爬虫類と恐竜の違いは、脚の付き方にあります。
ご存知のように、爬虫類は二足歩行をしません。脚は横に伸びています。
膝は90度近く曲がっていて、全体重を体全体で支えている。爬虫類の「爬虫」は「爪を立てる」「地面を這う」という意味ですが、まさに今の爬虫類がそうです。

一方、恐竜は脚が下向きに生えていたため、2本足で歩きました。
膝をまっすぐに伸ばし、2本の脚で全体重を支えることができたのです。
トリケラトプスなど4本足の恐竜もいますが、その祖先は2足歩行だったと考えられています。
もし、ワニと同じ爬虫類の「トカゲ」を見かけたら、その膝の角度に注目してみてもらえると、膝は90度近くまで曲がっているはずです。

日常生活で馴染みのあるトカゲについて

日常生活で馴染みのあるトカゲについて
爬虫類の中で最も身近な存在と言えるのがトカゲでしょう。
その数なんと約4,500種類も存在しています。
さまざまな環境に適応できるため世界中に生息していて、日本でも多くの種類が存在します。

トカゲの生態と特徴は?

トカゲの多くは4本足で長い尾を持ち、地上や樹上でも素早く移動することができます。
生息地は温帯林や熱帯林、高山、砂漠などさまざまで、ほとんどのトカゲは食虫類を含む肉食性ですが、中には植物食のトカゲもいることが知られています。
体温が周囲の環境に影響されやすく、寒いと感じたら暖かい太陽の下に行き、暑いと感じたら日陰や水の中に入るなどして体温調節をする習性があります。

「尻尾切り」は全てのトカゲがするわけではない

トカゲは外敵から逃げるために自分の尾を切ることが有名ですが、これは全てのトカゲが行うわけではありません。
尻尾を切るのは、ネズミやイタチ、鳥などの外敵に掴まれた時で、先を切って草むらに逃げ込み、残った尻尾が体から離れた後もしばらく動くため、敵がそれに気を取られている間に逃げることができるのです。
切断された尾は基本的には数ヶ月で再生しますが、前より小さくなったり、形が少し変わったりすることが多いです。

実は分類学的に見ると、トカゲはヘビとかなり近い存在で、トカゲの中にはヘビと同じように足がない種類も存在します。
トカゲとヘビの大きく異なる点は、ヘビはまぶたがない代わりに目が透明なうろこで覆われていたり、耳の穴の代わりに音を筋肉や骨に伝えて感知していたりすることが挙げられます。

好きな生き物の祖先や生態を調べてみよう

いかがでしたでしょうか。生物の分類や進化の過程を詳しく調べてみると「想像と違っていた」という情報がまだまだあることに気がつくと思います。
もし気になる生き物がいたら、生態や仲間、祖先などを調べてみると面白いことがわかるかもしれませんよ!

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知る・学ぶ 2022-08-18

カンガルーやコアラが有名な「有袋類」! 代表的な動物と生態について

有袋類(ゆうたいるい)とは哺乳類の1つのグループであり、その中でも腹部にある袋状の器官・育児嚢(いくじのう)で子どもを育てる動物のことを言います。
有名なところではカンガルーやコアラがいて、有袋類のほとんどがオーストラリア周辺の地域に住んでいます。

今回は、この有袋類の代表的な動物や生態についてご紹介していきます。

約300種! 有袋類の特徴とは?

有袋類は哺乳類の約4300種の中で、約300種とされています。
有袋類の特徴の中で最もわかりやすいのが、名前の由来にもなっている、子どもを育てるための腹部にある袋状の器官「育児嚢」を持っていることです。
(なお、有袋類の中でも育児嚢が無く痕跡しか確認できない種類がいたり、有袋類以外にも育児嚢を持っていたりする生物もいます。)

有袋類が育児嚢で子育てをする大きな理由は子どもが発育の不完全な状態で産まれてくるためで、出生直後にすぐ育児嚢に入り、内部で乳を飲みながらしばらくはここで母親に守られて成長していきます。

哺乳類の中には出産後にすぐに立ち上がることができるような動物もいる中で、有袋類の子どもは本当に未熟な状態で産まれてきます。
なぜ未熟なままで産まれてくるのかは一般的な哺乳類の雌がもつ「胎盤」が関係しています。

有袋類には「胎盤」がない?!

私たち人間を含む多くの哺乳類は、妊娠中に「胎盤」という器官を通して子どもに栄養を与えますが、有袋類はこの胎盤がないか、あっても十分に栄養を与えることができないのです。

これが、有袋類の子どもが未熟な状態で産まれてくる最大の理由です。

いくつ知ってる? 有袋類の動物たち

では、有袋類の代表的な動物をご紹介します。

カンガルー

カンガルーは有袋類の中でも特によく知られているでしょう。
動物園やテレビ、図鑑などでカンガルーの子どもが育児嚢の中から顔を出している姿を一度は見たことがあるかと思います。
カンガルーの仲間は、主にオーストラリア大陸に生息していて、タスマニア島、ニューギニア島でも見られます。
カンガルーを含む他の有袋類もほぼこの地域に生息しています。

ワラビー

ワラビーもカンガルーと同じく有袋類の中ではおなじみですが、姿形はカンガルーと同じで、その違いは「大きさ」です。
カンガルーよりも小型な種(25kg以下)がワラビーに分類されます。環境への適応能力が高く、ペットとして飼育することも可能です。

コアラ

コアラは地上を駆け巡るカンガルーとは違い、生活のほとんどを樹上で過ごし、ユーカリをはじめとした樹木の葉や芽を食べています。ユーカリの葉が好きなことは有名ですね。
コアラは有袋類の中で「コアラ科コアラ属」に分類されているのですが、この中にコアラの他の動物がおらず、コアラが唯一だという珍しい分類になっています。

ウォンバット

かわいらしい丸いシルエットが特徴的なウォンバットも有袋類の仲間で、オーストラリア大陸の限定地域に生息しています。
ウォンバットの育児嚢は少し変わっていて、後ろ向きに開いているため、そのおかげで子どもは産まれてすぐに育児嚢に入ることができます。

フクロモモンガ

フクロモモンガは「モモンガ」ではなく、モモンガのような外見をしている体長が20cmほどの有袋類の仲間です。
最近ではペットショップでも姿を見るようになり飼育もできるのですが、樹上を駆け回って滑空するため、大きな飼育ゲージが必要になります。

フクロネコ

フクロネコも上述のフクロモモンガと同じように「フクロ」という言葉が名前に入っている有袋類になります。
そして「ネコ」ともありますが、見た目はネコよりもネズミのような姿をしています。
フクロネコは環境破壊や外敵、感染症などの原因によってオーストラリア大陸では絶滅してしまったため、わずかにタスマニア島に生き残っている限りで、こちらも絶滅が危惧されています。

なお、有袋類は「袋」を持っているだけあって「フクロ」と名前がつく種類が多いです。
他にも、フクロアリクイ、フクロオオカミ、フクロギツネ、フクロモグラなどが存在します。

バンディクート

バンディクートも「フクロウサギ」と呼ばれることがあり、ウサギと違って口先がネズミのように尖っています。
ウサギは草食動物ですが、バンディクートは昆虫やカタツムリを食べるなど、雑食なのが特徴です。
実は日本ではTVゲームの有名キャクラターのモチーフになっていますが、バンディクート自体はあまり浸透していません。

タスマニアデビル

多くの生き物が生息しているタスマニア島の「タスマニア」をとった名前がついていることで知名度があるタスマニアデビルですが、前述のフクロネコ科で、フクロネコの仲間です。
「デビル」の由来は、気性が荒く、肉食性だからということですが、実際は警戒心が強く、自分より大きな動物に対しては臆病で逃げ出すことが多いようです。
フクロネコ同様、病気などによって数が減っているため、保護活動が行われています。

オポッサム

ここまでご紹介した有袋類は、オーストラリア大陸とその周辺が生息地ですが、オポッサムは南北アメリカ大陸に生息しています。
あまり知られていませんが、有袋類はオポッサムの仲間が属するオポッサム科が多いです。

ケノレステス

ケノレステスはグレーの柔らかい毛に覆われていて、姿はネズミに似ています。
鼻先が尖っていて、有袋類の中でも育児囊がないのが特徴です。
オポッサム同様にオーストラリアではなく、南北アメリカ大陸に生息しています。

有袋類の生息地の分布について

有袋類は世界各地で化石が発見され、かつてはかなり広範囲に生息していたことがわかっていますが、現在ではオーストラリア大陸とその周辺の島、新熱帯区である南アメリカ大陸、および北アメリカ(オポッサム類のみ)に限定されて生息しています。

歴史を遡ると、有袋類は有胎盤類より先に出現し、有胎盤類は約1億6000万年前に有袋類と分岐したとされています。
有胎盤類は有袋類との競争に勝って数を増やしていきましたが、オーストラリア大陸と南アメリカ大陸には何かしらの理由により侵入することができなかったため、これらの大陸のみで有袋類が繁栄したと考えられています。

しかし、約300万年前に南アメリカが北アメリカと接続したため、南アメリカの有袋類は衰退しました。
そんな中、キタオポッサムは南アメリカから北アメリカに移住できた、北アメリカで唯一の珍しい有袋類として生存しています。

また、長期間他の大陸から孤立していた南アメリカ大陸にはティラコスミルスという肉食有袋類が生存していましたが、北アメリカ大陸と繋がった際に同じ肉食の有胎盤類のサーベルタイガーに破れて絶滅しています。

他にもオーストラリアにはフクロオオカミのような大型の肉食有袋類も存在していましたが、人間が犬を持ち込んでそれが野生化し、その野生化した犬(ディンゴと呼ばれる)との生存競争に負け、1936年を最後に発見されておらず、絶滅した可能性が濃厚です。

それでもオーストラリアには比較的競争相手が少ないため、今でも多様な有袋類が生息することができています。

今後の保護活動に期待高まる「有袋類」

今後の保護活動に期待高まる
上述したように、有袋類は過去にはかなり多くの種類が存在していたことが分かっています。
しかし、環境の変化や病気の影響などで数を減らしてしまい、いまでも生き残っている有袋類にも絶滅が危惧されている種類がいくつもいるため、今後の保護活動に期待するばかりです。
今回の記事で、有袋類に興味を持ったという方は是非動物園に足を運んでみて下さいね!

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知る・学ぶ 2022-06-29

古くから姿を変えずに暮らしている「生きた化石」たち

「生きた化石」という言葉をご存知でしょうか?
生きた化石とは、はるか昔から進化をせずに現代でもほとんど姿形を変えないで生息している生き物や植物のことを指します。
地層から発見される化石とほとんど同じ姿のままである場合が多く、私たちの身近にも生きた化石と呼ばれる生き物は存在しています。

そこで今回は、「生きた化石」と呼ばれる様々な生き物たちをご紹介します。

退化した肺があるシーラカンス

生きた化石の中でも知名度が高いのが「シーラカンス」という魚で、通常の魚とは一味違う古代的ロマンが溢れる魚です。
シーラカンスは4億年以上前の化石として多く発見されており、淡水、浅瀬の海、深海に多く生息しているとされ恐竜と同じ頃に絶滅したと考えられていました。

しかし、1938年に南アフリカ沖で漁の網に偶然かかり、ほぼ姿を変えずに生息していたことが判明しました。
その後は別の場所でも発見されるようになりましたが、淡水や浅瀬の海では発見されず、現代では深海性の種類のみが生き残っているようです。

シーラカンスが他の魚と異なる点は、ひれのつけ根に骨があり、動物の脚に似た動きをし、陸上の四足動物に近い内臓を持っているところです。
他にも背骨が発達しておらず、軟骨でできた1本の管が背骨の役割をしていることや、お腹の中で卵をかえして産むことなども挙げられます。

「進化論」では、水の中で生活していた魚が進化して陸に上がっていったと考えられていますが、陸に上がるためには肺が必要です。
シーラカンスは、えら呼吸をしているものの、使われなくなったとみられる肺があることがわかっています。
これは浅瀬で生息していたシーラカンスの祖先が再度海へ戻ったものだと考えられており、恐竜などが絶滅した際に深い海に潜っていた深海性のシーラカンスだけが生き延びたという説があります。

卵を産む哺乳類? カモノハシ

オーストラリアに住む「カモノハシ」も生きた化石と呼ばれています。

他の哺乳類と決定的に異なるのが、哺乳類であるのにもかかわらず卵を産むという、常識を覆した不思議な哺乳類だという点です。
カモノハシは恐竜がいた中生代から生息していると言われていて、哺乳類が地上に多く現れた時代から今とほとんど変わらない姿で存在しているのです。

哺乳類の中で一番古い生き物とされていて、鳥類と同じく卵で子どもを産むものの、哺乳類と同じく母乳で育つため哺乳類に分類されています。
カモノハシは卵内で子どもの栄養を作れない代わりに、母乳で栄養を補うのです。
また、幅広いクチバシがあるものの歯が生えていなかったり、後ろ足から分泌される毒素が爬虫類と限りなく近かったりと、まだ多くの謎が残っているようです。

クモやサソリの仲間・カブトガニ

不思議な姿をしている「カブトガニ」も約5億年も前から姿を変えていない生き物の一つです。

生息地はインドネシアやフィリピンが主ですが、実は日本にも一定数生息しており、瀬戸内海と九州北部に分布しています。
カブトガニは、シーラカンスと同じように海にとどまった種類が絶滅期を乗り越え、ほとんど姿を変えずに生き残ったと言われています。
現在カブトガニは4種で、体長30センチを超える個体も存在します。

「カニ」と名前が付いていますが、甲殻類ではなく、クモやサソリに近い生き物で、血液が青く、穴を掘る習性があります。
食べることも製品にすることもできず、漁の際に邪魔になるとされてきましたが、血液が毒素の検査薬に使われるようになり、今では高価な価格で取り引きされています。
また、日本では数が少なく絶滅危惧種に指定されています。

手軽に飼育できる身近なカブトエビ

カブトガニと似たところでは「カブトエビ」という生き物も存在します。
カブトガニを小さくしたような形をしていますが、カブトガニはクモに近いのに対し、カブトエビはカニなどと同じ甲殻類です。
淡水の田んぼなどに生息していて雑草を食べてくれる有益な生き物として知られ、特に西日本で多く見かけます。

カブトエビは甲殻類の中でも古い形を残したまま、約2億年以上前から存在しているとされています。
大きさは4センチ程度で、裏にはたくさんの脚があり、その姿からも古代生物らしさを感じます。
元々日本には分布しておらず、海外から持ち込まれたとされており、ライフサイクルが田んぼの周期に合っていて、日本の環境に馴染んだとも言われています。

カブトエビは飼育キットも販売されています。成長速度が速く、目に見えないサイズから数日で大きくなり、よく夏休みの自由研究などで使われることもあります。
寿命は2~3ヶ月と短く、孵化から10日程度で産卵が可能となり、水に入れると孵化する不思議な卵は、数年間は持つとされています。
雌雄同体で一匹だけで卵を産むことができる種もいて、これらが古代から生き延びてきた要素とされています。
古代生物を気軽に育てることができるので、興味があれば飼育してみるのも良いでしょう。

イカやタコの仲間・オウムガイ

オウムガイ
初めてオウムガイを見た方の中には、貝なのか、ヤドカリなのか、イカなのか、タコなのかなどと戸惑う方もいらっしゃいますが、イカやタコと同じ軟体動物に分類されていて、大きな殻を持っているのが特徴です。
南太平洋からオーストラリア近海の水深100~600mほどの場所に生息していて、殻がもろく、水深800mを超えると水圧で壊れてしまうため、あまり深くでは生きられません。
約5億年前からほとんど姿形を変えずに生存しています。

殻の直径は約15~20cmで、発見されている化石で最大のものは30cmほどです。口元にある触手は約90本あり、この触手で物に付着したり獲物を捕食したりしています。
主に夜間に活動し、イカやタコと同じく身体から水を噴きだし、その推進力で移動をします。
目はついているものの、イカやタコのようにレンズ機能は無く、視力は良くありません。
巻貝に体を入れていますが、出口に近い場所にのみ体を入れており、その奥にはガスと液体が入っていて、この量を調整して浮いたり沈んだりしています。
なお、オウムガイとよく間違えられる「アンモナイト」はすでに絶滅していて、オウムガイも現在生息が確認されているものは5種類になります。

オウムガイは飼育することができ、海水魚などを扱っているお店やインターネット通販などで販売されていますが、飼育環境を整えるためには10万円ほど費用がかかります。主な餌はエビや魚の切り身になります。
夜行性なので昼間は休んでいることが多いものの、人になつきやすく、自ら寄ってくることもあるようです。
また、記憶を保持することができ、学習できることも判明していて、「学習することが可能な最古の種」とも言われています。
軟体動物にしては寿命が長く、環境を整えてお世話をすれば良いペットになるかもしれません。

たくましく生きてきた「生きた化石」たち

「生きた化石」という表現はダーウィンが著書の「種の起源」の中でカモノハシなどについて使ったのが最初だそうです。
古代の生き物は環境の変化に適応できずに絶滅をしたか、もしくは環境に適応して姿形を変えてきたものがほとんどです。
その点、生きた化石たちは姿を変えることなく、たくましく生き抜いてきました。
考え方によっては、環境に対して変化する必要がない完成された生態だとも考えられます。この先もずっと姿形を変えずに歴史を刻んでいくのかと思うと、なんとも神秘的ですね!

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知る・学ぶ 2021-11-19

冬眠する動物の特徴とペットを冬眠させてはいけない理由について

気温が下がり、植物も枯れる冬。私たち人間にとって冬は健康を脅かす時期であり、冬をどう越すかは人類の長年の課題でした。
これは動物にとっても同じで、特に冷たい外の気温の影響を強く受けてしまう変温動物にとっては健康どころか命の危険が忍び寄る季節です。

そのため、一部の野生動物たちはこの時期だけ一時的に活動を休止します。これが「冬眠」であり、動物たちにとっては生き残るためのサバイバルスキルの一つ。しかし、逆にペットとして飼われている動物は「冬眠させてはいけない」といわれているのをご存知でしょうか?

そこで今回は、冬眠する動物の特徴や種類、ペットを冬眠させてはいけない理由についてご紹介します。

冬眠するのはどんな動物?

動物が体温を一定に保つためには大量のエネルギーを必要としますが、冬に食料が不足し、十分な栄養を摂取できなくなると熱を作り出せず活動できなくなってしまいます。そのため、冬眠せざるを得ないのです。
冬眠する動物は一般的に外の寒さの影響を受けて体温が下がる動物や、冬に食料を獲得することが難しい動物に多いという特徴があります。
では、具体的にどのような動物が冬眠するのでしょうか。

クマ

冬眠と聞くとクマを思い浮かべる方が多いかもしれません。
その通り、クマは冬眠する哺乳類としてよく知られています。冬眠する理由は「食料不足になるから」。クマは雑食ですが、どちらかというと植物を好んで食べる傾向にあるため、葉や木の実が枯れる冬は飢えてしまう可能性があるのです。

冬眠前は体に栄養を蓄えようと、食べ物を必死に探して食べます。クマの冬眠は飲まず食わずで4ヵ月〜5ヵ月眠り続けるので、この期間体を維持できるだけのカロリーは必須。冬の到来前に食べ物を求めて街をうろつくクマがみられますが、それにはこういった事情も背景にあります。生きるために必死で探しにやって来た結果なのです。

シマリス

クリッとした瞳に焦げ茶色の縞模様の毛。そのかわいらしい外見からイラストやポスターの被写体になることが多いシマリスも、冬眠します。
寒いとどうしても体力を消耗してしまいますし、冬場はリスが好んで食べる植物も限られてしまうからです。
しかし、シマリスの場合はクマのような冬眠前の「ドカ食い」はしません。代わりに、秋に実るドングリを巣に運んで食料を確保しておき、冬眠中にたまに起きて食事するのです。
厳しい時期に備えてきちんと「貯金」するところに、シマリスの几帳面な性格と賢さが表れていますね。

コウモリ

空を飛ぶコウモリは鳥類と間違えられることが多いのですが、実は哺乳類です。
したがって、自ら熱を発して体温を調節できる恒温動物ですが、やはり冬は食料の確保が困難となるため、一部のコウモリは活動を極限に抑えて冬眠に入ります。

街中でよく見かけるのは小型のアブラコウモリで、住宅の天井裏や換気口に住み着いています。冬眠中はこうした人目につかない場所でじっとして過ごし、3月頃に活動を再開させるようです。
万が一自宅内で冬眠中のコウモリを見つけた場合は触らず、専門の業者に依頼して駆除してもらいましょう。
コウモリは狂犬病や日本脳炎など感染症の原因となる病原体を保有しているため、専門知識のない人には対応しきれません。

ゴールデンハムスター

小動物のペットのなかでは不動の人気を誇るゴールデンハムスターも、冬眠する動物です。
本来は恒温動物ですが、寒さが厳しいときは生命維持の手段として冬眠し、活動量を減らすこともできるのです。
冬眠期間中は数日〜1ヵ月程度でさほど長くはありません。

冬眠中の過ごし方はそれぞれ

自然のなかで冬眠している動物を見ることはなかなか難しいもの。
さまざまな動物を観察できる動物園でも、食料に困ることがない環境下では特別に冬眠展示が行われていない限り、冬眠している様子を見ることはできません。

しかし、上記の例をみれば、冬眠中の過ごし方は動物によってそれぞれ異なることがわかります。クマは冬眠する前に体重の約30%~40%の脂肪を体内に蓄えて食事や排泄をせずに眠り続けますし、シマリスのように「食べては寝る」を繰り返す動物もいるので、これといった冬眠のスタイルは決まっていないのです。
ただ、活動量の制限に伴って呼吸数や心拍数も大幅に減ることは、冬眠する多くの動物に共通する点です。

すべてを省エネモードにする――。これが冬眠の基本です。
寒いとあらゆる行動を最小限・最低限にしたくなる人間も、こういった点では同じと言えるのではないでしょうか。

ペットを冬眠させてはいけない理由

ペットを冬眠させてはいけない理由
ペットの中にも冬眠する動物がたくさんいます。上記の例でいえばゴールデンハムスターやシマリスです。彼らは自然界で暮らしている場合は冬眠しますし、ペットとして人に飼われている場合であっても放っておけば冬眠状態になることがあります。
しかし、ペットを冬眠させるのは次のような理由から危険であり、飼い主としては冬眠させないように注意しなければなりません。

冬眠すると寿命が短くなる

ペットを冬眠させてはいけない理由の一つとして、冬眠する場合としない場合では、「冬眠する方が寿命は短くなる」ということが挙げられます。冬眠は寒い冬を生き延びるための手段ですが、体温が下がって仮死に近い状態になるうえ、呼吸数も減少するのでかなり体力を消耗します。するとやはり体に負担がかかって寿命が短くなるのです。

餓死する

また、ペットとしての飼育環境では冬眠に必要な準備が十分にできないことも大きな理由です。冬眠して冬を無事越すためには眠っている間に必要なエネルギーを冬眠前にたっぷり蓄えておく必要がありますが、人による飼育下ではその準備が不十分なうちに冬眠に入ってしまい、眠っている間に餓死する恐れがあるのです。

冬眠させない環境づくりが大切!

大切なペットを冬眠させないためには、寒くなる時期の温度管理をしっかり行うことが大切です。動物は人間よりも環境の変化に敏感なので、適切な温度や湿度を保つように心がけましょう。

たとえば、ハムスターは10度を下回ると冬眠状態になってしまう可能性があるため、冬場にうっかり温度管理を忘れてしまわないように注意してください。ハムスターをお迎えするならケージにハムスター飼育用の温度計を取り付けて、常に室温をチェックする習慣を身につけたいものです。

まとめ

冬眠する動物の特徴と種類、ペットを冬眠させてはいけない理由についてご紹介しました。
冬眠は動物が厳しい環境を生き抜くための手段である一方、彼らの本能でもあります。そして、その本能は自然界で生活するときに活かされることが理想的ですが、人による飼育下では本能を発揮できるどころか命を脅かしてしまうことさえあります。
これからペットをお迎えする方は、その動物が冬眠する習性があるかどうか必ず確認しましょう。動物によっては徹底した飼育環境の管理が必要になります。

なお、今回は冬眠する哺乳類をご紹介しましたが、蛇や亀などの爬虫類も冬眠します。種類によっては冬眠させても問題ないものと、させない方が良いとされるものがあるので、お迎えする際はこの点について必ず確認するようにしましょう。
動物の習性をよく学んで上手に付き合える飼い主さんは、動物からも信頼されますよ!

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