豆知識

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知る・学ぶ 2023-05-31

世界で一番大きな生き物は? 陸と海の最大種について

世界最大の生物をご存知ですか?ゾウ、キリン、クジラなど色々な動物を思い浮かべますよね。
世界には想像をはるかに超える巨大生物がいます。「怪獣映画かな?」と思ってしまいそうなサイズに圧倒されますよ。

有り得ない大きさと重さ! 世界最大の動物は全長約24メートル!

世界最大の動物は「シロナガスクジラ」です。なんと平均全長は約24メートルにもなるのだそう。学校やスポーツジムのプールとほぼ同じ長さだと考えると、その大きさに唖然としてしまいそうですね。

全長だけではなく、体重や寿命も規格外です。平均体重は110トン、いままで計測された最大体重は190トンもあります。キロではありません、トンですよ。想像するのもひと苦労の重さではないでしょうか。

舌の重さだけでも2.7トンあり、口を全開にすると90トンの水とエサを入れられます。ただ、食道はたったの30cm程度なのだそうです。これならうっかりシロナガスクジラの口に入っても、食べられることはなさそうで安心ですね。

身体が大きければ声もビッグです。吠えると数百キロ離れた場所でも聞こえます。シロナガスクジラのスケールは何もかも大きく、地球が生み出す生命の幅広さをしみじみと感じられそうです。

シロナガスクジラは赤ちゃんも大きい!

シロナガスクジラは生まれたときから規格外の大きさです。生まれたばかりの赤ちゃんは体長約7~8メートル、体重は約2.5トン以上もあるのだそう。一般的なカバと同じサイズです。
毎日母乳を500リットル以上飲むこともあるそうで、お母さんクジラの体力に脱帽ですね。

シロナガスクジラの赤ちゃんは成長がとても早く、1時間ごとに体重が約3.6キロ、1日で計算すれば約90キロの増加です。もちろん体長もぐんぐんと伸び、1日で約3.8メートルも大きくなります。
この成長速度なら、大人になったシロナガスクジラがあれほど大きいことにも納得です。赤ちゃんの頃から何もかもスケールが違うのですね。

まるで映画の世界!大きすぎる生き物たち

世界最大の動物はシロナガスクジラですが、大きな(大きすぎる)生き物はほかにもたくさんいます。

ヘラジカ

シカと言えば奈良でおせんべいを食べる愛らしい姿を…と思うかもしれませんが、アメリカに棲息する「ヘラジカ」はおせんべいどころではありません。
体長は約2.5メートルにもおよび、体高はなんと約2メートルにもなる個体が少なくありません。バスケットボール選手のような高さを持つヘラジカが歩く姿は圧巻です。大きな角もついているため、実際に見たときの威圧感は相当なものになるのではないでしょうか。
欧米ではヘラジカと車が交通事故を起こし、ドライバーが死傷するケースもあるそうです。

バイソン

バイソンもアメリカに棲息する動物です。かつては個体数が約1,000頭まで減ってしまいましたが、現在は保護動物になり、約50万頭まで増えています。
アメリカではヘラジカと並んでビッグな生き物として知られるバイソンは、ヘラジカと同様に約2~3メートルの体高を持ち、体重は約500~1トン近くになることも。
また、「バッファロー」という別名も持っています。学術的には違いがあるようですが、一般的にはバッファローと呼ぶことも少なくないそうですよ。

アフリカマイマイ

アフリカマイマイはカタツムリの一種です。カタツムリで想像するのは指先に乗る小さな種類ではないでしょうか。人によっては愛らしさを感じることもありますね。
愛らしさはともかく、アフリカマイマイは日本の一般的なカタツムリとまったく違うサイズです。世界最大級のカタツムリと言われ、約20センチを超える個体も存在します。
注意したいのは、日本ではアフリカマイマイが「要注意外来生物」であることです。人間の健康に害を及ぼす寄生虫を持っていたり、農作物への食害を引き起こしたりします。もし見かけたときには個体や這った跡を決して素手で触らないように注意してくださいね。

オサガメ

オサガメは体重が約300キロ以上、甲羅が約1.5メートルにもなるカメです。カメとしては世界最大であり、日本の三陸地方では漁師たちの信仰対象にもなっているそうですよ。
予想外に甲羅は柔らかく、まるでゴムのような感触です。大きさもさることながら、独特の甲羅にも驚きですね。
他にも1,200メートルも潜水したり、産卵地はパプアで餌場はカリフォルニアなど広い行動範囲を持っていたりなど、何かと神秘的な印象がある不思議なカメです。
現在は個体数が減り、保全活動がおこなわれています。大西洋では少しずつ増加傾向にあるようです。今後、よい結果につながってほしいですね。

スケールが違う! 大きな生き物に圧倒される

スケールが違う! 大きな生き物に圧倒される
シロナガスクジラをはじめ、大きな生き物のスケールには圧倒されてしまいます。まるで映画の生き物のようだと思っても、なかにはヘラジカのように人々の日常生活でバッティングする動物がいるのも驚きですね。
大きさのスケールが違うとはいえ、地球の大切な生命であることは人間と同じです。尊重しながらともに生きていきましょう。

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知る・学ぶ 2023-05-29

盲導犬になれるのはどんな犬? 適した犬種や私たちとの関わり方

目に障がいを持つ人をサポートする盲導犬。仕事をこなす姿はとても立派です。盲導犬になるためには厳しい訓練が必要だと言われていますが、具体的にはどのような過程を経て盲導犬になるのでしょうか。

今回は盲導犬になるための訓練や歴史、向いている犬種などについてご紹介します。

目が見えない人や目が見えにくい人を助ける盲導犬

盲導犬は「目が見えない人」だけをサポートすると考えている人が多いかもしれません。実際は完全に視力を失った人だけではなく、視力があっても見えづらさを感じる人であればサポートの対象です。日本盲導犬協会では盲導犬のサポートを受ける人を「盲導犬ユーザー」と呼んでいます。

段差や障害物を避けるようサポートしたり、目的の場所へ安全に到着できるよう導いたりする盲導犬は、盲導犬ユーザーにとって大切なパートナーです。家族の一員として愛情をそそぎながら共同生活をしています。

古くはローマ帝国時代にいたという説も

盲導犬のはじまりを辿ってみると、古くはローマ帝国時代のイタリア・ポンペイにいたという説があります。犬に導かれて歩く人の姿が壁画に残されているそうですよ。

1800年初期、オーストリアで盲導犬の訓練がスタートしています。1900年初期には戦争の負傷兵をサポートするためにドイツで正式に盲導犬が採用され、その後、欧米で盲導犬の育成が始まりました。

日本に盲導犬がやって来たのは1938年頃です。ドイツから4頭の盲導犬を迎えたことをきっかけに育成が始まり、1957年には日本初の盲導犬・チャンピィ号が誕生しました。現在は国内で多くの団体が盲導犬の育成事業を手がけ、サポートを必要とする人と盲導犬の出会いを生み出しています。

盲導犬になるための訓練とは?

盲導犬になるためにはさまざまな訓練が必要です。まず、生後2ヶ月から1歳までは「パピーウォーカー」と呼ばれるボランティアの家庭で育てられ、人間社会に適応できるよう、社会化訓練がおこなわれます。

1歳からは訓練センターで訓練スタートです。訓練と言っても決してスパルタではなく、何かできるたびに「Good」と褒めながら人のサポートが楽しいと覚えていきます。
訓練を通して「人の指示を聞く」「人を安全に誘導する」「乗り物の乗降」「飲食店やショッピング中のマナー」など幅広いことを学び、テストに合格すれば立派な盲導犬の誕生です。

最後に、これからパートナーとして生活する盲導犬ユーザーの生活環境や諸事情にマッチするよう、細かい訓練をおこないます。パートナー候補の人と一緒に2~4週間ほど共同生活をし、お互いに理解を深め合う過程です。
共同訓練の後はおよそ10歳までの8年間を寄り添いながら過ごします。

引退した盲導犬はどうなるの?

盲導犬は10歳前後で引退します。仕事がなくなったと言って不遇な目に遭うことはありません。新しい家庭に迎えられ、ごく普通の飼い犬として大切にされ、のんびりと第二の人生(犬生?)を楽しみます。

引退後の盲導犬を迎え入れる家庭はボランティアが多く、盲導犬への理解があることがほとんどです。盲導犬ユーザーは引退後のパートナーの今後を心配するかもしれませんが、このような制度が整っているため、安心して任せられます。

どんな犬が盲導犬に向いているの?

盲導犬は温和な性格で、人のサポートを楽しめる犬種が向いています。日本ではラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、その両者の子どもとして生まれたF1が盲導犬として活躍しています。

海外ではこのほかにジャーマンシェパード、ドーベルマン、スタンダードプードルなど数多くの犬種がいるそうですよ。

ただ、この犬種だからといって必ずしも盲導犬に向いているわけではありません。性格によっては向き、不向きがあるため、両親の性格を見て判断されることもあるそうです。

もしもわたしたちが盲導犬と出会ったら

外出先などで仕事中の盲導犬に出会ったら、わたしたちはどうするべきでしょうか。

まず、ハーネスをつけているかどうかを確認します。ハーネスをつけている場合は一緒にいる人をサポートしている時間、いわば仕事中です。集中をさまたげないよう、そっとしておくとよいでしょう。
具体的には「声をかけない」「撫でたりさわったりしない」「興味を引くようなこと(じっと見つめるなど)をしない」「エサをあげない」などが重要です。

また、最近は携帯電話などで手軽に撮影できる時代ですが、仕事中の盲導犬を撮影するのは避けましょう。これも盲導犬の集中を欠き、盲導犬ユーザーと盲導犬を危険な状況にしてしまう可能性があります。

盲導犬は人の大切なパートナー

盲導犬は人の大切なパートナー
盲導犬は盲導犬ユーザーにとって大切な家族であり、生活をサポートするパートナーです。可愛いらしく、でも誇り高く仕事をする姿は思わず応援したくなりますよね。
もしも仕事中の盲導犬を見かけたら、心のなかで「Good!」と声をかけてあげてください。

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知る・学ぶ 2023-04-21

知っておきたい! 身近なことからできる動物愛護

動物が好きな人のなかには、動物愛護に関心を寄せる人が少なくありません。ペットを飼っていても飼っていなくても、愛する動物の尊厳を守りたいと考えるでしょう。
動物愛護は人間と動物の関係を深める大切な考え方です。

今回は動物愛護の概要や、身近なことからはじめられる動物愛護活動についてご紹介します。

生物多様性の中で育まれた人間と動物の関係

動物愛護は生物多様性と深く関わっています。40億年もの地球の長い歴史のなか、生命の誕生から現代まで、人間を含めた多くの動物などが進化しながらつながりを持ってきました。それぞれの生物が多様で豊かな個性を持ち、いまの社会を作り上げています。
生物多様性が生み出したつながりのなかでも、人間と動物の関係は深いものです。3万年前にはホラアナグマの飼育が行われ、犬(オオカミ)の家畜化が始まった形跡があるほど、長い時間を身近な関係で過ごしています。

人間は食料や働き手として動物と関わるだけではなく、信頼できるパートナー、ペットとしても動物とともに歴史を積み重ねてきました。それは現代社会でも変わることなく受け継がれています。
人間社会が豊かになり、さまざまな考えが生まれることによって、動物に対する見方も変わってきました。動物愛護はその一環です。「動物の尊厳を守ろう」という考えを持つ人々が増えたのです。

犬や猫、さまざまな動物の生命を尊厳への配慮

残念ながら、動物に対してひどい仕打ちをする人は存在します。しかし彼らとは逆に動物を愛し、動物の生命や尊厳を守り、安心した暮らしをさせてあげたいと思う人も多いのが事実です。
そんな人々が動物愛護精神を持ち、さまざまな活動をしています。ペットを大切にする人、望ましくない環境で過ごす動物を保護する人など、動物を愛する人たちはそれぞれの立場でできることをする時代になりました。

現代のペットへの考え方

一般社団法人ペットフード協会の「令和3年 全国犬猫飼育実態調査」によると、調査対象2,000世帯のうち、犬を飼っているのは53.0%、猫を飼っているのは40.3%にのぼりました。
ペットを飼う理由として「生活に喜びを与えてくれる」が多く、生活に欠かせない存在として大切にしている背景がうかがえます。

新しくペットとして犬や猫などを迎え入れた人も少なくありません。ここで注目したいのは、ペットを探す方法の第2位が「インターネットの里親募集を見る」であることです。
日本ではペットショップやブリーダーからペットを迎えられます。しかし、あえて里親を求めるペットを選ぶ飼育希望者の意識は、動物愛護につながる行動ではないでしょうか。里親募集が広く知られるようになった現代ならではの考え方かもしれませんね。
もちろん、ペットショップやブリーダーを通して迎え入れることにも問題はありません。むしろそのような橋渡しをするプロの人々こそが動物愛護に詳しく、また、熱心でしょう。ペットの尊厳と生命を守りながら、新しい飼い主に出会うまで大切に保護する人々がほとんどです。

日本で注目される動物愛護

動物愛護の精神は法律にも影響をおよぼしています。日本では2000年に環境省の主導で「動物愛護管理法」が施行されました。動物愛護管理法では以下の理念と目的が明示されています。

・生命への感謝と畏敬の念を持ち、動物を取り扱うこと
・国民が動物を愛護する気風を構築し、生命の尊重、友愛、平和に対する気持ちを育むこと

この理念や考えをもとに動物愛護を進め、とくに動物虐待を防ぐために機能する法律です。定められた項目を遵守するよう、都道府県では動物愛護団体との連携を行うケースが増えました。国も動物愛護団体の育成に乗り出しています。
各自治体には自治体が運営する動物保護センターが設置されました。諸事情で一緒に暮らせなくなった人からペットを引き取ったり、迷い犬や迷い猫を収容・保護したりと業務は多分野にわたります。保護した犬や猫の譲渡会も業務のひとつです。
さらに、環境省では「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」も発足しました。殺処分ゼロを目指し、人と動物が幸せに共生できる社会を作ろうとしています。

しかし、どの業務もマンパワーが不足している状態です。行政だけでは対応しきれないのも事実です。そこで各自治体は動物愛護団体と連携し、保護活動や動物愛護の啓発を進めています。
お住まいの自治体にも、動物保護センター主催の譲渡会や動物愛護団体の活動があるかもしれません。もしも見かけることがあれば、保護された動物たちの幸せを願ってあげてくださいね。

世界の動物愛護はもっと進んでいる!

世界でも動物愛護は盛んです。日本より進んでいる国もあり、人間から動物への愛情、生命と尊厳を尊重したい気持ちに国境はないのだと実感させられます。

動物保護に関して、世界でもっとも厳しい法律を定めているのはスイスです。たとえば、尊厳が守られる対象には食料になる家畜や魚類も含まれています。残酷な方法で処理をしてはいけない、輸送時間の上限が定められているなど、じつに細かい規定です。
動物実験も非常に厳しい規制があります。あらゆる動物実験(人体実験含む)を禁止するべきだという声は根強く、何度も国民投票がおこなわれているほどです。
ほかにも詳細な規定が定められています。スイスの人々がいかに動物愛護に関心を持ち、幸せに暮らせることに関心を持っているかがよく分かりますね。

スイスのほかにはドイツやイギリスが有名です。どちらの国も動物愛護に関する法律を制定し、その数の多さや厳しさは日本をはるかに超えるのだそうですよ。とくにイギリスは世界最古の動物福祉協会があり、世界に先駆けて動物愛護に着手した国でもあります。

わたしたちにできる動物愛護

動物愛護活動をしたくても、実際に何をすればよいのか…と思う人もいるかもしれません。仕事や家庭が忙しく、思ったように活動しづらい可能性もあります。まずは身近でできることからはじめてみませんか?

動物愛護団体に寄付する

動物愛護団体の多くは、活動資金に恵まれているわけではありません。寄付があれば大きな助けになるでしょう。無理に大金を用意する必要はなく、できる範囲で気持ちを寄付すれば十分な力になります。

動物保護センターや動物愛護団体に支援物資を送る

保護されている動物たちが使える物資を送るのもよい方法です。エサや日用品、消耗品など、無理をせずに用意できるものがあれば送ってみましょう。事前に送り先に「何が必要ですか?」と確認してみると、そのときに必要なものが送れるのでおすすめです。

自分のペットを適切にお世話する

一緒に暮らしているペットを迷子にしない、不適切な環境に置かない、しつけをきちんとする…。「そんなこと当たり前でしょう」と思うかもしれませんが、これらも大切で、かつ、重要な動物愛護です。
清潔な環境で迷子にならずに暮らすだけで、動物保護センターや動物愛護団体に保護される可能性が減ります。しつけができれば社会で快適に暮らしやすくなるでしょう。
そんなあなたのペットを見て、これからペットを飼おうとしている人が「あれがよい飼い方だ、自分も見習おう」と考えるかもしれません。とても重要な動物愛護活動です。

動物愛護は動物と楽しく幸せに共生できる社会を作る

動物愛護は動物と楽しく幸せに共生できる社会を作る
動物愛護は決して難しい考え方ではありません。活動も難しく考えず、できることからはじめましょう。
いまペットと一緒に暮らしている人は、これからも愛情を持ってお世話しましょう。飼っていなくても動物が好きな人は、触れあうときにたっぷりの愛情を注いであげてください。それも立派な動物愛護活動です。

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美容・健康 2023-03-30

「デブ猫」は要注意? 猫が太る原因と肥満対策

いわゆる「デブ猫」といわれるぽっちゃりした猫ちゃんの姿はとても可愛らしく、飼い主さんもあまり気にしないという方が多くいらっしゃいます。
しかし、猫の肥満は知らず知らずのうちに様々な病気を引き起こすリスクがありますので、健康管理上は適正な体重を維持することが大切です。

今回は、猫が太る原因や肥満対策、注意点などについてご紹介します。猫の肥満度のチェック方法も解説しますので是非参考にしてくださいね。

猫の肥満を判断する基準がある?

はじめに、猫は全ての個体が同じ大きさ・体重というわけではもちろんありませんので、その子にとってのベストな体重・体型は種類などによってもそれぞれ異なります。
猫が太っているかどうかを判断する基準としては、一般的に成長期が終わる1歳ごろの体重を理想体型の基本として比較し、ベスト体重のおよそ20~30%を超えた場合は「肥満」だといわれます。
ただし、成長がゆっくりな大型猫などはこれに当てはまらない場合がありますので、あらかじめ獣医さんなどに確認してみることをおすすめします。

また、猫の肥満度を確認するには、「BCS」(ボディコンディションスコア)という方法を用いることである程度判断が可能になります。
BCSは主に下記の5段階に分かれ、猫の外見や触り心地で脂肪がどれくらいついているのか肥満度をチェックします。

・BCS1 痩せ
・BCS2 やや痩せ
・BCS3 理想的
・BCS4 やや肥満
・BCS5 肥満

BCSの評価は上述のとおり、痩せ〜肥満までとなっており中間のBCS3が理想的とされBCS4以上はダイエットが必要です。
※猫の「BCS」(ボディコンディションスコア)詳細については、環境省が発行している
「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」をご覧ください。

猫が肥満になる原因

猫が肥満になる原因は様々ですが、その多くが以下の3つに分けられます。
現代は肥満猫が増加傾向にあるといわれていますので、思い当たる原因があれば一つ一つ改善していきましょう。
猫は肥満になると糖尿病や高血圧、脂肪肝や関節疾患などの病気リスクが高まるため注意が必要です。

1.食べ過ぎによるカロリーオーバー

猫が肥満になる原因として最も多いのが、人間と同じく食べ過ぎによるカロリーオーバーです。
飼い猫は食べるのに困ることもなくフードが与えられ、ついついあげすぎてしまっているという飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
食事に加えて、喜んで食べるからといっておやつも与えすぎているのであれば1日の摂取カロリー基準を簡単にオーバーしてしまい、太りやすくなる原因となります。
猫に与える食事は適正な量を心がけ、おやつも必要以上にあげてしまうのはなるべく避けましょう。

2.運動不足

運動不足も人間と同じく肥満の原因となります。特に猫の場合は1日中室内でゆっくり寝て過ごしている子が多いため、食事の摂りすぎに加えて運動不足に陥ると肥満になりやすくなってしまいます。
摂取したカロリーよりも消費カロリーが少ないと太る原因となりますので、時間を決めておもちゃで遊んであげるなど、なるべく運動させるように心がけましょう。
キャットタワーなどを設置して猫が運動できる環境を整えるのもおすすめです。

3.避妊や去勢手術

避妊や去勢手術を行うと猫はホルモンバランスが変化し、代謝エネルギー量が減ることに加え、食欲は逆に旺盛になるためどうしても太りやすくなってしまいます。
避妊や去勢は猫を安全に飼育する上で大切な処置ですが、肥満になる最も一般的な原因でもありますので、術後は食事のコントロールなどに気をつけましょう。

このほかにも、引越しなどの環境変化からストレスが溜まり過食に走るケース、遺伝的な要因、投薬によるものなど様々なことが原因としてあげられます。

猫の肥満対策

猫の肥満対策・予防は「食事のコントロール」と「適度な運動」が基本となります。
無理なダイエットは禁物ですので、適切な方法で根気よく行いましょう。

食事・カロリー量を見直す

まずは普段の食事量・カロリー量を見直すところから始めていきましょう。
1日に必要なカロリーは猫の現在の体重、目標とする体重、年齢、運動量などによっても変わるため、はじめにかかりつけの動物病院で獣医師の指示を仰ぐことをおすすめします。
簡易的にはダイエット開始時点の摂取カロリーに対して7割程度に抑えるのが一般的とされていますが、あくまで目安ですのできちんと相談しましょう。
決められた食事の1日の分量を一度に一気に食べさせるのではなく、数回に分けて与えるようにするとダイエットはしやすい傾向にあります。食べ残しがある場合はすぐに片付けましょう。

また、いくら食事量を見直してもおやつを多く食べてしまっていては意味がありませんので、おやつも含めて計算に入れましょう。
急におやつを抜いてしまうとストレスにつながるため、はじめは上手く回数や量を調整してください。

カロリー計算が難しい場合は肥満猫用のダイエットフードを取り入れるのもおすすめです。カロリーバランスが調整されており、空腹感を満たすために食物繊維が含まれている商品もあるので、猫のストレスが少なくダイエットが行えます。
一方で誤った与え方をすると別の健康被害を引き起こす恐れがありますので、獣医師の指導のもとで取り入れましょう。

猫の食事を見直す際は、早く痩せさせようと考えてフードの量を極端に減らすのは避けてください。
猫に必要な栄養素も同時に減ってしまうばかりか、極端に食事量が減ることで「肝リピドーシス」という命を落としてしまう恐れもある病気を引き起こす危険があります。

適度な運動を行う

食事のコントロールに加えて、猫の運動量を増やすことも肥満対策・予防に効果が期待できます。
しかし、猫の場合は運動だけで体重を落とすのは難しいため、あくまで食事管理の補助的なポイントとして考えてください。

外で暮らす猫に比べて室内猫は運動量が少なくなりがちですので、運動する機会を増やすために猫じゃらしなどのおもちゃを活用して遊んであげましょう。コミュニケーションもとれるので一石二鳥ですし、時間を決めて習慣化すると効果的です。

また、狭い室内でも設置できるキャットタワーもおすすめです。
猫は上下運動が得意ですので登ったり降りたりできて運動不足の解消になるだけでなく、ストレス解消させることでイタズラなどの軽減にもつながります。
ただし、太っている猫はジャンプの着地などのときに関節を痛める危険があるため、フロアマットなどを用意して衝撃を和らげる工夫をしておきましょう。

愛猫の日頃の健康管理と適度な食事・運動を心がけよう!

愛猫の日頃の健康管理と適度な食事・運動を心がけよう
猫が太る原因や肥満対策、注意点などについてご紹介しました。
猫は肥満になると糖尿病など様々な病気を引き起こす恐れがあるため、日頃から定期的に体型・体重のチェックと適度な食事・運動で健康維持することが大切です。
猫は一度太ってしまうと運動だけでは痩せにくいため、1日の食事量・カロリー量の管理が重要になります。
ただし、極端に食事の量を減らすのは「肝リピドーシス」などの危険な病気につながる恐れがありますので注意しましょう。

また、猫の現在の体重、目標とする体重、年齢、運動量によっても1日に必要なカロリーは異なりますので、まずはかかりつけの動物病院で獣医師に相談し猫に合った肥満対策・予防を行ってくださいね。

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知る・学ぶ 2023-03-27

信じていいの? 動物にまつわる迷信のウソホント

日本や世界には動物にまつわる迷信が数多くあります。なかには動物が好きな人にとって、「ウソなの?ホントなの?」と思うような迷信もあり、気になるところですよね。

今回は動物にまつわる有名な迷信や、そのなかで実際に注意したほうがよい迷信についてご紹介します。

どうして迷信が生まれるの? よい結果を待ちたい希望のあらわれ

なぜ迷信が生まれるのでしょうか?迷信を聞くと「そんなの理屈に合わない、きっとウソ…でも少し不安になっちゃう」と思うものも多いですよね。

心理学的に、迷信は「○○したからよいことが起こると信じたい気持ち」から生まれるという説があります。

人それぞれの習慣や、事象が起きたタイミングが積み重なることにより、いつしか「○○したから…」という意識につながったのかもしれませんね。

動物にまつわる迷信は? 信じたくなるものもある!

迷信は数え切れないほど多くあります。動物にまつわる迷信も少なくありません。
縁起がよい迷信、悪い迷信、思わず信じたくなってしまう迷信など、いろいろな迷信について見てみましょう。

黒猫は縁起が「よい」「悪い」に分かれる不思議な動物

「黒猫は縁起がよい」「黒猫は縁起が悪い」。どちらも迷信としてよく聞く説ではないでしょうか。
よい、悪いが混ざっているため、猫好きにとっては「どっちなの?」と穏やかではない気持ちになってしまう迷信かもしれませんね。

日本では「縁起がよい」として愛されています。特に商売をする人にとっては注目される動物です。
商売繁盛と言えば招き猫ですよね。白の招き猫だけではなく、黒の招き猫も見かけませんか?日本は黒猫も幸福を呼ぶ動物だと考えられています。
江戸時代からは「黒猫を飼うと結核が治る」という迷信も広がりました。当時の結核は死の病です。黒猫はそんな重病を退ける力があると信じられていていました。
また、有名な文学作品「吾輩は猫である」のモデルは黒猫だったそうですよ。日本では思った以上に黒猫が重宝されていたようです。
イギリスでは「家に黒猫が来ると縁起がよい」、フランスでは「黒猫を大切にすると幸福がおとずれる」と言われているそうです。黒猫は世界のあちこちで愛されているようですね。

一方、黒猫は縁起が悪いと言われる地域もあります。「黒猫が横切ると不幸なことが起こる」という迷信を聞いたことがあるかもしれません。
この迷信はヨーロッパで生まれたと考えられています。暗闇で光る目が怖いと思われたり、中世の魔女狩りを思い出させたりなど、いろいろな理由があるようです。
地域によって印象が変わるのは興味深いことですね。

「蛇の夢を見たらお金持ちになれる」

蛇の夢は吉兆だと言われています。特に黄色の蛇の場合、お金関係でよいことが起こるそうです。本当かどうかは不明ですが、本当であってほしいと思う迷信かもしれませんね。
ほかにも蛇の夢はさまざまな解釈があります。代表的な解釈は「白い蛇は仕事や健康によい」「黒い蛇は縁起が悪い」など、色によるものです。夢に出たらぜひ色を覚えておいてください。

「カラスが夜に鳴くのは不幸の前兆」

夜中や早朝にカラスの鳴き声が聞こえると、「まさか不吉なことが…」と思うかもしれません。カラスは身体が真っ黒なことから、不吉だと感じる人が多いようです。
ところが、生物学的にはあまり関係がないと考えられています。というのも、カラスはもともと早起きで、なんと午前0時には目が覚めているのだとか。深夜の鳴き声は彼らにとって朝の挨拶かもしれませんね。
さらに人間が出す早朝のごみからエサを探すのも関係しています。仲間たちに「ここにエサがあるぞ!」と鳴いて知らせているそうです。
ほかにも危険が迫れば鳴いて知らせたり、カラスを狙うほかの動物を威嚇したりと、賢く強い鳥ならではの行動が迷信につながったのでしょう。

「ウサギはニンジンが大好き」

ウサギはニンジンが大好きなのか?と言うと、実際はそれほどでもないのだとか。もちろんニンジンを好むウサギもいますが、好き嫌いは人間と同様に個体差に左右されます。
迷信が生まれたのはニンジンを美味しそうに食べるウサギの絵本「ピーターラビット」の影響もありそうです。もしあなたが飼っているウサギがニンジンを好むなら、ピーターラビットのように可愛らしく食べる姿を楽しんでくださいね。

注意したい迷信も! ペットの様子に気を付けて

ほかにも動物にまつわる迷信は数多くあります。なかには迷信とは言い切れないものがあるため、ペットを飼っている人は注意が必要です。

「犬や猫の怪我は舐めれば治せる」

怪我をした犬や猫は、よく傷口を舐める仕草を見せます。「舐めれば治る」と思われるようになった理由のひとつはそのためでしょう。
しかし実際はあまり効果がありません。逆に舐めることで傷口を広げてしまったり、深くしてしまったりすることもあり、深刻な状態になってしまう恐れがあります。とくに猫の舌はざらついているため、傷口に大きなダメージを与えてしまいかねません。
もしも飼い犬や飼い猫たちが傷口を舐めるような仕草を繰り返していたら、早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。

「猫はイカを食べると腰が抜ける」

こちらも注意したい迷信です。たった1度イカを食べただけで腰が抜けるわけではありませんが、大量に食べ続けるとそのような状態になってしまうかもしれません。
イカはカルシウムが不足しています。そればかりではなく、骨から強度を奪いがちなリンが多く含まれている食べ物です。イカばかりを大量に食べ続けると骨が弱ってしまい、足腰に悪影響が出る可能性が高くなるということですね。
猫にイカを与えてはいけない、というわけではなく、過剰に与えてはいけないと考えましょう。普段はキャットフードや猫用のおやつをあげて、イカはたまのお楽しみにするとよさそうですね。人間もペットもバランスのよい食生活が一番です。

「ウサギはさびしいと死んでしまう」

結論から言うと、ウサギはさびしさが理由で死ぬことはありません。もともとウサギは1匹で飼っていても健康的に生きられます。
この迷信の「さびしさ」は「ストレス」が転じたものだと考えられます。ウサギはストレスに弱い動物です。飼育環境の衛生面が悪い、近所で騒音が多いなど、ストレスが積み重なって体調を崩すことがあります。
体調を崩すばかりではなく、最悪の場合は死んでしまう可能性も否定できません。
ストレスはどんな動物にとっても悪影響ですが、ストレス耐性が低いウサギにはさらにつらいものに感じられるでしょう。少しでもストレスが軽減されるよう、環境に気を配ってあげたいですね。

明るい迷信を楽しんで! 注意したい迷信はペットのケアで参考に

明るい迷信を楽しんで! 注意したい迷信はペットのケアで参考に
迷信が生まれた時代や理由を調べてみると、思った以上に新しい発見があります。同じ動物でも地域によって正反対の意味になっていることがあり、意外な気持ちになりそうですよね。
また、迷信のなかにはペットのケアに大切な情報が隠れていることも。大切なペットと楽しく長く暮らすためにも、関係がありそうな迷信は調べてみるといいかもしれません。

今回ご紹介した迷信のほかにも、動物にまつわる迷信はたくさんあります。何か気になるものがあればぜひ調べて楽しんでみてください。

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