ペット共生型マンションとは? ペット可物件との違いやメリット

ペットと一緒に暮らせる住まいを探していると、「ペット可」と「ペット共生型マンション」の違いが気になる方も多いのではないでしょうか?
最近は、ペットの住環境にも配慮された物件が注目されていて、ペット共生型マンションは単に飼育を許可しているだけでなく、ペットと人が快適に暮らせる工夫が随所に取り入れられています。

今回は、ペット共生型マンションの特徴や入居するメリット、設備、事前に確認しておきたいポイントなどについて分かりやすく解説します。

ペット共生型マンションとは? 入居するメリット

ペット共生型マンションとは、最初からペットとの暮らしを前提に設計・運営されている集合住宅を指します。
一般的な「ペット可物件」とは異なり、単に飼育を認めているだけでなく、建物の構造や設備、管理ルールまでペットとの生活に配慮されている点が大きな特徴です。

多くのペット共生型マンションでは、犬や猫の飼育を想定した床材や壁材が採用され、爪や汚れに強い仕様になっています。また、鳴き声や足音が伝わりにくいよう、防音性を高めた構造が取り入れられている場合もあります。
そのため、飼い主が気を遣いすぎず、周囲の住民も安心して生活しやすい環境が整っています。

さらに、入居者同士がペットを飼っている前提で暮らしているため、動物に対する理解が深い点も特徴です。ペットを通じた自然な交流が生まれるケースも少なくありません。

このように、ペット共生型マンションは「ペットを飼える場所」ではなく、「ペットと人が共に快適に暮らせる住まい」として考えられた住宅といえます。初めてペットとの住まいを検討する方にとっても、安心できる選択肢となります。

ペット共生型マンションならではの設備

ペット共生型マンションでは、人とペットが安心して暮らせるよう、一般的なマンションにはあまり見られない設備が整えられています。ここでは、その一部をご紹介します。

ペットの足洗い場

エントランス付近や共用部に設けられる足洗い場は、散歩帰りの汚れをその場で落とせる便利な設備です。
雨の日や土のある場所を歩いたあとでも、室内に汚れを持ち込まずに済みます。住戸へ戻る前にケアできるため、床や壁の汚れ防止にもつながります。

リードフック

共用部分や玄関の内と外などに設置されるリードフックは、ペットを一時的につないでおける設備で、飼い主が両手を使いたい場面で役立ちます。
ペットの力が強くても逃げることがないよう、簡単には外れないものになっており、事故防止につながります。

ドッグラン

敷地内にドッグランがあるマンションでは、公園に行かずに運動の時間を確保できます。気軽に利用しやすく、犬のストレス発散にも役立ちます。
また、住民同士の交流が生まれやすく、犬を通じたコミュニケーションの場としても機能します。

汚物ダスト

ペット専用の汚物ダストは、外出から持ち帰った汚物袋を衛生的に処理できる設備です。
散歩後すぐに処分できるため、エレベーターや廊下に持ち込まずに済み、住民同士が快適に過ごすことができます。

グルーミングルーム

グルーミングルームは、シャンプーやブラッシング、ヘアカットなどが行える専用スペースです。
自宅の浴室を汚さずに済み、大型犬や毛量の多い犬を飼っている場合や、抜け毛が多い時期は特に重宝されます。
温水シャワーを設置しているところもあるので便利です。

脱走防止用フェンス

玄関のドアを開けた時にペットが外へ飛び出すリスクを抑えられます。安全性が高まり、不安を軽減する心強い設備です。
キッチンなど入ってほしくないスペースに設けている場合もあります。

キャットウォーク

室内にキャットウォークが設置されている住宅では、猫が上下運動を楽しめます。猫は散歩はしませんので、運動不足の解消やストレス軽減につながる大切な設備です。
猫を飼っていない場合は、飾り棚として活用できます。

くぐり戸

室内ドアや壁に設けられたくぐり戸は、ペットが自由に部屋を移動できる工夫です。飼い主がドアを開閉する手間が減り、ペットも落ち着いて過ごしやすくなります。
また、冷暖房の効率も良くなり、節電につながるメリットもあります。

ペット対応床材

ペット対応の床材は、一般的に設置されているものに比べて滑りにくく、足腰への負担を抑えやすいので、シニア期にも安心して過ごせます。

ペット対応クロス

ペットの中でも、特に猫は爪研ぎの習性がある動物です。壁やクッションで爪を研いでしまうことがあるので注意が必要ですが、壁紙がボロボロにならないようにペット対応クロスや腰壁を設置しているところもあります。

脱臭機能

脱臭機能が備えられているところでは、ペット特有のにおい対策に空気清浄機や強力な換気扇が設置されている物件もあります。

ペット共生型マンションのデメリットについて

ペット共生型マンションは魅力が多い一方で、事前に理解しておきたい注意点もあります。良い面だけで判断せず、デメリットにも目を向けると後悔の少ない住まい選びにつながります。

家賃など費用が高め

まず挙げられるのが、通常の物件よりも家賃がやや高めになりやすい点です。ペット対応の床材や防音仕様、共用設備の充実など、建物自体にコストがかかっているため、一般的なマンションと比べて費用が上がる傾向があります。
また、管理費や修繕積立金が高めに設定されている場合もあります。

物件数が少ない

物件数が限られている点もデメリットとして挙げられます。ペット可物件と比べても、ペット共生型マンションはまだ数が多いとはいえません。希望エリアや間取り、予算といった条件をすべて満たす物件を探すには、時間がかかる場合があります。

ペットと暮らす物件探しは周辺環境チェックも重要

ペット共生型マンションを選ぶ際は、建物の設備やルールだけでなく、毎日の暮らしに直結するポイントとなる周辺環境にも目を向けると安心です。

例えば、動物病院の有無です。急な体調不良の時にすぐに行ける距離に病院があると心強く感じられます。
また、ペットホテルやトリミングサロンの有無も重要です。旅行や出張、忙しい時期に預け先が近くにあると負担が軽くなります。マンション内にグルーミング設備があっても、外部サービスを併用する場面は意外と多くなります。

散歩コースや公園といった環境のチェックも大切です。安全に歩ける歩道が整っているか、車通りが激しすぎないかなど、実際に周辺を歩いて確認するとイメージしやすくなります。
このように、住まいと周辺環境をセットで考えると、ペットとの暮らしがより現実的で快適なものになります。地図や情報だけでなく、現地の雰囲気も確かめてみてください。

焦らずゆっくりライフスタイルに合った物件を探そう

ペット共生型マンションは、ペットとの暮らしを前提に設計されているため、通常の物件に比べストレスも少なく済む住まいです。
設備やルールを正しく理解したうえで選ぶと、人もペットも安心して過ごせる環境につながります。

これからペットとの暮らしを検討している方は、自分たちのライフスタイルに合った住まいかどうかを意識しながら、ぜひじっくり探してみてください。

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