恐竜も爬虫類だった?! 現存する爬虫類とその特徴について

動物の中で「爬虫類」と分類されているものがありますが、図鑑で見る恐竜にどこか似ていると思ったことはないでしょうか?
実は爬虫類と恐竜には共通点がいくつかあります。

そこで今回は、恐竜と爬虫類の関係性や、現存する爬虫類についてご紹介します。

恐竜と爬虫類の関係

恐竜はその姿や特徴から、爬虫類から進化したものと考えられています。
中生代三畳紀に爬虫類は大きな発展を遂げ、魚竜、真獣類、トカゲ(後のヘビ、モササウルス)、カメ、ワニ、翼竜、恐竜と多くのグループに分けられました。

そもそも爬虫類が陸に上がることができた理由

爬虫類が陸に上がることができた理由は、まず爬虫類の体の特徴である「硬い角質でできた丈夫な鱗や殻」にあるといわれています。
これによって、水がない陸上でも爬虫類の体からは水分が失われることがありません。
また、卵を覆っている殻が硬いということもあり、孵化するまで外敵から守り、乾燥に耐えられる強さを持っていることも理由になります。

中生代白亜紀は爬虫類の楽園だった

白亜紀には、現世とは比較にならないほど多くの爬虫類のグループが存在しました。
その中で現世に残っているのは、ご存知のように、トカゲ、ヘビ、カメ、ワニのグループだけです。
今から約6550万年前、現在のユカタン半島に直径10kmの巨大な隕石が落下し、この隕石は直径200kmのクレーター(チチュルブ・クレーター)を作り、大規模な火災と砂煙を発生させて気温を低下させました。
その結果、恐竜をはじめとする多くの生物が絶滅したのです(白亜紀末の大量絶滅)。

そんな中この過酷な環境を生き抜いた生物がいますが、その生き残った生物には恐竜に虐げられていたという共通点があります。
恐竜の時代、広大な陸と海の多くは、さまざまな恐竜に支配されていた中で、大型恐竜が生息しない「水辺」に生息する生き物たち、つまり現存する爬虫類です。
陸上にはティラノサウルスなどの巨大な肉食恐竜、そのほか海にも巨大な肉食恐竜がいました。
しかし、限られた生息地である川に生息する恐竜は少なく、爬虫類は川を生息地とし、巨大なワニなどの大型爬虫類が発達していったのです。

体温調節ができないという欠点が逆に利点に?

そうなると爬虫類はどうやって生きてきたのでしょうか?
爬虫類は、生存に必要な水がある水域に生息していて、水で高熱を避けつつも保温することができたため、厳しい環境でも生き延びることができたという説があります。

また、恐竜が体温を維持できる恒温動物で、爬虫類は体温を維持できない古いタイプの変温動物であったことも幸いしたとも言われています。

体温を維持するためには、大量の食料を必要としますが、ヘビやカメなどが冬眠するように、爬虫類は体温調節動物であるため、気温が低くなると代謝活動を低下させます。

鳥類も元は恐竜だった?

鳥類は恐竜から進化してきたと考えられています。
大型の恐竜が陸上を支配していたのに対し、鳥類となった恐竜は、他の恐竜が支配できない空を生息地としました。
地上で弱い鳥たちは、穴や木の空洞に巣を作り、このような隠れ場所によって、災害から逃れることができたのではないかと考えられています。

足首の関節が頑丈な構造で、脚は前後方向にしか動かせないという特徴を鳥類が受け継いでいるので、「恐竜は絶滅していない」と言われることさえあります。

恐竜は「鳥盤類」と「竜盤類」の2種類に分かれる

鳥盤類は、骨盤の形が鳥に似ていることからそう呼ばれていて、鳥盤類には、アンキロサウルス、ステゴサウルス、トリケラトプス、イグアノドンなどが含まれます。
そして竜盤類は、骨盤の形がトカゲに似ていて、四足歩行の草食動物ディプロドクスやスーパーサウルス、二足歩行の肉食動物アロサウルスやティラノサウルスが含まれます。

恐竜に近いワニ類

ワニは現生爬虫類でもっとも恐竜に近い種です。
すべての生物は、生物学的分類によって分類されていますが、まず基本的な情報で両者をみてみましょう。

本題の爬虫類の代表種「イリエワニ」は、どのように生物学上で分類されているのでしょうか?

・ドメイン 真核生物
・界 動物界
・門 脊椎動物門
・綱 爬虫綱
・目 ワニ目
・科 クロコダイル科
・属 クロコダイル属
・種 イリエワニ

イリエワニは上記ように分類されています。

では、恐竜の代表格であるティラノサウルスはどうでしょうか。

・ドメイン 真核生物
・界 動物界
・門 脊椎動物門
・綱 爬虫綱
・目 竜盤目
・科 ティラノサウルス科
・属 ティラノサウルス属
・種 ティラノサウルス・レックス

上記の分類になります。

ワニと同じ「綱」であることまでがわかります。
つまり、生物学的には恐竜も爬虫類の仲間なのです。
すると、生きている爬虫類(ワニなど)と絶滅した爬虫類(恐竜)は何が違うのでしょうか?
その答えは、立ち方と歩き方にあります。

恐竜は二足歩行を特徴としている

現在の爬虫類と恐竜の違いは、脚の付き方にあります。
ご存知のように、爬虫類は二足歩行をしません。脚は横に伸びています。
膝は90度近く曲がっていて、全体重を体全体で支えている。爬虫類の「爬虫」は「爪を立てる」「地面を這う」という意味ですが、まさに今の爬虫類がそうです。

一方、恐竜は脚が下向きに生えていたため、2本足で歩きました。
膝をまっすぐに伸ばし、2本の脚で全体重を支えることができたのです。
トリケラトプスなど4本足の恐竜もいますが、その祖先は2足歩行だったと考えられています。
もし、ワニと同じ爬虫類の「トカゲ」を見かけたら、その膝の角度に注目してみてもらえると、膝は90度近くまで曲がっているはずです。

日常生活で馴染みのあるトカゲについて

日常生活で馴染みのあるトカゲについて
爬虫類の中で最も身近な存在と言えるのがトカゲでしょう。
その数なんと約4,500種類も存在しています。
さまざまな環境に適応できるため世界中に生息していて、日本でも多くの種類が存在します。

トカゲの生態と特徴は?

トカゲの多くは4本足で長い尾を持ち、地上や樹上でも素早く移動することができます。
生息地は温帯林や熱帯林、高山、砂漠などさまざまで、ほとんどのトカゲは食虫類を含む肉食性ですが、中には植物食のトカゲもいることが知られています。
体温が周囲の環境に影響されやすく、寒いと感じたら暖かい太陽の下に行き、暑いと感じたら日陰や水の中に入るなどして体温調節をする習性があります。

「尻尾切り」は全てのトカゲがするわけではない

トカゲは外敵から逃げるために自分の尾を切ることが有名ですが、これは全てのトカゲが行うわけではありません。
尻尾を切るのは、ネズミやイタチ、鳥などの外敵に掴まれた時で、先を切って草むらに逃げ込み、残った尻尾が体から離れた後もしばらく動くため、敵がそれに気を取られている間に逃げることができるのです。
切断された尾は基本的には数ヶ月で再生しますが、前より小さくなったり、形が少し変わったりすることが多いです。

実は分類学的に見ると、トカゲはヘビとかなり近い存在で、トカゲの中にはヘビと同じように足がない種類も存在します。
トカゲとヘビの大きく異なる点は、ヘビはまぶたがない代わりに目が透明なうろこで覆われていたり、耳の穴の代わりに音を筋肉や骨に伝えて感知していたりすることが挙げられます。

好きな生き物の祖先や生態を調べてみよう

いかがでしたでしょうか。生物の分類や進化の過程を詳しく調べてみると「想像と違っていた」という情報がまだまだあることに気がつくと思います。
もし気になる生き物がいたら、生態や仲間、祖先などを調べてみると面白いことがわかるかもしれませんよ!

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