
動物病院で働くための資格を調べると、「動物臨床助士」や「愛玩動物看護師」という名前を目にすることでしょう。
動物臨床助士は、一般社団法人全日本動物専門教育協会(SAE)が認定する資格です。
一方、愛玩動物看護師は法律に基づく国家資格で、両者では資格の位置づけや担当できる業務が異なります。
今回は、動物臨床助士の仕事内容や資格の取得方法、愛玩動物看護師との違いについて解説します。
動物臨床助士は、看護や衛生、栄養学、適正飼養などを学び、動物病院やペット関連施設で働くための知識や技能を身につけます。
動物臨床助士には、初級、中級、上級、教師の4区分があります。
同協会では「(公的)動物臨床助士®」と表記されていますが、国家資格ではありません。
国が免許を交付する愛玩動物看護師とは、制度上の位置づけが異なります。
動物臨床助士は、以前「動物看護師」という名称でした。
愛玩動物看護師の国家資格化に伴い、「動物看護師」などの名称使用が制限されたため、現在の名称へ変更されています。
現在は、愛玩動物看護師の資格を持たない人が「愛玩動物看護師」「動物看護師」「動物看護士」などの名称を使用するのは認められていません。
動物臨床助士の資格取得者は、動物病院などで獣医療を支える業務に携われます。
ただし、愛玩動物看護師に認められている「診療の補助」は、動物臨床助士の資格だけでは担当できません。
動物病院では、入院している動物の世話や院内の清掃、衛生管理、診察受付、備品管理、診断を伴わない検査、飼育管理のサポート、飼い主への案内など、診療以外にも多くの業務があります。
農林水産省の資料でも、入院動物の世話や診察受付、備品管理、院内の衛生管理などは、愛玩動物看護師以外のスタッフも担当できると示されています。
ただし、実際に任される業務は勤務先によって異なるため、求人へ応募する際は仕事内容を確認しておきましょう。
動物臨床助士の知識や技能は、動物病院だけでなく、ペット美容サロンやペットショップ、ペットホテルなどの動物関連施設でも活かせます。
動物病院に限定した資格ではなく、動物の飼養や健康管理について幅広く学べる資格であると考えるとわかりやすいでしょう。
動物臨床助士には、初級、中級、上級、教師の4区分があり、それぞれ受験資格や求められる技能水準が異なります。
初級は、動物関連の仕事に必要な基礎知識や技能、適正飼養について学んだ人を対象とする区分です。
全日本動物専門教育協会の指定校で、1年間の学科と実技を修了する基準が設けられています。
中級は、初級より高度な知識と技能を身につけた人を対象とし、初級取得後、指定校でさらに1年間の学科と実技を修了した人が受験できます。
上級は、現場で活用できる高度な知識と技能を想定した区分です。
中級取得後に指定校で1年間学ぶほか、該当職種で1年以上従事した人にも受験資格が認められています。
教師は、指導者を想定した最上位の区分です。
上級取得後に該当職種で3年以上従事し、勤務先の所属長から推薦を受ける必要があります。
動物臨床助士は学習期間や実務経験に応じて段階的に上位区分を目指せる仕組みです。
動物臨床助士と愛玩動物看護師は名称が似ていますが、資格制度や取得方法、担当できる業務には明確な違いがあります。
前述したように動物臨床助士は、一般社団法人全日本動物専門教育協会(SAE)が認定する資格で、初級、中級、上級、教師の4区分があります。
国家資格ではなく、協会が定める基準に基づいて認定される資格です。
一方、愛玩動物看護師は愛玩動物看護師法に基づく国家資格です。
国家試験に合格したうえで、農林水産大臣と環境大臣から免許を受ける必要があります。
愛玩動物看護師は、獣医師の指示の下で一定範囲の診療補助を担当できます。
一方、動物臨床助士の資格だけでは、愛玩動物看護師の独占業務にあたる診療補助は担当できません。
将来、動物病院でどの程度まで医療に関わりたいのかを考えたうえで、資格や進学先を選ぶ必要があります。
動物臨床助士の初級は、全日本動物専門教育協会の指定校で1年間の学科と実技を修了する基準が設けられています。
愛玩動物看護師は、通常は大学で農林水産大臣と環境大臣が指定する科目を修めて卒業するか、都道府県知事が指定する養成所で3年以上学び、国家試験の受験資格を得ます。
資格取得までに必要となる教育内容や期間には大きな違いがあるため、通学期間や学費だけでなく、卒業後に担当できる業務まで比較して進路を決めるとよいでしょう。
こちらも前述しましたが、愛玩動物看護師には名称独占があります。
愛玩動物看護師でない人が「愛玩動物看護師」を名乗るのはもちろん、「動物看護師」「動物看護士」など、愛玩動物看護師と紛らわしい名称を使用するのも認められていません。
動物臨床助士が現在の名称へ変更された背景にも、愛玩動物看護師の国家資格化と名称独占があります。
そのため、「動物臨床助士」と「愛玩動物看護師」は似た分野で働く資格であっても、制度上は明確に区別されています。
動物臨床助士で学んだ知識や技能は、動物病院のほか、ペットショップ、ペットサロン、ペットホテルなどの動物関連施設でも活用できます。
一方、愛玩動物看護師は、獣医師の指示の下で行う診療補助に加え、動物の世話や健康管理、適正飼養に関する助言など、動物医療や動物のケアに幅広く関われます。
採血や投薬などの診療補助まで担当し、動物医療に深く関わりたい人には愛玩動物看護師が適しています。
動物病院のサポート業務に加え、ペットショップやペットホテル、ペットサロンなども就職先として考えている人には、動物臨床助士も選択肢になります。
動物臨床助士は、動物病院のサポート業務やペット関連施設で働きたい人に向いています。
動物病院では、受付や清掃、動物の世話、院内管理などを担当するスタッフも必要です。
診療補助よりも、動物病院を支える仕事に興味がある人には選択肢となります。
獣医師の指示の下、採血や投薬などまで担当したい人は、愛玩動物看護師を目指すほうが適しています。
動物臨床助士では、看護や衛生、栄養、適正飼養などを学びます。
ペットホテルやペットショップ、ペットサロンなどへの就職も考えている人は、学校で取得できる他の動物関連資格もあわせて確認するとよいでしょう。
愛玩動物看護師の指定養成所では、原則として3年以上学ぶ必要があります。
一方、動物臨床助士初級は指定校で1年間の学科と実技を修了する基準です。
学費や通学期間、卒業後の仕事内容を比較して選びましょう。
動物臨床助士は、一般社団法人全日本動物専門教育協会が認定する資格です。
動物病院のほか、ペットショップやペットホテル、ペットサロンなどでも学んだ知識を活かせます。
一方、愛玩動物看護師は法律に基づく国家資格で、獣医師の指示の下、採血や投薬などの診療補助を担当できます。
動物医療に深く関わりたいなら愛玩動物看護師、動物病院のサポート業務やペット関連業界も視野に入れるなら動物臨床助士が候補です。
進学先を選ぶ際は、取得できる資格や修業年限、学費、卒業後の仕事内容まで比較して判断してください。