もはやミニライオン! 大型猫の魅力と種類について

「大型種の動物」と聞いて、皆さんはどのような動物を思い浮かべるでしょうか。多種多様な動物界にはさまざまな大型種が存在しますが、身近などころでは犬や鳥を挙げる方が多いかもしれません。
しかし、狭い場所で小さく丸まって眠る小柄な猫にもちゃんと大型種がいます。

そこで今回は、大型猫の魅力や大型のネコ科動物、お家で飼える大型猫、飼うときの注意点などについてご紹介します。

大型猫とは?

大型猫とは、体重が5~9キロに該当する猫のことをいいます。
猫といえば小柄な体型のイメージが強いため、猫の大型種と聞いてもあまりピンとこないかもしれません。しかし、猫にも大型種がいくつか存在します。

たとえば、アメリカ原産のメインクーンは大型猫を代表する猫種で、平均体重は5~9キロ。優雅な長毛と威厳のある顔、そしてなにより「穏やかな巨人」とうたわれるほど穏やかな性格は世界中で愛されています。

なお、ギネスブックに「世界一大きな猫」として登録されたのも、このメインクーンです。体重15キロにも及ぶ体は見ているだけで迫力があり、飼い主に抱かれている姿は人間の子どものよう。
猫の小型種は2~3キロ、中型種は3~5キロですから、15キロは規格外のサイズであることがおわかりいただけますね。

大きな体に優しい心! 大型猫の魅力

メインクーンに限らず、大型猫は一般的に優しい穏やかな性格の子が多く、丸っこい体型やゆったりとした動きなども含めて、人に愛される要素をたくさん持ち合わせていると言って良いでしょう。
懐きやすく、あまり激しい遊び方をしない点でも猫の飼育初心者にはおすすめで、ペット市場においても常に一定の人気があります。

世界にはこんなに大きくて立派な猫も!

ペットの猫以外にも、世界には野生味溢れる大きな「猫」がいます。家猫に近い猫科動物であるカナダオオヤマネコは、実際にカナダやアメリカ北部の街中にひょっこり顔を出すときがあります。
体重は15キロ程度ですが、体高が1メートル近くになるものもあり、優雅に歩く姿が確認されると度々話題に。

海外の富裕層の人々がペットにしていることもあるようですが、日本で個人がペットにする際は行政からの飼育許可が必要であり、飼育環境についても複数の規定が定められているため、一般的な家猫のようには飼えません。

大きなモフモフ! お家で飼える大型猫の種類

大きな猫科動物はいつでも動物園の人気者です。「あんなに大きなモフモフの動物が自宅にいたら……」と想像する方は多いですが、実際は不可能なので遠くから眺めるだけで終わります。

しかし、お家で飼育可能な「大きめのモフモフ猫」ならどうでしょう。次に挙げる猫種は国内外で大変人気のあるペット向けの大型猫です。

メインクーン

最初にご紹介した大型猫、メインクーンは大きな体と優しい性格で人気のある猫種です。まるでライオンのたてがみのような長毛なので見た目はワイルドですが、性格は前述の通り。毛と目の色はこれといった決まりがないので、さまざまな外見の子がいます。
順応性があり、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でも安心して飼える賢い猫種ですが、暑さが苦手なので、お家にお迎えするときは常に室温を調節する必要があります。

ノルウェージャンフォレストキャット

ノルウェージャンフォレストキャットは北欧原産の長毛の大型猫です。顔つきや毛・目の色がメインクーンと大変良く似ており、体重は4~8キロほど。
性格は朗らかで賢く、あまり人見知りしない社交的な点も魅力の一つといえるでしょう。クラスの明るい優等生といったところでしょうか。
もともとのルーツが寒い地域にあるため、メインクーンと同じく暑さは苦手です。また、毛が絡まりやすいため、毎日のブラッシングは必須です。

サイベリアン

サイベリアンの英語表記は「Siberian」。ここからわかる通り、ロシア原産の猫です。成長後の体重は4~8キロほどで、なかには10キロを超える子も。
毛の長さや毛・目の色、顔つきもメインクーンやノルウェージャンフォレストキャットと似ているため、猫にあまり詳しくない場合はこの3匹を見分けるのは難しいかもしれません。
性格は少々おてんばさんで、大きな体の割には俊敏な動きをします。遊び好きなので、一緒に遊んであげる時間を十分に確保できる方におすすめの猫種です。

ラグドール

ラグドールはアメリカ原産、青い目とぽってりとした顔と体が特徴の猫です。ラグドールは英語で「ぬいぐるみ」を意味しますが、その言葉通りの可愛らしさと落ち着きで、ここ最近人気を集めています。
体重は4~8キロ程度で、どの程度大きくなるかはその子によりますが、メスはオスと比べるとだいぶ小柄になる傾向に。
薄いグレーやこげ茶色とホワイトのハチワレ(額あたりから顔の毛の色が2色に分かれている柄)の顔が狸に似ているのもチャームポイントです。

ラガマフィン

ラガマフィンはラグドールにペルシャ猫やメインクーンを掛け合わせた比較的新しい猫種。つまりラグドールの親戚ですが、ラグドールと比べて毛と目の色にバラエティーがあるため、見た目はそれほど似ていません。
しかし、ラグドールの大きな体はしっかり引き継いでおり、成長後の体重は5~9キロほどになります。

ミックス

ミックスにも大きな体の子がいます。お父さん・お母さん猫のどちらかが大きな体格であれば、産まれてくる子も体格が遺伝するので当然ですね。
親猫を知らずにミックスの子猫を育てた結果、8キロを超える大型猫に成長することもあります。

大型猫オーナーが困りがちなこと

大型猫はいろいろな意味で「規格外」になりがちです。したがって、大型猫をお迎えした場合、大型猫オーナーさんは次のような点で悩んだり、困ったりすることがあります。

大型のトイレやケージ、キャットタワーが必要になる

大型猫は使うグッズも大型でなければなりません。特に十分なスペースを確保できない小さいトイレやケージは猫にとって大変ストレスになるため、子猫時代にグッズを揃えるときは大きめサイズのものを選ぶようにしましょう。
店頭で大きめサイズが見つからない場合は、大型猫専門店をあたってみてはいかがでしょうか。

運動不足・肥満が心配になる

大型猫は小型猫や中型猫と比べると動きが少ないため、飼い主さんとしては運動不足が心配になるところでしょう。実際、大型猫は肥満になりがちですから、遊びで体を動かして、食事量にも気をつける必要があります。

重いので外出時は手間取る

体重があるため、動物病院やペットホテルへ連れて行くときは手間取ることがあります。長時間の外出は飼い主さんにとっても猫にとってもストレスになるので、病院やペットホテルは自宅から近いところを利用するのがおすすめです。

大型猫を飼うときの注意点

大きな動物が好きな方にとって、大型猫は選択肢の一つになりやすい動物でしょう。大型犬のように散歩に連れて行く必要はありませんし、大型鳥のように大きな声で鳴かないので、大型動物のなかでは飼いやすい方であることは事実です。

しかし、大型猫には独特の注意点があります。現在大型猫のお迎えを検討している方は、次のような点に注意してください。

適度に運動させ、食事量に気をつける

前述の通り、大型猫は運動量の少なさから太りやすい傾向にあります。
肥満はあらゆる病気・怪我の原因になるので、普段からなるべく遊んであげて運動量を増やすようにしましょう。もちろん、食事量の管理は必須です。

キャットタワーは安定感があるものを

大型猫が使用するキャットタワーは安定感のあるものが理想です。猫が飛び乗っても簡単にグラつかない、しっかりとした作りのものを購入するようにしましょう。高さは中程度がおすすめです。

想定外の成長を覚悟する

大型猫は子猫時代から2~3年かけてゆっくり大きくなります。そのため、場合によっては飼い主さんが想定していた以上に大きくなることも。猫の成長を止めることはできませんし、猫に罪はありません。
大型猫をお迎えするときは「予想以上に大きくなっても大丈夫」という寛容な心と覚悟を持ちましょう。

毛のお手入れは欠かさず行う

大型猫は長毛の種類が多く、毛のお手入れは必須です。一度毛が絡まると毛玉になってしまったり、抜けた毛を飲み込んで胃や腸に大量の毛玉がたまって毛球症になってしまったりすることもあるので、ブラッシングは毎日行いましょう。

まとめ

大型猫の魅力や大型のネコ科動物、お家で飼える大型猫、飼うときの注意点などについてご紹介しました。
大型猫は人との相性が良く、ペットにする動物としては理想的な動物です。
しかし体が大きいがゆえの難点もあるので、お迎えするときは飼い主さんがこうした点を理解し、お世話を続けるという覚悟を持ってください。
大切にお世話すれば、いずれ飼い主さんを支える「大きな相棒」となるでしょう。

この記事をシェアする

Recommend