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暮らし 2024-03-21

寒い時期には注意して! ペットの低温やけどは気づきにくいことも

冷え込む時期には、ペットに暖房器具を用意してあげる飼い主さんも多いことでしょう。体調管理に効果的な暖房器具ですが、気がつくと低温やけどをしていることがある点には注意が必要です。

そこで今回は、ペットの低温やけどの症状や対策などについて詳しく解説します。

ペットも人間も気づきにくい低温やけどの怖さ

寒い季節には人間もペットも暖房器具が恋しくなるものです。湯たんぽや使い捨てカイロ、ヒーター、ストーブなど、色々な暖房器具を使って快適な環境を作り出すでしょう。
ただ、製品の注意書きに「低温やけどに注意しましょう」と記載されていることに気づいている飼い主さんも多いかもしれません。実は人間だけではなく、ペットの低温やけども注意するべきなのです。

低温やけどとは?

低温やけどは、高温で起こる一般的なやけどとは異なり、約44℃~60℃の低い温度に長時間接触することで生じてしまうやけどが該当します。
一番低い約44℃の場合、普通の人なら「お風呂のお湯にしては少し熱いな」と感じる程度であることが多く、やけどの原因になる可能性がある温度とは思い至らないかもしれません。
しかし、動物は人間よりも長い毛で身体が覆われています。長い毛は熱さを感じにくい性質があるため、動物自身が「熱いな」と感じないままじわじわと熱が皮膚にダメージを与えてしまうおそれがあります。

低温やけどになるとどんな心配があるの?

低温やけどは、一般的な高温によるやけどよりも痛みに気づきにくい特徴があります。そのため気づいたときには症状が進行しており、治るまで長期化してしまうことも少なくありません。
痛みに気づきにくいとはいえ、症状が進行すれば痛みを感じるようになることは当然です。治るまで長期化する場合、その痛みが長く続くということにもつながります。ペットが痛みで長く苦しむのは飼い主にとっても哀しいことでしょう。
また、気づくまでに時間がかかりすぎ、やけどの範囲が広がってしまうケースも。体表面積の2~5割以上にやけどを負ってしまうと、敗血症の恐れも生まれると考えておきましょう。
ペットのために用意した暖房器具が、逆に健康を損ねては元も子もありません。暖房器具の設置方法やペットに過ごさせる環境には注意が必要です。

こんな状態は要注意! ペットの様子をよく観察して

低温やけどはペット自身も気づきにくいため、普段と違った様子を見せないことも多く、飼い主の発見が遅れてしまうケースが少なくありません。
もしもペットに以下のような様子があれば、低温やけどを疑い、必要であればかかりつけの動物病院に相談してください。

1:身体の同じ場所を気にしている、舐めている
2:特定の場所の被毛がはげている
3:皮膚が赤くなっている、水ぶくれができている、めくれている

このような状態は、低温やけど以外でもペット自身のクセやほかの原因で見られるかもしれません。
しかし、低温やけどをした動物に見られる行動でもあり、獣医師さんも注意を促していることは少なくないことも事実です。
あてはまる様子があれば、できるだけ早くかかりつけの動物病院へ行くことをおすすめします。

低温やけどの原因は? 症状は?

低温やけどの原因や症状について詳しく見てみましょう。ペットだけではなく人間も同様の原因で低温やけどが起こるため、飼い主もペットと一緒に気をつけるようにしてください。

低温やけどは熱さの感じにくさが原因に

前述の通り、低温やけどは約44~60℃の低めの温度に長く接触することが原因で起こります。ホットカーペットやペットヒーター、湯たんぽ、こたつのような熱源に長く触れていると起こりやすくなります。
どの暖房器具も、寒い時期には人間もペットも好んで使うものではないでしょうか。使っている時は温かく快適でも、長時間使い続けると低温やけどの原因になるため注意が必要です。

症状の深さは4段階

低温やけどの症状は4つの段階に分類されます。

【Ⅰ度】低温やけどの中ではもっとも軽い症状です。皮膚が赤くなったりヒリつきを感じたりします。

【Ⅱ度】水ぶくれができ、強い痛みが生じる段階です。ペットがしきりに同じ場所を気にしていたり、舐め続けているような様子があれば注意が必要になります。
また、進行すると皮膚の壊死や神経の損傷、感染症なども心配される段階のため、早めの処置が必要です。

【Ⅲ度】深いやけどが起きています。皮膚や皮下組織に重大な症状が見られるため、必ずすぐにかかりつけの動物病院へ連れて行きましょう。

低温やけどに気づいたら?

ペットの低温やけどに気づいたら、もっとも大切なことはかかりつけの動物病院で診てもらうことです。もしも症状がひどく、布や異物が傷口に付着している状態でも、はがさずに受診してください。
受診までの間は可能なら冷水を入れたポリ袋で冷やしたり、流水で積極的に冷やしてあげるのも効果が期待できます。冷やしたあとは清潔なガーゼで患部を覆い、傷を保護してあげましょう。

ペットを低温やけどにしない予防のポイント

低温やけどが心配だからといって、暖房器具をすべて撤去する必要はありません。注意を払いながら上手に使えば、低温やけどを防ぎながら快適な環境を作れるようになります。

湯たんぽや使い捨てカイロはここに注意!

湯たんぽはそのまま置くのではなく、厚手のカバーをかけてあげましょう。直接触れると気持ちよいことは確かなのですが、低温やけどの原因になります。
また人間がよく使う、使い捨ての貼るカイロはペットの使用に向きません。こちらも低温やけどの原因です。どうしても使わせてあげたい場合には、湯たんぽと同じように厚手のカバーで包んであげてください。

暖房器具のそばで長時間過ごさせない

人間もペットも、温かいストーブやヒーターの前で長く過ごしたくなるものです。「こたつに入ったら出られない!」という人もいるでしょう。
しかし、暖房器具のそばで長時間過ごすことも低温やけどをまねきます。適度な時間が経ってもペットが暖房器具のそばから移動しない場合には、飼い主がほかの場所へ連れて行ってあげましょう。
エアコンを上手に使い、暖房器具のそばだけではなく、部屋中が温まる工夫をするのもおすすめです。暖房器具の周りに柵を作り、至近距離まで近づけないようにするのもよいでしょう。

定期的に身体をチェックしてあげる

低温やけどは初期段階で気づきにくいものです。特にペットは強い痛みのような大きな違和感を持つまで変わった様子を見せないかもしれません。その時点では進行している可能性が高くなっています。
暖房器具の前で過ごす時間が増えたと思ったら、定期的に身体をチェックしてあげましょう。赤くなっている部分や触れたら嫌がる特定の部分があれば低温やけどを疑い、早めに治療を始めることが大切です。

気づかないと怖い低温やけどは飼い主が注意しよう

低温やけどは気づきにくく、厄介なものですが、飼い主が注意することによって防げる確率は高くなります。
暖房器具の使い方や長時間の使用を避けつつ、万が一低温やけどになってしまった場合には、早めにかかりつけの動物病院で受診しましょう。

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知る・学ぶ 2024-01-17

ペットも一緒に旅行したい! 移動・宿泊で気をつけることや準備について

家族の一員であるペットと一緒に旅行や帰省をしたいと考える飼い主さんは少なくないでしょう。
とはいえ普段と違う環境で過ごしたり、長い移動時間になったりなど、「ペットが負担を感じるのでは?」という心配もあります。

そこで今回は、ペットと旅行するときに気をつけたいことや事前準備などについてご紹介します。

事前調査はしっかりと! 緊急時の対応も視野に入れて

人間だけの旅行なら必要なくても、ペットを連れて行くのならぜひ知っておきたい情報があります。ペットと楽しい旅行をするために、しっかりと事前調査を行いましょう。

行き先で緊急時に対応できる動物病院があるかどうか

普段は健康なペットでも、旅行中や旅行先での環境変化で体調を崩してしまったり、思わぬ急病になったりする可能性があります。人間なら救急病院へ駆け込めばよいのですが、ペットだとそうはいきません。
行き先でペットが不調になったときや予想外の怪我をしてしまったときなどに備え、滞在先や観光先の近くにある動物病院を調べておきましょう。その際には連れて行くペットの種類に対応できるかどうかも必須の確認事項です。
また、長期休暇中は動物病院も閉まっていることがあります。そのような場合にはどうするべきか、考えておくと安心です。かかりつけの動物病院で、旅行先での緊急対応について相談するのもよいでしょう。

宿泊先に普段の食器やフードを持ち込めるか

地元の食材でペット専用のメニューを提供しているようなホテルを使うのなら、ぜひ一緒に楽しみたいと思う飼い主さんも多いでしょう。
そのようなホテルでは、ペット用に素敵な食器やフードを用意してくれているのですが、もしかするとペットは環境の変化に緊張してせっかくの食事が食べられないかもしれません。
かといって、まったく食べないと心配になります。いつも使っている食器でいつものフードなら食べるかもしれないため、いざというときに備えて準備しておくと安心です。
ただ、持ち込む際には念のためホテルへの確認が必要です。「持ち込みOK」「持ち込みOKだけどお部屋のみで」など、ホテルごとに条件が違う可能性があります。予約の時点で事情を説明し、許可を取っておきましょう。

ホテルはペットOKか、自分のペットは対応しているか

ホテルのすべてがペットの宿泊に対応しているわけではありません。旅行情報サイトやホテルの公式サイトなどで、ペットの対応について確認してから予約手続きをしましょう。
ペットOKでもペットの種類やサイズによっては対応できないホテルがあります。たとえば「小型犬なら○頭までOK」「大型犬はNG」「エキゾチックアニマルはNG」などの条件があれば、自分のペットが該当するかどうかを考えなくてはいけません。
また、ホテルによってはワクチン接種証明書の提示が求められることもあります。宿泊先に求められたらすぐに提示できるよう、必ず用意しておきましょう。

どうしても連れて行けないときには?

特定の動物やエキゾチックアニマルは、旅行先で受け入れOKの宿泊施設が見つからない可能性があります。そのような場合にはどうするかを考えておくことも大切です。
ペットホテル、ペットシッターなどを事前に探し、希望の日程を予約できるかどうかを確認しましょう。

移動距離や移動手段にも注意して

人間でも長距離移動は負担を感じるものです。それは動物も変わりません。移動距離や移動手段についても気を配りましょう。

ペットが負担を覚えるほど長距離にならないか

自由に動き回れない乗り物を使った長距離移動は、ペットにとって大きな負担を与えたり、不安感をまねいたりします。体調不良やメンタル不安定につながりかねないため、可能な限り配慮してあげましょう。
移動距離はできれば2時間以内がおすすめです。どうしても長時間になる場合は小まめな休憩を取りましょう。
例えば自動車で犬を連れての移動なら、犬の散歩ができるサービスエリアを利用したり、ドッグランつきのサービスエリアへ意識的に寄ってあげたりしてはいかがでしょうか。マイカーなら自由にスケジュール組めるため、飼い主の気分転換や休憩がてらにおすすめです。
またレンタカーを利用する場合、ペットの同乗は別料金になることがあります。レンタカーショップで確認しておきましょう。

公共の乗り物を使うなら注意や配慮が必要

公共交通機関の多くは、運営会社側が定めたルールを守ればペット同乗がOKになっています。OKとはいってもルールやマナーがありますので、同乗する際には意識した行動を心がけることが肝心です。

例えば、JR東日本ではペットの同乗について以下の規則を定めています。

”小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く)で、
・タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内の動物専用のケースにいれたもの
・ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のもの”
※引用:JR東日本

同様に、東京メトロの規則は以下の通りです。

”子犬、猫、鳩その他これらに類する小動物(猛獣及びヘビの類を除く)は、
縦・横・高さの合計が120センチメートル以内の専用の容器に収納し、
その総重量が10キログラム以内のもので、他の旅客に危害を及ぼし、
又は迷惑をかけるおそれがないと認められるものに限り持ち込むことができます。”
※引用:東京メトロ

自分のペットが該当するかどうか、調べた上で同乗しましょう。判断が難しければ各交通機関の窓口への相談をおすすめします。

なお、夜間の高速バスは基本的にNGです(例外あり)。路線バスは「キャリーケースに入れればOK」「サイズ規定を守ればOK」などのルールを定めていることがありますので、各バス会社の公式サイトなどで確認してください。

持ち物の準備は入念に!

持ち物の準備はしっかりしておきましょう。状況によって必要なものが変わるため、優先順位を考えながら準備してください。

必ず持って行くべきもの

「これだけあれば何とかなる!」と思えるものは積極的に準備しましょう。

・首輪、ハーネス、リード
・いつものご飯、おやつ、食器、水皿
・トイレシート、トイレトレー、汚物・ゴミ入れ
・ブラシ、コーム(宿泊先での抜け毛マナーに)
・クレート、ケージ、ペット用ベッド
・使い慣れたブランケット、マット
・(あれば)服用薬
・ワクチン接種証明書、狂犬病予防注射済票

備えとして持って行きたいもの

旅行中、万一のことがあるかもしれません。備えるためにできるだけ準備しましょう。

・迷子札
・救急用品
・健康記録(よく処方される薬の名前など)
・マナーパンツ、マナーベルト
・服、雨具
・消臭剤

あると便利なもの

なくても問題ないかもしれませんが、あればあったで役立つものです。

・お気に入りのおもちゃ
・目薬や整腸剤など
・アンカー

ほかにも「うちの子にはあったほうがいいな」と思えるものがあればプラスしておきましょう。

ペットとの旅行は事前準備が大切!

ペットとの旅行は準備が大変ですが、だからこそ旅行中の楽しさが増すのではないでしょうか。ペットと一緒に楽しい旅行をするために、ぜひ入念な準備をしてください。「ペットと一緒に行けてよかった!」と思えるような旅行になると素敵ですね。

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美容・健康 2023-03-30

「デブ猫」は要注意? 猫が太る原因と肥満対策

いわゆる「デブ猫」といわれるぽっちゃりした猫ちゃんの姿はとても可愛らしく、飼い主さんもあまり気にしないという方が多くいらっしゃいます。
しかし、猫の肥満は知らず知らずのうちに様々な病気を引き起こすリスクがありますので、健康管理上は適正な体重を維持することが大切です。

今回は、猫が太る原因や肥満対策、注意点などについてご紹介します。猫の肥満度のチェック方法も解説しますので是非参考にしてくださいね。

猫の肥満を判断する基準がある?

はじめに、猫は全ての個体が同じ大きさ・体重というわけではもちろんありませんので、その子にとってのベストな体重・体型は種類などによってもそれぞれ異なります。
猫が太っているかどうかを判断する基準としては、一般的に成長期が終わる1歳ごろの体重を理想体型の基本として比較し、ベスト体重のおよそ20~30%を超えた場合は「肥満」だといわれます。
ただし、成長がゆっくりな大型猫などはこれに当てはまらない場合がありますので、あらかじめ獣医さんなどに確認してみることをおすすめします。

また、猫の肥満度を確認するには、「BCS」(ボディコンディションスコア)という方法を用いることである程度判断が可能になります。
BCSは主に下記の5段階に分かれ、猫の外見や触り心地で脂肪がどれくらいついているのか肥満度をチェックします。

・BCS1 痩せ
・BCS2 やや痩せ
・BCS3 理想的
・BCS4 やや肥満
・BCS5 肥満

BCSの評価は上述のとおり、痩せ〜肥満までとなっており中間のBCS3が理想的とされBCS4以上はダイエットが必要です。
※猫の「BCS」(ボディコンディションスコア)詳細については、環境省が発行している
「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」をご覧ください。

猫が肥満になる原因

猫が肥満になる原因は様々ですが、その多くが以下の3つに分けられます。
現代は肥満猫が増加傾向にあるといわれていますので、思い当たる原因があれば一つ一つ改善していきましょう。
猫は肥満になると糖尿病や高血圧、脂肪肝や関節疾患などの病気リスクが高まるため注意が必要です。

1.食べ過ぎによるカロリーオーバー

猫が肥満になる原因として最も多いのが、人間と同じく食べ過ぎによるカロリーオーバーです。
飼い猫は食べるのに困ることもなくフードが与えられ、ついついあげすぎてしまっているという飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
食事に加えて、喜んで食べるからといっておやつも与えすぎているのであれば1日の摂取カロリー基準を簡単にオーバーしてしまい、太りやすくなる原因となります。
猫に与える食事は適正な量を心がけ、おやつも必要以上にあげてしまうのはなるべく避けましょう。

2.運動不足

運動不足も人間と同じく肥満の原因となります。特に猫の場合は1日中室内でゆっくり寝て過ごしている子が多いため、食事の摂りすぎに加えて運動不足に陥ると肥満になりやすくなってしまいます。
摂取したカロリーよりも消費カロリーが少ないと太る原因となりますので、時間を決めておもちゃで遊んであげるなど、なるべく運動させるように心がけましょう。
キャットタワーなどを設置して猫が運動できる環境を整えるのもおすすめです。

3.避妊や去勢手術

避妊や去勢手術を行うと猫はホルモンバランスが変化し、代謝エネルギー量が減ることに加え、食欲は逆に旺盛になるためどうしても太りやすくなってしまいます。
避妊や去勢は猫を安全に飼育する上で大切な処置ですが、肥満になる最も一般的な原因でもありますので、術後は食事のコントロールなどに気をつけましょう。

このほかにも、引越しなどの環境変化からストレスが溜まり過食に走るケース、遺伝的な要因、投薬によるものなど様々なことが原因としてあげられます。

猫の肥満対策

猫の肥満対策・予防は「食事のコントロール」と「適度な運動」が基本となります。
無理なダイエットは禁物ですので、適切な方法で根気よく行いましょう。

食事・カロリー量を見直す

まずは普段の食事量・カロリー量を見直すところから始めていきましょう。
1日に必要なカロリーは猫の現在の体重、目標とする体重、年齢、運動量などによっても変わるため、はじめにかかりつけの動物病院で獣医師の指示を仰ぐことをおすすめします。
簡易的にはダイエット開始時点の摂取カロリーに対して7割程度に抑えるのが一般的とされていますが、あくまで目安ですのできちんと相談しましょう。
決められた食事の1日の分量を一度に一気に食べさせるのではなく、数回に分けて与えるようにするとダイエットはしやすい傾向にあります。食べ残しがある場合はすぐに片付けましょう。

また、いくら食事量を見直してもおやつを多く食べてしまっていては意味がありませんので、おやつも含めて計算に入れましょう。
急におやつを抜いてしまうとストレスにつながるため、はじめは上手く回数や量を調整してください。

カロリー計算が難しい場合は肥満猫用のダイエットフードを取り入れるのもおすすめです。カロリーバランスが調整されており、空腹感を満たすために食物繊維が含まれている商品もあるので、猫のストレスが少なくダイエットが行えます。
一方で誤った与え方をすると別の健康被害を引き起こす恐れがありますので、獣医師の指導のもとで取り入れましょう。

猫の食事を見直す際は、早く痩せさせようと考えてフードの量を極端に減らすのは避けてください。
猫に必要な栄養素も同時に減ってしまうばかりか、極端に食事量が減ることで「肝リピドーシス」という命を落としてしまう恐れもある病気を引き起こす危険があります。

適度な運動を行う

食事のコントロールに加えて、猫の運動量を増やすことも肥満対策・予防に効果が期待できます。
しかし、猫の場合は運動だけで体重を落とすのは難しいため、あくまで食事管理の補助的なポイントとして考えてください。

外で暮らす猫に比べて室内猫は運動量が少なくなりがちですので、運動する機会を増やすために猫じゃらしなどのおもちゃを活用して遊んであげましょう。コミュニケーションもとれるので一石二鳥ですし、時間を決めて習慣化すると効果的です。

また、狭い室内でも設置できるキャットタワーもおすすめです。
猫は上下運動が得意ですので登ったり降りたりできて運動不足の解消になるだけでなく、ストレス解消させることでイタズラなどの軽減にもつながります。
ただし、太っている猫はジャンプの着地などのときに関節を痛める危険があるため、フロアマットなどを用意して衝撃を和らげる工夫をしておきましょう。

愛猫の日頃の健康管理と適度な食事・運動を心がけよう!

愛猫の日頃の健康管理と適度な食事・運動を心がけよう
猫が太る原因や肥満対策、注意点などについてご紹介しました。
猫は肥満になると糖尿病など様々な病気を引き起こす恐れがあるため、日頃から定期的に体型・体重のチェックと適度な食事・運動で健康維持することが大切です。
猫は一度太ってしまうと運動だけでは痩せにくいため、1日の食事量・カロリー量の管理が重要になります。
ただし、極端に食事の量を減らすのは「肝リピドーシス」などの危険な病気につながる恐れがありますので注意しましょう。

また、猫の現在の体重、目標とする体重、年齢、運動量によっても1日に必要なカロリーは異なりますので、まずはかかりつけの動物病院で獣医師に相談し猫に合った肥満対策・予防を行ってくださいね。

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美容・健康 2023-02-09

寒さ対策どうしてる? 愛犬・愛猫を凍えさせないために

厳しい冬の寒さを感じると、愛犬や愛猫の寒さ対策が気になりますよね。
特に寒さに強くない犬種や猫種の場合、飼い主が対策をしてあげなければ健康に悪影響が出てしまうかもしれません。

適切な寒さ対策で大切なペットの健康を守り、一緒に快適な生活を送りましょう。

寒さが苦手な犬や猫は? 年齢にも要注意

犬や猫は種類によって寒さへの耐性が違うといわれていますが、実際はどのような種類が寒さに弱いのでしょうか。
また、種類のほか年齢によっても寒さへの注意が必要です。

犬はシングルコートは特に注意

シングルコートの犬種は寒さに弱い傾向があります。シングルコートの場合トップコートしか持っていないため、防寒の役割をになうアンダーコートがありません。グレイハウンド、プードル、マルチーズ、ミニチュア・ピンシャーなどですね。
また、小型犬や短毛種も寒さに弱い種類です。ポメラニアン、ブルテリア、フレンチ・ブルドッグなど、一緒に暮らす愛犬が該当する場合には寒さ対策を積極的に取り入れてあげてください。

猫は一般的にみんな寒がり

もともと、猫は暑い砂漠で生まれた動物です。どの種類なら寒さに強い・弱いというよりも、「みんな寒がり」と考えてよいでしょう。
ただそのなかでも、ベンガルやシャム、スフィンクスはとくに寒さに弱いといわれています。寒い時期にはぜひ目を配ってあげましょう。

年齢も関係する! シニア世代は要注意

寒さへの耐性は年齢も関係しています。若い世代や運動量が多い世代よりも、シルバー世代はより寒がりになっていることが多いため、細かい配慮が必要です。
年を取れば体温調節機能や身体に熱を与える筋肉もおとろえます。シニア世代の犬や猫がいるのなら、様子をよく観察し寒がっているときには適切に対応しましょう。

よく見て! こんな様子は「寒い!」のサイン

犬や猫は寒さを感じたとき、どのような様子を見せるのでしょうか。愛犬や愛猫の「寒い!」というサインを見逃さないように気を付けましょう。

毛布や布団に入りたがる

毛布や布団に入りたがるようになったり、なかなか出てこなくなったりしたのなら、それは「寒い!」と訴えています。
人間でも寒い時期には毛布や布団が恋しくなりますよね。「その気持ち、分かる!」と共感したくなるサインです。

日向などあたたかい場所に行きたがる

陽射しのいい窓際やエアコンの風が当たる場所など、あたたかい場所に行きたがることも「寒い!」のサインです。今までお気に入りだった場所も、寒さを感じるようになれば足が遠のくようになります。
なかには散歩を嫌がる犬もいるようです。普段はお散歩が大好きなのに冬が深まったタイミングで散歩を嫌がるようになったのなら、外の気温がその犬にとって寒すぎる可能性があります。

ぶるぶる震えている、丸まっている

人間も寒ければ震えるもの。犬や猫も同様です。震えている様子を見たらすぐあたためてあげてください。
身体を丸めているときも「寒い!」のサインです。身体を丸めることによって熱の放出を防ぎ、自分で寒さ対策をしています。

怒っていないのに毛を逆立てている

犬や猫はたまに毛を逆立てます。大抵は「怒っているのかな?」「びっくりしたのかな?」など、感情を表すサインだと考えるでしょう。
しかし、寒いときにも毛を逆立てることがあります。毛の間に空気を入れて服のように身体にまとい、寒さに体温が奪われるのを防ぐためです。

ご飯はしっかり食べるのに水をあまり飲まない

ご飯の量は普段と同じでも、水をあまり飲まなくなった様子はありませんか?水を飲むと体温が下がり、寒さが増してしまうため、水分の摂取を避ける場合があります。
水分不足は病気を引き起こす原因です。水を飲まない様子に気づいたら早急に寒さ対策をおこないましょう。

すぐにできる寒さ対策は? グッズを活用してあたためよう

愛犬や愛猫の健康を守り、快適に過ごさせてあげられるよう、寒さ対策は万全にしたいですよね。できる範囲であたたかい環境を作りましょう。
室温を上げること、寒さを防げるグッズの活用などがおすすめです。手軽なのに効果がありますよ。

毛布やブランケットを活用する

犬や猫がよく過ごす場所やケージの中などに毛布やブランケットを敷き、床から上がってくる寒さを防ぎましょう。
最初は上に乗ったりかじってみたり、自分なりの使いかたを見つけるまで時間がかかるかもしれませんが、いずれ「あたたかい!」と気づけば防寒対策として活用するようになります。
また、飼い主さんが寝るときにエアコンを消すのなら室内の温度が下がります。そんなときには毛布のなかに潜り込み、あたたかさを感じられるでしょう。

蓄熱効果が高いペットマットを使う

犬や猫は床に近い場所で生活するため、人間よりも床からの冷えを感じやすい状態です。床とベッド(寝床)の間に蓄熱効果が高いペットマットを敷いてあげましょう。
蓄熱材入りのペットマットがあれば理想的ですが、100円ショップ購入できるアルミ製のブランケットやシートを使うだけでも効果があります。
アルミ製のブランケットやシートは人間の防災グッズとしても活用できるため、お家にあれば万一の備えにもなりますね。

ペットヒーターを導入する

人間で言うところのホットカーペットや電気毛布にあたるのがペットヒーターです。
人間と共有するのもよい方法なのですが、犬や猫は「暑い」と思っても自分で設定温度を調節できません。ペットヒーターなら暑くなりすぎず、ペットに適した温度が保てます。
ただ、犬や猫がコードをかじりたがるかもしれません。破損したコードは感電や火事の原因になる恐れがあります。
できるだけコードを隠したり、かじった跡がないかどうか定期的にチェックしたりなどの工夫や手間が必要です。

水飲み場やトイレ付近の床もあたたかくする

寒い場所に行きたくないと思うのは、犬も猫も人間も同じですよね。水飲み場やトイレが寒いと、できるだけ行く回数を減らしたくなります。
しかし、水分不足やトイレを我慢しすぎると健康を害してしまいかねません。水飲み場やトイレ付近の床もあたたかくなるようヒーターを入れたり、寒い時期だけでも日向に移動させるなどの対策をとりましょう。

血行改善のマッサージをする

血行がよくなると身体があたたまって気持ちよくなるのも人間と同じです。寒さを感じたときに足や耳をマッサージしてあげましょう。撫でたり軽く揉むだけでも効果があります。

服を着せる

防寒に適した素材で作られた服を着せてあげるのも効果的です。風を通さないナイロン素材やダウンコート素材を選んであげましょう。
ウィペットやボルゾイ、グレイハウンドのように首が長い犬種ならスヌードもおすすめです。ペットショップで素敵な服を選んでくださいね。

寒さ対策で乗り切ろう! 愛犬・愛猫と一緒に快適な冬を過ごして

寒さ対策で乗り切ろう! 愛犬・愛猫と一緒に快適な冬を過ごして
寒すぎると感じると生活のクオリティが下がってしまうのは動物も人間も同じことです。あまりにも冷えすぎると病気になる可能性も生まれてしまいます。
寒がるサインを見逃さないように注意して、寒さ対策を進めましょう。愛するペットと一緒に、あたたかくて楽しい冬を過ごしてくださいね。

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知る・学ぶ 2023-01-12

犬や猫の肛門線絞りは行うべき? 肛門線の役割・ケアについて

愛犬や愛猫の「肛門線絞り」は大切なケアのひとつです。定期的に絞ってあげたほうがいいと言う獣医さんも多いため、意識している飼い主さんも多いでしょう。
また、肛門線を絞るべきか悩んでいる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

肛門線を絞ることにはどのような意味があるのでしょうか? 今回は、肛門線の役割やケアなどについて詳しくご紹介します。

肛門線とは? 肛門にある一対の袋

「肛門線」は肛門の左右に対のような形でついている袋のことです。「肛門嚢」とも呼ばれています。愛犬や愛猫の尻尾を持ち上げてみると見えやすくなり、時計の4時と8時の位置にあることが分かります。
肛門線のなかでは分泌液が作られ、溜まっています。この分泌液はかなり強烈なニオイをはなち、出てきたときには驚いてしまうのではないでしょうか。

肛門線から出る分泌液で有名なのはスカンクです。スカンクは身を守るために肛門線から強烈なニオイの分泌液を出すのですが、犬や猫にも同様の肛門線があり、分泌液が出るとやはり強烈なニオイを生じます。
分泌液はすべての犬や猫が同じニオイをしているわけではありません。個体ごとにニオイが異なり、状態や色もさまざまです。

犬猫の肛門線の役割はおもにマーキング

犬や猫が出会ったとき、お尻をクンクンと嗅ぎあっている光景を見たことはありませんか?あれは肛門線のニオイを嗅ぎ、個体識別をしているのです。
前述の通り、肛門線から出る分泌液は個体によって異なっています。ニオイを嗅ぐことによって「このニオイはあの犬だな、あの猫だな」と理解できるシステムです。
また、犬や猫はマーキングをおこないます。そのマーキングの主も肛門線のニオイを嗅げば分かるため、縄張りを主張するためにも犬猫にとっては重要な機能だと言えます。

肛門線絞りをしないとどんなリスクがある?

肛門線で作られる分泌液は、通常であれば便と一緒に排出されます。しかし何らかの事情で排出しきれず、過剰に溜まってしまった場合、肛門線絞りが必要です。
そのようなケースで肛門線絞りをしないとどのようなリスクがあるのでしょうか?

便のニオイがきつくなってしまう

肛門線で作られる分泌液が過剰に溜まると、便のニオイがきつくなってしまいがちです。排出されない分泌液が濃くなり、ニオイのきつさも上がるということですね。
もともと分泌液はマーキングに使うほど強いニオイを持っているものです。できるだけ溜め込まないほうが、飼い主と暮らしやすくなるでしょう。

肛門周辺の重大なトラブルを引き起こす可能性

ニオイの問題だけではなく、肛門周辺でトラブルを引き起こしてしまうこともあります。
まず、肛門線に分泌液が溜まることによって「肛門嚢炎」が起きるリスクが高まります。肛門嚢炎は分泌液を排出する管が詰まり、そこに細菌が感染して起きてしまう炎症です。
放置しておくと膿んでしまったり、食欲不振や発熱などにつながってしまいます。肛門嚢炎の予防には肛門線絞りが有効だと言われているため、愛犬や愛猫が分泌液がうまく排出できない様子を見せたらケアしてあげるといいでしょう。

また、肛門嚢炎のほかにも「肛門線破裂」の心配があります。分泌液が溜まりすぎて肛門線がパンクしてしまう症状です。
どちらも動物病院での治療が必要になる症状です。このようなリスクを避けるためにも、愛犬や愛猫の肛門線には気を配ったほうがいいでしょう。

肛門絞りをしなくていい犬や猫もいる?

飼い主さんのなかには、肛門線絞りを定期的にしてあげている人も多いでしょう。ただ、犬や猫の状態によっては必ずしも頻繁な肛門絞りをする必要はないと言う獣医さんもいます。
とくに通常の排便でスムーズにできているのであれば、そこまで心配しなくても大丈夫です。スムーズに排便できる筋力があり、便の状態が健康な犬や猫なら、トリミングでトリマーさんにしてもらうだけでも大きなトラブルにつながる可能性は低くなるでしょう。
また、肛門絞りは犬や猫にとってストレスになるケアです。ストレス軽減のためにも、適切なタイミングと頻度でのケアがおすすめです。

肛門線絞りの頻度はどれくらい?

トラブル防止のため、定期的に肛門線絞りをしてあげるのなら、おおむね月に1度の頻度がおすすめです。シニア犬やシニア猫は分泌液が溜まりやすくなるため、2週間に1度でもいいでしょう。
ただ、肛門線のトラブルが起きているような様子があればその都度のケアが必要です。

こんな様子に注意! 肛門線絞りをしたほうがいいケース

愛犬や愛猫にストレスをかけたくないといっても、もしも肛門線でトラブルが起きていれば早急に肛門線絞りでケアしてあげる必要があります。もしも以下のような様子を見せたのなら肛門線をチェックしましょう。

お尻をこするように歩く

床にお尻を落とし、ずるずるとこすりつけるように歩くようになったら注意しましょう。一見すると可愛らしい仕草ですが、実際は肛門に違和感を持っている可能性が高い状態です。

お尻を噛む、舐めるなどの仕草が多くなった

肛門線に異常があると、自分のお尻を気にした様子を見せ、お尻を噛んだり舐めたりするような仕草が多くなります。

誰かがお尻を触ろうとすると怒る

違和感のある場所に触れるのは人間でも嫌なものです。飼い主やほかの犬猫がお尻に触ろうとしたとき、怒る様子を見せることがあります。

トイレのときに痛がる、困った様子を見せる

排便時に痛がったり困った様子を見せた場合、肛門線のトラブルだけではなく、腫瘍や誤飲などの可能性も考えられます。状態によっては動物病院の受診も考えましょう。

お尻から分泌液が出ている

マーキングや排便以外で飼い主が気になるほど分泌液が出ているのであれば、肛門線やその付近でトラブルが起きているかもしれません。通常の分泌かどうか判断がつかないときには受診したほうがいいでしょう。

年齢や犬種によっては飼い主がチェック

前述の通り、シニア犬・シニア猫は分泌液が溜まりやすくなります。若い頃よりも飼い主が気にかけ、必要なら肛門線絞りをしてあげましょう。
また、犬種や状態によってはやはり飼い主の積極的なサポートが必要です。小型犬(チワワ、トイプードルなど)、肥満状態の犬、子犬はもともと分泌液を排出しにくい特徴があります。肛門括約筋の強さや発達が関係します。
このような犬たちは自力で分泌液を排出できないことも多いため、飼い主がサポートしてあげてください。

自分では難しい! 動物病院やサロンに頼るのもあり

定期的に、あるいは必要なときにケアしてあげたい肛門線ですが、肛門線絞りを難しいと感じる人もいます。無理な作業でペットに負担をかけたくないというときには、動物病院やトリミングサロンに頼るのもいいでしょう。
動物病院では肛門線絞りの相談ができ、実際に行う際のコツを教えてくれることもあります。

また、多くのトリミングサロンではトリミングのときに肛門線絞りをしてくれます。念のため、トリマーさんに「肛門線絞りをしてください」とお願いしておくと安心ですね。

ペットの様子をよく観察して肛門線のケアを

ペットの様子をよく観察して肛門線のケアを
肛門線のトラブルは、ときとして肛門嚢炎や肛門線破裂をまねきます。分泌液をスムーズに排出できる犬や猫ならあまり心配する必要はありませんが、もしも心配する要素があるのなら、年齢や状態にあわせて定期的な肛門線絞りをしてあげましょう。

ペットがお尻を気にする様子を見せたらお尻付近のトラブルかもしれません。普段からよく観察して、トラブルを未然に防いであげてくださいね。

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