お手入れが楽? 毛がほとんどない「ヘアレスドッグ」の種類と飼育する注意点

犬といえば、焦茶や白、黒のたっぷりとした毛に包まれた動物のイメージがありますが、なかにはそのイメージを完全に覆す犬種もいます。
毛がほとんどない「ヘアレスドッグ」がそれです。肌が露出し、ボディラインがくっきり見える個性的な風貌は大変印象的であり、ときには少々痛々しく見えてしまうことも。

しかし、ヘアレスドッグは毛がない(ヘアレス)分、掃除の手間がさほどかからないうえ、動物アレルギーの方でも飼える可能性があるため、今注目を集めている犬種なのです。
ただ、実際のところ、ヘアレス種にはその特徴ゆえに他の犬種ではあまり行わないようなケアや住環境の調整が必要になり、「ヘアレスドッグは飼育が楽」という説は正確な情報ではありません。

そこで今回は、ヘアレスドッグの特徴や種類、お迎えする方法と価格、飼育の際の注意点などについてご紹介します。

毛皮はいずこ? 毛がほとんどない「ヘアレスドッグ」とは?

世界には非常に多くの犬種が存在します。一般社団法人ジャパンケネルクラブによれば、その数はなんと700以上!そんな中でも非常に目立つ存在なのが、体を覆う毛がほとんどない「ヘアレスドッグ」です。

ヘアレスドッグとは?

ヘアレスドッグとは、その名の通り毛がほとんどない、または無毛の犬のことをいいます。その歴史は紀元前に遡るほど古く、メキシコの遺跡ではヘアレスドッグの骨が見つかっています。

毛がない分非常にスリムな見た目であり、皮膚のシワや筋肉・骨の動きがひと目でわかるため、一度見るとしばらく記憶に残るほど大きなインパクトを残す犬種と言えるでしょう。
ヘアレスになった原因は遺伝子変異だといわれており、これは歯にも大きな影響を与えているため、歯が弱い傾向があります。

7種類あるとされるヘアレスドッグの原産国は主に中南米。本来ならば温暖な環境での飼育が望ましいと思われますが、飼い主さんの飼い方によっては国内でも快適な住環境を与えられるので、この点は飼い主さんの努力次第というところでしょうか。
ヘアレスなので、最近では「動物アレルギーでも飼える犬」として注目を集めています。

ヘアレスドッグの基本的な性格と体型

ヘアレスドッグの性格は警戒心が強く、少々神経質な面があります。そのため、細い体に似合わず番犬にはぴったりの性質を持っているのです。
一方、遊び好きで好奇心旺盛な面もあるので、子犬の頃からきちんとしつけしていれば子どもの良き遊び相手にもなります。
また、基本的に賢いので、正しい方法であればしつけも苦労しません。

体型はほとんどが小型または中型で、体高は30~50cm、体重は4~10kg前後。小型の個体であれば猫の方が大きい場合もあるでしょう。

ヘアレスドッグの犬種は7種 顔つきは7種ともそっくり!

ヘアレスドッグ7種はどの犬種も顔つきが似ています。そのため、7種の写真を見ても見分けがつかないことがありますが、種類ごとにそれぞれ個性があります。

チャイニーズ・クレステッド・ドッグ

顔まわりや足、尻尾など体の一部だけが毛に覆われているチャイニーズ・クレステッド・ドッグ。名前からすると中国原産のように思えますが、名称の由来は頭部が中国清王朝時代の男性の髪型「辮髪(べんぱつ)」に似ているからだとされており、原産国については諸説あるため定まっていないようです。
体高は20~30cm、体重は4~5kgの小柄な体型で、元気よく走っている姿は見る人の心を明るくしてくれるような可憐さがあります。
性格も朗らかで、犬の飼育初心者の方でも飼いやすい犬種と言えるでしょう。

メキシカン・ヘアレス・ドッグ

耳をピンと立てた賢そうな顔つきのメキシカン・ヘアレス・ドッグ。原産国はメキシコで、大変長い歴史を持つ犬でもあります。
かつては神の使いとして大切に扱われたり、ときには重要なタンパク源として食用になったりした経緯は、人間と共存してきた長い歴史を物語っています。
体高は40~60cm、体重は5~15kgとサイズの幅が広く、体高が高いとまるで大型犬のように見えるかもしれません。
性格はチャイニーズ・クレステッド・ドッグと同様に明るく、ヘアレスドッグのなかでは朗らかなタイプです。

ペルービアン・ヘアレス・ドッグ

ペルービアン・ヘアレス・ドッグは黒っぽい皮膚と長い足が特徴のヘアレスドッグで、個体によっては頭部にうっすら毛が生えていることがあります。
原産国はペルーとなっていますが、もともとのルーツは中国やアフリカとの説もあり、正確なところはわかっていません。
性格は少々神経質で警戒心が強く、家族には高い忠誠心をみせてくれます。サイズは小中大と幅が広く、大型の場合は20kg以上になる個体も。

ペルービアン・インカ・オーキッド

前述のペルービアン・ヘアレス・ドッグより肌の色が明るいタイプがペルービアン・インカ・オーキッドです。
体型や顔つきはペルービアン・ヘアレス・ドッグの特徴を受け継いでいます。

アメリカン・ヘアレス・テリア

アメリカ原産の無毛のテリア種で、アメリカ以外での知名度はそれほど高くありません。
体高は20~40cm、体重は3~7kgと比較的小柄で、優しい性格と顔つきは家庭犬に向いています。

アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグ

アルゼンチン原産の比較的小さいヘアレスドッグです。15世紀頃から存在していたようですが現在では数が少なく、日本はもとよりアルゼンチン国内でも希少性が高いようです。
基本的には明るく優しい性格ですが、やはりヘアレス犬種の警戒心の強さは変わりません。

ヘアレス・カーラ

ヘアレス・カーラはボリビア原産で、ペルービアン・ヘアレス・ドッグとボリビアの犬のミックスといわれています。
身体的な特徴はペルービアン・ヘアレス・ドッグと似ています。

ヘアレスドッグをお迎えする方法と価格

ヘアレスドッグをお迎えする方法と価格
ヘアレスドッグをインターネット検索や図鑑で頻繁に目にしていても、公園やドッグランなどで実際に見かけることはそう多くありません。
というのも、ヘアレスドッグは繁殖させることが難しく、世に出回る数が少ないのです。
したがって、ヘアレスドッグをお迎えしようと思ってペットショップに問い合わせても、取り扱っていない場合が多いと思っておいた方がよいでしょう。
価格は30万円台〜が相場のようです。
上記7種のうち、チャイニーズ・クレステッド・ドッグであればペットショップでの取り扱いやブリーダーさん、里親募集が多く、入手しやすいのでおすすめです。

チャイニーズ・クレステッド・ドッグ以外のヘアレスドッグを希望する場合は、海外ブリーダーからの輸入を検討するのが現実的です。
個体自体は10万円前後で購入できますが、手数料や輸入代を含めると50~100万円ほどかかってしまう場合もあり、それなりの手間と出費を覚悟しましょう。

ヘアレスドッグの飼育の際の注意点

ヘアレスドッグは身体的な特徴ゆえに体が強いとは言えない犬種であるため、メンタル面も含めて丁寧なケアが不可欠。ですので、実際にお迎えした際は次の点に注意しましょう。

こまめに室温を調節する

ヘアレスドッグは寒さが苦手。エアコンを活用して常に20~23度に保ち、夏場も熱中症には注意しましょう。
冬場のお散歩ではペット用の防寒服を着せてあげてください。

スキンケアを怠らない

毛がないヘアレスドッグの肌は外部からのダメージを受けやすく、定期的なスキンケアが必要です。
空気が乾燥する冬は保湿剤で肌に潤いを与え、紫外線が気になる春夏は日焼け止めを塗るなどして肌を守ってあげましょう。保湿剤、日焼け止めのどちらも犬用商品が販売されています。

デンタルケアを行う

ヘアレスドッグは遺伝子変異の影響で歯が弱く、本数も他の犬種と比べると少ない傾向にあるので、飼い主さんはデンタルケアをきちんと行って健康な歯を維持できるように努めましょう。

ヘアレスドッグなら動物アレルギーでも飼える?

ヘアレスドッグは抜け毛やフケがほとんど出ないため動物アレルギーの方でも飼育可能な場合があります。
しかし、すべての方に当てはまるわけではないので、動物アレルギーの方は医療機関で犬の飼育について相談してみることをおすすめします。
その際、アレルギーが起きにくいヘアレスドッグを検討していることを伝えましょう。
また、お迎えした後も抜け毛やフケが出る・出ないにかかわらず毎日しっかり室内を掃除してください。

まとめ

ヘアレスドッグの特徴や種類、お迎えする方法と価格、飼育の際の注意点などについてご紹介しました。
ヘアレスドッグはその特徴ゆえ、飼育には多くの注意点があります。
そのため、どちらかというと犬の飼育上級者で、細かいことに気づいてケアしてあげられる方に向いている犬種と言えるでしょう。
ヘアレスドッグのお迎えを検討している方は、この点をしっかり理解しておいてくださいね。

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