窓やドアに注意! 猫が脱走してしまったときの対処法と予防策

猫と一緒に暮らしていく上で、注意しなければならないトラブルの一つが「脱走」です。
「窓や玄関のドアを開けた隙に愛猫が外に出ていってしまった!」という経験がある飼い主さんは多く、心配でとても辛い思いをしたという方も。

猫は脱走してしまうと、最悪の場合そのまま帰ってこなくなってしまう危険があります。
そのため、日頃から脱走しないように注意しておくのはもちろんですが、それでもふとした隙をついて出ていってしまった時に備えて、慌てずに対応できるよう対処方法を一度は確認しておきましょう。

そこで今回は、猫が脱走してしまったときの対処法や予防策などについてご紹介します。

慌てず冷静に! 猫が脱走したときの基本的な対処方法

まずは、猫が脱走してしまった場合の基本的な対処方法を挙げていきます。

自宅の周りで猫が隠れやすそうなところを探してみる

猫は脱走してしまっても、普段ほとんど外に出ることがない場合は遠くには行かず、自宅のすぐ近くにいることがほとんどです。一般的に去勢手術を済ませている猫は家から半径50~100m以内が行動範囲といわれています。
そのため、まずは落ち着いて家の周りから捜索し、特に自動車の下やエアコンの室外機周辺、植木や排水口など猫が隠れやすそうなところを中心に探してみましょう。
また、猫は濡れるのを嫌うので、雨の日に脱走したときは濡れていない物陰などにいる可能性が高いです。

猫が帰ってこられるように窓やドアは少し開けておく

脱走してしまった猫が自ら帰ってこられるように、窓やドアは少し開けておきましょう。その際はいつも食べているエサやおやつを入り口付近に置いておくと効果的です。
また、玄関や庭に使用済みの猫砂をまいたり、猫が愛用しているベッドやマットを置いたりと、猫の匂いがついたものを用意してください。
万が一猫が迷子になってしまっても、匂いを頼りに帰ってこられるよう上記のアイテムを使って自分の家を教えてあげましょう。

保健所・警察・動物病院に迷い猫の連絡をしておく

猫が脱走してから既に保護されている可能性もあります。
そのため、猫をしばらく捜索しても見つからないときは保健所や警察、動物病院などに迷い猫の届け出をしておきしょう。
もしも発見された場合は連絡をもらえる可能性がありますし、既に保護されているものの飼い主不明で収容されたままになっているケースもあります。

近隣の方に協力してもらう・チラシやSNSを活用する

猫をしばらく捜索しても見つからないときは、近隣の方に聞き込みをしてみると有益な情報が得られるかもしれません。
聞き込みの際は近所で野良猫にエサをあげている人や犬を散歩している人にも声をかけてみましょう。
また、ポスターが簡単に作れるサービスやアプリなどを活用し、近隣に向けて迷い猫チラシを配布・掲示するのも効果的です。事前に許可を取る必要がありますが、近所のコンビニやスーパー、美容室や動物病院など近隣の方が多く集まる場所がオススメです。

そして、最近ではFacebookやTwitterなどのSNSを積極的に活用して呼びかける方法も有効です。お住いの地域のコミュニティ掲示板などがあれば、不要な個人情報の流出には注意して、猫の特徴や脱走した日時などなるべく詳しく書き込んで拡散してもらうのも一つの手段です。
迷い猫や保護された猫の情報がインターネット上で掲載されている「迷い猫掲示板」も念のためチェックしてみましょう。

脱走した猫を発見しても慌てずにゆっくり保護する

脱走した猫を発見しても、大声で呼んだり駆け寄ったりしないように落ち着いて行動しましょう。
外に出た猫は興奮状態になっている可能性が高いため、慌てて捕まえようとすると驚いて逃げてしまったり、飼い主さんが引っ掻かれてしまったりする危険があります。

そのため、猫を発見したら慌てずに小さく名前を呼びながら徐々に近づいて、猫の好きなエサやオモチャを近くに置いて見守り、撫でられるところまで落ち着いてきたら毛布やタオル、大きめの洗濯ネットなどでくるんで保護してあげましょう。その際はキャリーバッグを用意しておくと便利です。

また、保護した猫に怪我がみられなかったときでも、他の猫と喧嘩して思わぬ病気や感染症にかかっている可能性があるので、念のため動物病院に連れて行って診察を受けてください。

猫が脱走したがる理由とは?

猫が脱走してしまったときの基本的な対処・保護方法についてご紹介しましたが、そもそも猫はなぜ脱走してしまうのでしょうか? その理由について考えてみましょう。

猫は好奇心が強い

猫が脱走するルートとして最も多いのが玄関、窓、ベランダです。好奇心が強い猫からすると、玄関や窓がたまたま開いていたら外に見える景色に興味を引かれて出て行ってしまうのは当然ですよね。
特に野良猫が飼い猫になった場合は、時が経っても外の刺激を覚えていて脱走しやすい傾向にあります。

発情期を迎えると外へ出たがる

去勢・避妊手術を済ませていない猫は、発情期を迎えるとパートナーを求めて外へ出たがるようになります。
多い時には1年で3~4回ほど発情期を迎えますので、特に繁殖させる予定などがなければ早めに去勢・避妊手術は済ませておきましょう。脱走防止となるだけでなく、病気の予防やストレス軽減などといったメリットがあります。
なお、特に猫が脱走しやすい季節は発情期のピークを迎える春から夏にかけてです。この時期は飼い主さんも暑さで窓やドアを開けっ放しにしていることが多くなるので注意が必要です。

猫はストレスを感じやすい

引っ越しや大幅な模様替え、旅行などで急激に環境が変わると、猫は強いストレスを感じて元々いた場所に戻りたくて脱走することがあります。
また、大きな音に驚いて外へ逃げ出してしまったというケースもみられます。
猫はストレスを感じやすく環境の変化を嫌う動物です。そのため、引っ越しなどで急激に環境が変わったときは猫も慣れるまで時間がかかるので、飼い主さんもなるべく長く家にいるようにして安心させてあげてくださいね。

うっかり逃げてしまうことも! 猫の脱走を防ぐには?

うっかり逃げてしまうことも! 猫の脱走を防ぐには?
日頃から玄関のドアの開け閉めに注意していても、ふとした隙に脱走してしまう猫。ドアを開ける際は、猫を安全な部屋に入れておくといった基本的な対策を取っていても「ついうっかりしていた!」ということもありますよね。
このようなことがあったときでも脱走を未然に防ぐ対策としては、玄関又は玄関につながる通路に柵を設置して、猫が飛び出せないようにするのが有効です。

さらに、猫は窓の網戸を自力で開けて脱走してしまうことがあります。そのため、ロックやストッパーを取り付けて自分で開けられないようにしましょう。
網戸が破れているなど少しの隙間があると脱走のリスクも高まりますので、補修も万全に行ってください。
ベランダにも猫が脱走できてしまうような隙間がある場合は、周囲にネットを張り巡らす、もしくはプラスチックボードなどで隙間を塞いでおきましょう。

まとめ

猫が脱走してしまったときの対処法や予防策などについてご紹介しました。
猫がふとした隙に脱走してしまっても、慌てずに落ち着いて対応できるかどうかが大切ですが、もしものときのために飼い主さんの名前や住所、緊急連絡先などが書かれた「迷子札」や、センサーを搭載した「マイクロチップ」を猫に装着することもあらかじめ検討しておくとよいでしょう。
猫は一度脱走して外の世界に出てしまうと、思わぬ事故に遭ったり野良猫に襲われたりするリスクが高まります。このような危険な状況にならないためにも、日頃から脱走防止の準備はしっかりと行いましょう。

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