愛犬と神社へお参りしてみたいと考えた時、「境内に犬を入れて良いのか」「他の参拝客に迷惑がかからないか」と不安を抱く方は多いのではないでしょうか？
最近はペット祈願やペットお守りを用意する神社も増え、愛犬と一緒に参拝するスタイルが注目されています。

ただし、どの神社でも歓迎されるわけではありませんので、基本ルールを理解しながら、迷惑をかけない振る舞いをする意識が大切です。
今回は、犬と一緒に参拝する際に準備しておきたいアイテムやマナーなどについて解説します。

まずは犬を連れて参拝が可能か必ず確認を！

「神社に愛犬を連れて行っても大丈夫なのだろうか」と疑問に感じる方は多いですが、まず神社ごとにルールが異なるという点を理解しておきましょう。

全国にはペット歓迎の神社もありますが、日本古来の考え方で犬などの動物は穢れ(けがれ)であるといわれ、信仰上の理由から境内への立ち入りそのものを制限している神社は多いです。
また、許可されている神社であっても、本殿や拝殿、参拝エリアは動物が立ち入り不可となっているのが一般的です。あるいは、鳥居までなら可能、カートに入れる/抱っこすれば参拝可能となっている場合や、普段は参拝可能でもお正月など混雑している時期は不可といった独自のルールが設けられている場合もあります。

そのため、神社の公式ホームページやSNS、電話で犬を連れての参拝が可能かどうか、参拝のルールなどを訪れる前に必ず確認しておきましょう。
近年はペット人気に伴い、ペットお守りやペット専用の祈祷を用意しているところもあります。

持ち物は普段の散歩よりもしっかり準備を

犬を連れて参拝する際は、境内で周りに迷惑をかけず愛犬が落ち着いて過ごせるように、いつもの散歩よりもしっかりと準備するようにしましょう。

リード

まず必須となるのはリードです。普段より短めに調整できるタイプであれば、人が多い参道でもコントロールしやすくなります。特に混雑時はトラブルが起きやすいので、必ずしっかりと短く持つようにして、他の参拝者の足元に行かないよう注意してください。

マナーグッズ

排泄物の処理袋やウェットティッシュといったマナーグッズは必ず携帯してください。排泄物を流す水やトイレシーツ、大きめのタオルやマナーベルトなどがあると便利です。
また、携帯ボトルで水を持参しておくと犬が喉を渇いてもすぐに対応できます。

キャリーバッグ

移動が長くなる場合や、抱っこが必要な神社ではキャリーバッグが役立ちます。冬なら防寒具やブランケットも準備しておきましょう。

参拝中に守るべき基本的なマナー

リードは短く持つ

神社内で犬が走り回ったり、飛び出したりすることがないようリードを短く持ち、手から放さないようにしましょう。他の参拝者はもちろん、おもわぬ危険から愛犬の安全を守ることにもつながります。
しっかりコントロールできる距離を保ち、人が少ない場合であってもリードを緩めないよう注意してください。

神社内で排泄させない

排泄の可能性を考慮して、必ず境内に入る前に外で済ませておきましょう。万が一境内で排泄してしまった場合は、放置せず責任を持って速やかに片付けて、念のため神社の方に報告してください。
元々は犬を連れての参拝を許可・黙認していた神社であっても、一部の飼い主のマナー違反や糞尿被害によって、ペットを連れての立ち入りは禁止となっているところもありますので注意しましょう。心配な場合はマナーウェアを着用しておくのがおすすめです。

他の参拝者への配慮を忘れない

犬を連れて参拝する際は、他の参拝者への配慮を忘れないようにしましょう。犬が苦手な方やアレルギーを持つ方、犬が神社に入ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
人が少ない時間帯を選ぶなど工夫して、境内では他の人とは距離を取るよう心がけてください。特に高齢者や子どもがいる場合は驚いてしまうことがあるため注意が必要です。

犬が吠えないよう注意

犬は慣れない環境では吠えやすくなる場合があります。しかし、他の参拝者に迷惑となりますので、吠えたときはおもちゃやおやつを使って気を逸らすなど、工夫して犬が落ち着くのを待ちましょう。それでも吠える時は一度外に出るようにしてください。

犬同士が喧嘩しないよう注意

参拝中は知らない犬同士が急に距離を縮めると、攻撃的な反応につながる場合があります。犬同士が近づきすぎないよう、リードを短めに持ち、相手の様子を見ながら距離を保ちましょう。また、狭い参道や混雑時にやむを得ず近づく際は、飼い主同士で軽く声をかけるようにするとトラブルを避けやすくなります。

食べ物の誤飲を防ぐ

境内には飲食物の食べかすが落ちている場合があります。犬が拾い食いすると腹痛や中毒といったトラブルの原因になるおそれがありますので、リードを短めにして、地面を嗅ぎ続けている場合には声をかけて注意を逸らし、余計な物を食べさせないよう意識してください。

犬だけで待たせない

鳥居や本殿の近くで、犬をリードにつないだまま放置する状況は避けましょう。周囲の人に不安を与えるだけでなく、犬自身が予期せぬ刺激でパニックになる可能性があります。待機が必要な場面では、同伴者と交代したり、犬が安心できる場所へ移動したりして、安全を優先してください。

手水舎に口をつけさせない

手水舎は、参拝前に心身を清めるための神聖な場所です。衛生上の配慮はもちろん、神聖な水を汚す行為と見られるため、犬が直接水に口をつけるのは避ける配慮が求められます。喉が渇いている様子が見られた時でもすぐに対応できるよう、飲み水を携帯しておきましょう。
また、手水舎の水を与えたい場合は、一度飼い主の手に取って舐めさせるようにしてください。

このように、参拝中は愛犬の安全に気を配りつつ他の参拝者の迷惑にならないよう、基本的なマナーを守りましょう。

愛犬と一緒に参拝できる神社3選

最後に、東京都内でペットと一緒に参拝できる神社をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
※各スポットを訪れる際は必ず公式ホームページなどで最新情報やルールを確認しましょう。

市谷亀岡八幡宮(東京都新宿区)

市谷亀岡八幡宮は、都心部にありながら静かな環境が整った神社で、ペットと参拝ができる神社としても知られています。
ペットの健康や長寿を願う祈祷をお願いでき、初めて犬を連れて行く人も足を運びやすい場所です。
ペットと一緒の初詣が人気ですが、予約が必要となるため注意しましょう。

武蔵御嶽神社(東京都青梅市)

武蔵御嶽神社は、ニホンオオカミを「おいぬ様」として祀っているパワースポットで知られています。
御岳山の山頂近くに位置し、ロープウェイに犬と一緒に乗れるため、山の空気を感じながら向かえます。
犬の健康や長寿を願う参拝客で賑わっており、ペットお守りも充実しています。

愛宕神社(東京都港区)

愛宕神社は、鳥居をくぐって正面にある「出世の石段」が有名で、ビジネスパーソンが多く訪れているパワースポットです。
ペット同伴でお参りできる神社としても親しまれており、ペットお守りも取り扱っています。
都心にありながら緑が多く、境内が落ち着いている日であればゆっくりと参拝することができます。

基本マナーを大切にしてお参りしよう

愛犬と一緒に参拝する時間は、いつもとは違う気分転換になり、良い思い出として残ります。気になる神社が見つかったら、まずはルールを確認して、ゆっくりお参りを楽しんでください。