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知る・学ぶ 2023-08-25

警察犬になるためには? 向いている犬種や訓練方法

事件解決で活躍する警察犬。真面目に仕事を果たそうとする姿に「かっこいい!」と思う人も多いでしょう。飼っている犬を警察犬にしたいと考えるかもしれません。
ひとくちに警察犬といっても、どんな仕事を任されているのでしょうか。また、どのような方法で警察犬になるのでしょう。
今回は、警察犬について詳しく解説します。

警察犬の仕事は? 賢さと勇猛さが必要な任務が多数

私たちが警察犬を見かけるのは、おもに事件のニュース報道ではないでしょうか。あまり身近ではないため、「事件があるときだけ仕事をするのかな?」と考える人のほうが多いかもしれません。
でも、警察犬は事件があってもなくても毎日しっかりと仕事をしています。

優れた嗅覚で捜査に貢献

犬の五感は人間の何倍も敏感です。優れた嗅覚を活かして捜査に貢献します。事件では地面のにおいを察知し、犯人や行方不明になっている人を追跡する仕事を担当。映画やドラマでもよく見かける光景ですね。

警官と一緒にパトロール

普段は可愛らしい犬でも、仕事になればビシリと威厳ある姿になります。相棒の警官と一緒にパトロールへ出て、地域の治安維持に努めることもあるそうです。
見かけたらつい声をかけたくなってしまうかもしれませんが、お仕事中は集中を欠かないよう、できるだけそっとしておいてあげましょう。

テロリストを警戒!

警視庁と千葉県警の警察犬に限りますが、テロリストの警戒業務を担当しています。要人の警護や重要な施設警備をおこなうだけではなく、爆発物の発見なども任されるのだそうです。また、災害時には災害現場で被災者の救助に奔走することも。

皇居で警備に参加

都内の皇居や皇族のみなさんがお住まいになる住居を警備します。皇族のみなさんからねぎらいの言葉をかけられることもあるそうですよ。

警察犬になるためには?人間もびっくりの高度なトレーニング

警察犬になるためにはさまざまなトレーニングが必要です。厳しいトレーニングを乗り越えた犬だけが優秀な警察犬として任命されます。

警察犬になれるのはどんな犬種?

日本では警察犬になれる犬種が指定されています。基本的にはシェパード、ドーベルマン、ラブラドールリトリーバー、ゴールデンリトリーバー、ボクサー、エアデールテリア、コリーです。どの犬種も堂々とした体格で、いかにも警察犬といった雰囲気が似合いそうですね。
しかし、こちらは警察が直接育成する「直轄警察犬」です。民間で訓練された「嘱託警察犬」の場合はその限りではありません。実際にチワワやトイプードルのような小型犬も警察犬として活躍している実績があります。

警察犬になるためのトレーニングと試験

警察犬になるため、候補の犬たちは厳しい訓練を受け、最終的に試験にのぞみます。
トレーニングでまず重視されるのは基本的なしつけや素質です。人間との主従関係を理解しているか、集中力はあるのかなどが見られます。数ヶ月の訓練で適性があるかどうかを判断し、適性があれば次の段階へ進むというスケジュールです。
適性を見出された犬は、いよいよ本格的な訓練を受けることになります。現場で警察官の指示に服従するため、「待て」「伏せ」「座れ」といった動作命令からスタートです。
動作命令を身につけたあとは、すぐれた嗅覚を活かすための「臭気選別訓練」や、犯人や行方不明の人の足跡を追う「足跡追求訓練」などが始まります。
また、犬によって個性や適性があるため、一頭一頭に合わせた応用訓練もあるのだそうです。その犬ならではの能力が伸ばされることもあるかもしれませんね。
厳しい訓練を終えた犬は検定試験に進みます。検定試験に合格すれば晴れて警察犬デビューへ。頼もしく、勇ましい姿を見せてくれるようになりますよ。

引退した警察犬の過ごし方

警察犬は一定の年齢になれば引退します。一般的には約10年勤務するそうです。
引退した警察犬は穏やかな余生を過ごせます。訓練中や活躍中に指導した人が引き取ったり、ときには里親に引き取られたりなど、安心して暮らせる環境が用意されるため安心です。
また、直轄警察犬の場合、トレーニングを受けた施設のなかで余生を過ごすこともいるそうです。長年暮らした勝手知ったる場所でのんびりと暮らすのもすてきですね。
いままで人間社会のために尽くしてくれたのですから、やさしい家族に愛されて暮らしたり、気ままに過ごせる環境でゆっくりしたりなど、充実した余生を楽しんでほしいものです。

警察犬は厳しいトレーニングを乗り越えたエリートぞろい!

警察犬は厳しいトレーニングを乗り越えたエリートぞろい
立派なはたらきで社会を守る警察犬は、厳しいトレーニングと検定試験を乗り越えた、いわばエリート犬ばかりです。社会の治安を守ってくれる姿は思わず賞賛したくなることも。
わたしたちの社会を支える警察犬のはたらきに感謝しながら、見かけたときには心のなかで「がんばれ!いつもありがとう!」と声をかけたいものですね。

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知る・学ぶ 2023-08-17

強い陽射しから身を守る! 動物がしている驚きの日焼け対策

強い陽射しから身体を守るため、日焼け止めを必要とするのは人間だけではありません。動物も同じように日焼け止めをすることがあります。
「どんな珍しい動物が日焼け止めをするの?」と思うかも知れませんが、実は意外と有名な動物が日焼け止めをしています。

動物も日焼け止めが必要? 強すぎる陽射しを防ぐ賢い知恵

人間だけではなく、動物にとって日光はとても大切です。日光を浴びることによって体内時計を調整したり、ビタミンDを生成したりと重要な役割を果たします。

とはいえ、強すぎる陽射しは日焼けをはじめとしたトラブルのもとになることも。陽射しが強い時期に人間が日焼け止めを使うように、動物も同じように肌を守ります。

日焼けは肌へダメージを与えるものです。人間もひどい日焼けをすれば真っ赤になったり水ぶくれができたりと、火傷をした状態になってしまいますよね。動物も肌へのダメージに対処しないまま放置していると、潰瘍や上皮がんの原因になります。

進化の過程で身につけた陽射し避けの方法

しかし、人間も動物も、種が誕生した頃から太陽と共存しています。太古の時代から強い陽射しを受けてきました。進化を続け、歴史を重ねるうちに、陽射しとの付き合いかたを覚えたのです。

陽射しが強いときには岩陰や木の陰などに避難する動物は少なくありません。また、進化の過程で身体を環境に適応させ、毛やウロコを手に入れて陽射しと肌の間にバリアを作った動物もいます。

なかには、自分の身体のなかで日焼け止め成分を生み出すメカニズムを手に入れた動物もいるといわれています。まだ研究段階ではありますが、オレゴン州立大学のタイフォ・マフムード教授によると、哺乳類以外の脊椎動物は日焼け止め遺伝子「ガズソール」を持っているのだそうです。

動物の日焼け止めの方法は? 自然のなかで身につけた技

過酷な陽射しから身を守るため、日焼け止めの技術を身につけた動物がいます。珍しい種類ではなく、私たちが動物園やメディアで見たことのある動物ばかりです。

ゾウ

アフリカをはじめ、陽射しが強い地域に生息するゾウ。日焼け止めは必須なのでしょう。「泥浴び」と言われる動作で日焼け止めをしています。
みなさんも、ゾウが長い鼻を使って泥を身体にかける姿を見たことがあるかもしれません。
ゾウは泥を浴びることにより、肌に泥を塗った状態になります。その泥が紫外線から肌を守るバリアになることを知っているためです。可愛らしく見える泥浴びの光景ですが、じつは大切な意味があったのですね。

カバ

カバが生息するのも陽射しが強い地域です。やはり日焼け止めには気を使います。
カバはゾウのように何かを利用するのではなく、自分の汗を日焼け止めにしています。カバの汗にはオレンジと赤の色素が含まれていますが、このふたつの色素が紫外線を吸収するのだそうです。
汗の色が赤く見えるため、「カバが血の汗をかいている」と驚く人も多いそうですよ。

キリン

背が高く、高い場所にある木の葉を食事にすることも多いキリン。やはり暑い地域に生息しています。食事する姿を見ていると、真っ黒な舌に驚くのではないでしょうか。
キリンの舌が黒いのは、まさに日焼け止めのためなのだそうです。紫外線を遮断しやすい色が黒だからと考えられています。
確かに、人間でも「日傘は黒が効果的」と言われていますよね。キリンと人間の意外な共通点かもしれません。

クジラ

海の中に生息するクジラも日焼けをします。哺乳類であるクジラは、多くの海の生物が持つ日焼け止め遺伝子「ガズソール」を持っていません。海面に浮上したときの陽射しで日焼けをしてしまうのです。
そのため、日焼け止め対策ができるメカニズムを有するようになったと考えられています。ニューカッスル大学のマーク・バーチ・マチン教授によると、マッコウクジラから紫外線から細胞を守るためのたんぱく質を検出したのだそうです。
同様に、メラニン色素も紫外線から身を守るためのはたらきをしているのだとか。メラニン色素は人間も持っているものですよね。意外な共通点に驚きます。

ペットの日焼け止めは? 注意することは?

ペットの日焼け止めは? 注意することは?
動物の日焼けの話を聞いて、「うちのペットは大丈夫かな?」と思ったかもしれません。特に散歩などで外出機会が多い犬を飼っている人は気になりますよね。

犬の日焼け対策は、服を着せてあげたり、ペット用の日焼け止めを使ったりする方法があります。人間用の日焼け止めは成分が悪影響を与えることがあるため、必ずペット用の日焼け止めを使いましょう。

夏は陽射しに要注意! 日焼け止めをする動物は案外多い

暑い時期に紫外線対策が必要なのは人間だけではありませんでした。自然のなかで生きる動物たちも、強すぎる陽射しと共存するために独自の進化を遂げたようです。
なかには人間と意外な共通点を持つ動物もいて、つい親しみを覚えることもあるのではないでしょうか。暑い時期や強い陽射しを感じるときには、人間も動物もしっかりと対策したいですね。

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知る・学ぶ 2023-07-21

神社にいる「狛犬」の役割は? 長い歴史や人々の暮らしとの関わり

多くの神社で見かける「狛犬」。犬好きなら一度は気になったことがあるのではないでしょうか。
狛犬は長い歴史のなかで人々の生活に溶け込み、親しまれてきました。また、沖縄には狛犬によく似た「シーサー」もいます。

今回は狛犬の歴史や意味、シーサーとの違いなどについてご紹介します。

狛犬は古代オリエント時代からという説も

日本の狛犬は海外から伝わったといわれています。起源は諸説あり、古代オリエント時代という説もあります。日本に伝来するまでどのような歴史をたどってきたのでしょうか。

起源はライオン? あのスフィンクスも仲間かも

狛犬の起源でもっとも古い説では、古代オリエント時代だといわれています。
かつてオリエントでは獅子を守護神として信仰する文化がありました。その獅子が狛犬となって世界に広がったとのことです。
なお、エジプトのピラミッドで有名なスフィンクスも獅子がモチーフになっています。そう考えると、狛犬はスフィンクスの仲間かもしれませんね。

ご近所で生まれたのかも? 原型は中国という説もあり

狛犬の起源は中国であるという説もあります。オリエントからローマを経て、インドから獅子が伝わったそうです。
中国で獅子は権力や守護の象徴として崇められるほか、宗教的な意味合いも持つことになりました。

高麗を通って日本へやって来た狛犬

宗教的な意味合いを持った獅子は、やがて高麗(いまの朝鮮半島)に渡り、そこからさらに海を渡って日本へやってきました。
狛犬の「こま」は「高麗(こうらい)」が語源だという説もあります。

日本の「狛犬」が生まれた経緯や役割

高麗からやって来た狛犬は、やがて日本中へ広まります。その経緯や役割を見てみましょう。

仏教とともにやって来た狛犬の祖先

狛犬が高麗から日本へやって来た経緯は、遣隋使や遣唐使がきっかけだと考えられています。大陸と交流するとき、仏教や文化と一緒に入ってきたのでしょう。
西暦607年に建立された法隆寺には獅子の像があります。その頃にはすでに狛犬が日本に入っていたと考えられそうですね。

宮中の守護から神社へ

日本へ伝来した当初、狛犬はいまのように人々に身近な存在ではありませんでした。当時は天皇や皇統の守護獣として扱われていたようです。この時代の古典文学にも尊い存在として登場しています。
やがて狛犬は天皇と縁のある神社にも置かれるようになり、日本へ広がりました。伝来当初は左右対称だった狛犬は、時代を経るにつれて非対称になり、いまの「阿吽」の形になったそうです。

狛犬の役割は? 神社の守護と人々の魔除け

かつては宮中の守護を担っていた狛犬ですが、日本中の神社に広がり、人々の生活に登場するようになってからは、少しずつ役割が変化しました。
神社では参道を守り、魔除けの役割を担っています。神域が侵されないよう、最前線で重大な役割を果たしているのですね。
また、人々はその魔除けの力を借り、身体の痛みを取ってもらえるよう信仰していたそうです。
身体の痛みと同じ場所をなで、「早く痛みがよくなりますように」とお祈りしたのだとか。効果のほどは分かりませんが、人々が大切に信仰していたことは確かでしょう。

似ているけど違う? 狛犬とシーサー

沖縄でよく知られる「シーサー」は、狛犬とよく似た外見をしています。沖縄は独特の文化をつむいできた土地ですが、やはり魔除けとして置かれているのだそうです。その起源もやはり「獅子」にあり、土地は違っても共通する人々の想いに感慨深さを感じます。

ただ、狛犬と違う部分も多々あるようです。狛犬は神社の参道に置きますが、シーサーは一般家庭の屋根や玄関で見かけることも珍しくありません。
また、狛犬は神社に邪気が入らないように守り、ときには邪気と戦うそうです。いっぽう、シーサーは家の中に邪気が入らないようにしながらも、ときには幸運を招き入れることがあるのだとか。

カラーリングやサイズにも違いがあります。シーサーは狛犬よりも小ぶりで赤茶色の見た目です。狛犬はそれよりも大きく、灰色をしています。置き方も狛犬は左右非対称の阿吽ですが、シーサーは左右対称になっています。

魔除けという役割は同じなのに、違う部分が見えるのは興味深いですね。ただ、どちらも人々の生活に溶け込み、大切にされていることは間違いありません。

狛犬が見守る神社と人間の暮らし

狛犬が見守る神社と人間の暮らし
神社の邪気を払い、人々の身体から痛みを取り除くと言われている狛犬。普段なにげなく通っている参道でよく見かける狛犬たちが、そんな働き者だったと知らなかった人も多いのではないでしょうか。
これからは神社の前を通るとき、「がんばってね」と心のなかで声をかけてみるのも楽しいかもしれません。愛犬のお散歩ついでにエールを送るのも素敵ですね。

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知る・学ぶ 2023-07-14

犬だけじゃなかった! 意外と多い動物関係の大切なワクチン

動物が受けるワクチンは、病気から命を守る大切なものです。特に犬は受けるべきワクチンがあり、飼い主は責任を持って接種させているでしょう。
犬のワクチンは有名ですが、実は他の動物でも案外ワクチンを打っています。また、なかには人間も接種したほうがよいとされている動物関係のワクチンもあるのです。

恐ろしい病気からペットや私たちを守るワクチンには、どのようなものがあるのでしょうか。

犬や猫が受けるワクチンは多種類! 年に一度は接種しよう

犬や猫がワクチンを接種することは広く知られています。生後1年までは数回、1歳になれば年に1回の接種が基本です。

年に1回ならワクチンの種類も1種類、と考えるかもしれません。しかし、実際は混合ワクチンといって数種類のワクチンを1本の注射器で投与する接種方法になります。

犬や猫が受けるワクチンの役目は?

犬や猫が受けるワクチンには、感染症から健康を守る役目があります。犬も猫もその行動範囲から感染症リスクが高く、対策しなければ重大な病気にかかってしまいかねません。
その対策として飼い主が選択できる方法がワクチンです。病気への免疫を作り、感染症のリスクを低下させます。効果は永久ではありませんが、1年に1度の接種で十分にリスクが下げられると考えられています。
犬や猫と暮らしている飼い主は接種スケジュールを考え、必要な時期に接種するようにしましょう。

驚き! 犬のワクチンは10種類もある

犬が受ける混合ワクチンはなんと最大10種類もの成分が入っています。動物病院によっては6種類、8種類などもありますが、どのワクチンでも重大な病気を防ぐ目的であることは間違いありません。
ドッグランで遊ぶことが多かったり、アウトドアに連れて行かれることが多い犬は感染リスクが高くなります。ライフスタイルに合わせて上手に接種していきましょう。

猫も多かった! 5種類のワクチンが存在

最近では室内飼いが多い猫ですが、逃げ出してしまったり、お散歩を楽しむ習慣があったりするのならやはり感染リスクが高くなります。
3種、5種のワクチンなどがありますので、必要だと思うワクチンを接種してあげてくださいね。

犬猫以外でワクチンが必要な動物たち

ワクチンが必要な動物は犬と猫だけではありません。実は意外な生き物もワクチンを接種しています。

よく知られているのが牛、豚、鶏です。畜産業では外部から重大な感染症が入り込む可能性を封じるため、積極的なワクチン接種が意識されています。
もしも牛舎、豚舎、鶏舎などで感染症が広がってしまった場合、そこにある命が無駄になってしまいかねません。そのような悲劇を防ぐためにもワクチンが必要です。

また、魚も養殖ブリ、マダイなどにワクチンを接種します。「魚にワクチン?」と驚きそうですね。1970年代、α溶血性レンサ球菌症によって養殖ブリが甚大な被害を受けたことが発端です。
ワクチンによって感染リスクを下げ、養殖業と食卓を守りやすくなりました。エサに混ぜて接種させることが一般的ですが、養殖業者によっては数万匹の魚に手作業で接種することもあるそうです。大変な作業になりそうですね。

人間も受ける動物関連のワクチンとは? 海外旅行時はチェックして

人間も感染症予防のためにワクチンを接種しますが、なかには動物から感染する病気を予防するためのものもあります。

日本脳炎

蚊を媒介して感染し、重大な症状を引き起こす病気です。日本では幼少期にワクチンを接種する人が増え、発症報告はほとんどありません。
しかし、東南アジアの一部ではまだ感染の恐れがあるようです。該当地域に行くときには接種歴を確認しておくと安心ですね。

黄熱

日本脳炎と同じく、蚊を媒介して感染する病気です。主にアフリカや南米の熱帯地域で見られます。
免疫を持たない人が感染すると死亡率が高くなるため、感染が心配される地域に行くときには予防接種を強くおすすめします。国によっては接種証明書がなければ入国できないこともあるほど重要視されている感染症です。

狂犬病

日本ではほぼ根絶したと考えられている病気ですが、他の国では決してそうではありません。むしろ日本を含む一部の国(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド)以外では、いまだ発症報告が続いています。
狂犬病のワクチンを接種しなくても海外旅行や国家間の移動はできますが、できれば出国前の接種をおすすめします。

ワクチンで予防できる動物の疾病! 必要なら検討しよう

ワクチンで予防できる動物の疾病! 必要なら検討しよう
愛犬、愛猫のワクチン接種は飼い主がしっかりマネージメントしてあげたいお世話のひとつです。ワクチンで予防できる病気も多いため、飼育環境や飼い主さんのライフスタイルなどを考えながら接種を検討しましょう。
人間も動物からの感染症を防げるワクチンがあります。必要に応じて接種して、ペットと一緒に健康で楽しい生活を送りましょう。

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知る・学ぶ 2023-06-30

地球生物の50%以上が集結! 熱帯雨林で暮らす動物たち

温暖な気候のなか、自然に恵まれた熱帯雨林。私たちが普段生活する場所では見られないような多種類の動植物が生きています。
今回は、熱帯雨林で生命力いっぱいに暮らす動物たちをご紹介します。

地球上に生きる50%以上の種が息づく熱帯雨林

東南アジアやアフリカ、中南米にある熱帯雨林には、じつに多くの動物や植物が生息しています。熱帯雨林そのものは地表の数%にすぎない広さなのですが、地球に住む50%以上の種が住んでいると言われるほどです。

なぜ熱帯雨林はそれほどまでの生命多様性を持っているのでしょうか。

豊富なエネルギーによる良質な土壌

熱帯雨林がある熱帯地方は、ほかの地方と比べると日照時間が長く、降水量が多い特徴です。そのため良質な土壌が形成され、植物が繁殖し、それをエサとする動物たちもまた順調に繁殖していきます。

氷河期に凍結しなかった

過去、地球は何度も氷河期に襲われています。凍結によって失われた種は決して少なくありません。しかし、熱帯雨林は氷河期でも凍結せず、種の多様性を守りながら安定した環境を保っていたと考えられています。

多種多様な生命が生きやすい環境

年間を通して高温多湿であり、あまり大きな気候変動がない熱帯雨林は、多くの動植物が生きやすい環境です。いわば環境収容力(その環境で生きられる生物の最大数)が大きく、多種多様な生命が存続しやすいそうです。

キュートもコワモテもいっぱい! 熱帯雨林の動物たち

世界各地の熱帯雨林には、私たちの生活ではあまりお目にかかれない動物がたくさん住んでいます。カラフルだったりキュートだったり、ときにはコワモテだったり…。熱帯雨林に住む動物の一部をご紹介します。

スミレコンゴウインコ

鮮やかなブルーが印象的なスミレコンゴウインコ。アマゾンに棲息しています。熱帯雨林によく似合うビビッドなカラーリングで、どこか高貴な印象も感じられる鳥です。
インコというと小柄で愛くるしいサイズの鳥を思い出しがちですが、スミレコンゴウインコは身長約1メートル、重さは約1.2~1.7kgと、なかなかのビッグサイズです。
広げた片翼は40cmにもなるそうですよ。熱帯雨林の空を飛ぶ姿はきっと堂々たるものなのでしょう。

カピバラ

最近は動物園でも人気のカピバラ。アマゾン川の流域がおもな生息地です。ずんぐりむっくりしたルックスや、水辺でのんびりと過ごす姿に魅了されたファンも多いのではないでしょうか。
見た目の可愛らしさとは裏腹に、運動能力が抜群です。敵から身を隠すために5分以上も潜水したり、時速約50kmで地上を走ることもできるのだそう。見た目とのギャップがまた魅力的ですね。
鼻先だけを水から出して眠ることもあるそうで、カピバラファンならぜひ一度は見てみたい姿かもしれません。

オセロット

美しいヒョウ柄の毛並みが印象的なオセロット。ヤマネコのような見た目はスタイリッシュで、一目見たら忘れられないような姿をしています。木登りや狩りが得意な点は普通のネコのようで可愛らしいですね。
ただし、泳ぎが得意な点は他のネコと違う一面です。水陸どちらにも適応できる能力を持っています。
オセロットはその美しい毛皮が狙われ、乱獲された過去があります。そのため個体数が激減し、絶滅が危惧されるほどになってしまいました。現在はワシントン条約で取引が厳しく制限されています。

ピラニア

「熱帯雨林といったらこの魚!」という人も多いほど有名な魚です。鋭い歯とコワモテの見た目が印象的ですね。種類によっては体長が約50cmになる個体もいるのだとか!水に落ちた生き物を群で襲ってエサにします。
とはいえ、じつは見た目よりも臆病な性格なのだそうです。単独で行動することはなく、必ず群で行動するほどだそう。その臆病さゆえか自分より大きな生き物を襲うこともありません。大きな物音や強い光に驚いて暴れ出すときもあるそうですよ。

フィリピンワシ

ワシとしては世界最大級の大きさを持ち、フィリピンの国鳥でもあるフィリピンワシ。羽を広げると全長2mもあり、大きな翼と長い尾をゆらしながらはばたく堂々とした姿はまるで王者のよう。気高い風格が威圧的でもあります。
以前はミンダナオ島に多く生息していましたが、近年は熱帯雨林の開発が進んだことによって個体数が激減し、絶滅が危惧されています。保護プログラムが進められており、今後の繁殖に期待したいですね。

熱帯雨林に住む動物たちのあふれる生命力

熱帯雨林に住む動物たちのあふれる生命力
熱帯雨林は驚くほど多くの生命体が暮らす場所です。恵まれた自然のなかで生きる動物の姿はたくましく、ときには愛らしく、生命の力強さを感じさせてくれます。

今回ご紹介した動物のほかにも、熱帯雨林には多種多様な動物がたくさん住んでいます。ぜひチェックしてみてくださいね。

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