「知る・学ぶ」 の記事一覧

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知る・学ぶ 2023-05-31

世界で一番大きな生き物は? 陸と海の最大種について

世界最大の生物をご存知ですか?ゾウ、キリン、クジラなど色々な動物を思い浮かべますよね。
世界には想像をはるかに超える巨大生物がいます。「怪獣映画かな?」と思ってしまいそうなサイズに圧倒されますよ。

有り得ない大きさと重さ! 世界最大の動物は全長約24メートル!

世界最大の動物は「シロナガスクジラ」です。なんと平均全長は約24メートルにもなるのだそう。学校やスポーツジムのプールとほぼ同じ長さだと考えると、その大きさに唖然としてしまいそうですね。

全長だけではなく、体重や寿命も規格外です。平均体重は110トン、いままで計測された最大体重は190トンもあります。キロではありません、トンですよ。想像するのもひと苦労の重さではないでしょうか。

舌の重さだけでも2.7トンあり、口を全開にすると90トンの水とエサを入れられます。ただ、食道はたったの30cm程度なのだそうです。これならうっかりシロナガスクジラの口に入っても、食べられることはなさそうで安心ですね。

身体が大きければ声もビッグです。吠えると数百キロ離れた場所でも聞こえます。シロナガスクジラのスケールは何もかも大きく、地球が生み出す生命の幅広さをしみじみと感じられそうです。

シロナガスクジラは赤ちゃんも大きい!

シロナガスクジラは生まれたときから規格外の大きさです。生まれたばかりの赤ちゃんは体長約7~8メートル、体重は約2.5トン以上もあるのだそう。一般的なカバと同じサイズです。
毎日母乳を500リットル以上飲むこともあるそうで、お母さんクジラの体力に脱帽ですね。

シロナガスクジラの赤ちゃんは成長がとても早く、1時間ごとに体重が約3.6キロ、1日で計算すれば約90キロの増加です。もちろん体長もぐんぐんと伸び、1日で約3.8メートルも大きくなります。
この成長速度なら、大人になったシロナガスクジラがあれほど大きいことにも納得です。赤ちゃんの頃から何もかもスケールが違うのですね。

まるで映画の世界!大きすぎる生き物たち

世界最大の動物はシロナガスクジラですが、大きな(大きすぎる)生き物はほかにもたくさんいます。

ヘラジカ

シカと言えば奈良でおせんべいを食べる愛らしい姿を…と思うかもしれませんが、アメリカに棲息する「ヘラジカ」はおせんべいどころではありません。
体長は約2.5メートルにもおよび、体高はなんと約2メートルにもなる個体が少なくありません。バスケットボール選手のような高さを持つヘラジカが歩く姿は圧巻です。大きな角もついているため、実際に見たときの威圧感は相当なものになるのではないでしょうか。
欧米ではヘラジカと車が交通事故を起こし、ドライバーが死傷するケースもあるそうです。

バイソン

バイソンもアメリカに棲息する動物です。かつては個体数が約1,000頭まで減ってしまいましたが、現在は保護動物になり、約50万頭まで増えています。
アメリカではヘラジカと並んでビッグな生き物として知られるバイソンは、ヘラジカと同様に約2~3メートルの体高を持ち、体重は約500~1トン近くになることも。
また、「バッファロー」という別名も持っています。学術的には違いがあるようですが、一般的にはバッファローと呼ぶことも少なくないそうですよ。

アフリカマイマイ

アフリカマイマイはカタツムリの一種です。カタツムリで想像するのは指先に乗る小さな種類ではないでしょうか。人によっては愛らしさを感じることもありますね。
愛らしさはともかく、アフリカマイマイは日本の一般的なカタツムリとまったく違うサイズです。世界最大級のカタツムリと言われ、約20センチを超える個体も存在します。
注意したいのは、日本ではアフリカマイマイが「要注意外来生物」であることです。人間の健康に害を及ぼす寄生虫を持っていたり、農作物への食害を引き起こしたりします。もし見かけたときには個体や這った跡を決して素手で触らないように注意してくださいね。

オサガメ

オサガメは体重が約300キロ以上、甲羅が約1.5メートルにもなるカメです。カメとしては世界最大であり、日本の三陸地方では漁師たちの信仰対象にもなっているそうですよ。
予想外に甲羅は柔らかく、まるでゴムのような感触です。大きさもさることながら、独特の甲羅にも驚きですね。
他にも1,200メートルも潜水したり、産卵地はパプアで餌場はカリフォルニアなど広い行動範囲を持っていたりなど、何かと神秘的な印象がある不思議なカメです。
現在は個体数が減り、保全活動がおこなわれています。大西洋では少しずつ増加傾向にあるようです。今後、よい結果につながってほしいですね。

スケールが違う! 大きな生き物に圧倒される

スケールが違う! 大きな生き物に圧倒される
シロナガスクジラをはじめ、大きな生き物のスケールには圧倒されてしまいます。まるで映画の生き物のようだと思っても、なかにはヘラジカのように人々の日常生活でバッティングする動物がいるのも驚きですね。
大きさのスケールが違うとはいえ、地球の大切な生命であることは人間と同じです。尊重しながらともに生きていきましょう。

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知る・学ぶ 2023-05-29

盲導犬になれるのはどんな犬? 適した犬種や私たちとの関わり方

目に障がいを持つ人をサポートする盲導犬。仕事をこなす姿はとても立派です。盲導犬になるためには厳しい訓練が必要だと言われていますが、具体的にはどのような過程を経て盲導犬になるのでしょうか。

今回は盲導犬になるための訓練や歴史、向いている犬種などについてご紹介します。

目が見えない人や目が見えにくい人を助ける盲導犬

盲導犬は「目が見えない人」だけをサポートすると考えている人が多いかもしれません。実際は完全に視力を失った人だけではなく、視力があっても見えづらさを感じる人であればサポートの対象です。日本盲導犬協会では盲導犬のサポートを受ける人を「盲導犬ユーザー」と呼んでいます。

段差や障害物を避けるようサポートしたり、目的の場所へ安全に到着できるよう導いたりする盲導犬は、盲導犬ユーザーにとって大切なパートナーです。家族の一員として愛情をそそぎながら共同生活をしています。

古くはローマ帝国時代にいたという説も

盲導犬のはじまりを辿ってみると、古くはローマ帝国時代のイタリア・ポンペイにいたという説があります。犬に導かれて歩く人の姿が壁画に残されているそうですよ。

1800年初期、オーストリアで盲導犬の訓練がスタートしています。1900年初期には戦争の負傷兵をサポートするためにドイツで正式に盲導犬が採用され、その後、欧米で盲導犬の育成が始まりました。

日本に盲導犬がやって来たのは1938年頃です。ドイツから4頭の盲導犬を迎えたことをきっかけに育成が始まり、1957年には日本初の盲導犬・チャンピィ号が誕生しました。現在は国内で多くの団体が盲導犬の育成事業を手がけ、サポートを必要とする人と盲導犬の出会いを生み出しています。

盲導犬になるための訓練とは?

盲導犬になるためにはさまざまな訓練が必要です。まず、生後2ヶ月から1歳までは「パピーウォーカー」と呼ばれるボランティアの家庭で育てられ、人間社会に適応できるよう、社会化訓練がおこなわれます。

1歳からは訓練センターで訓練スタートです。訓練と言っても決してスパルタではなく、何かできるたびに「Good」と褒めながら人のサポートが楽しいと覚えていきます。
訓練を通して「人の指示を聞く」「人を安全に誘導する」「乗り物の乗降」「飲食店やショッピング中のマナー」など幅広いことを学び、テストに合格すれば立派な盲導犬の誕生です。

最後に、これからパートナーとして生活する盲導犬ユーザーの生活環境や諸事情にマッチするよう、細かい訓練をおこないます。パートナー候補の人と一緒に2~4週間ほど共同生活をし、お互いに理解を深め合う過程です。
共同訓練の後はおよそ10歳までの8年間を寄り添いながら過ごします。

引退した盲導犬はどうなるの?

盲導犬は10歳前後で引退します。仕事がなくなったと言って不遇な目に遭うことはありません。新しい家庭に迎えられ、ごく普通の飼い犬として大切にされ、のんびりと第二の人生(犬生?)を楽しみます。

引退後の盲導犬を迎え入れる家庭はボランティアが多く、盲導犬への理解があることがほとんどです。盲導犬ユーザーは引退後のパートナーの今後を心配するかもしれませんが、このような制度が整っているため、安心して任せられます。

どんな犬が盲導犬に向いているの?

盲導犬は温和な性格で、人のサポートを楽しめる犬種が向いています。日本ではラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、その両者の子どもとして生まれたF1が盲導犬として活躍しています。

海外ではこのほかにジャーマンシェパード、ドーベルマン、スタンダードプードルなど数多くの犬種がいるそうですよ。

ただ、この犬種だからといって必ずしも盲導犬に向いているわけではありません。性格によっては向き、不向きがあるため、両親の性格を見て判断されることもあるそうです。

もしもわたしたちが盲導犬と出会ったら

外出先などで仕事中の盲導犬に出会ったら、わたしたちはどうするべきでしょうか。

まず、ハーネスをつけているかどうかを確認します。ハーネスをつけている場合は一緒にいる人をサポートしている時間、いわば仕事中です。集中をさまたげないよう、そっとしておくとよいでしょう。
具体的には「声をかけない」「撫でたりさわったりしない」「興味を引くようなこと(じっと見つめるなど)をしない」「エサをあげない」などが重要です。

また、最近は携帯電話などで手軽に撮影できる時代ですが、仕事中の盲導犬を撮影するのは避けましょう。これも盲導犬の集中を欠き、盲導犬ユーザーと盲導犬を危険な状況にしてしまう可能性があります。

盲導犬は人の大切なパートナー

盲導犬は人の大切なパートナー
盲導犬は盲導犬ユーザーにとって大切な家族であり、生活をサポートするパートナーです。可愛いらしく、でも誇り高く仕事をする姿は思わず応援したくなりますよね。
もしも仕事中の盲導犬を見かけたら、心のなかで「Good!」と声をかけてあげてください。

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知る・学ぶ 2023-05-25

初心者におすすめの熱帯魚は? 飼い方のコツや注意点

熱帯魚を飼いたいと思ったとき、多くの人は最初に飼う魚を決めますよね。まずは初心者でも飼いやすい魚がおすすめです。
また、熱帯魚を飼うためには準備も必要です。今回は熱帯魚が快適に過ごせる環境を作るために揃えたいものや、飼育の注意点など、おすすめの魚と合わせてご紹介します。

初めて飼うならこの魚! 人気の熱帯魚たち

熱帯魚は種類によって飼いやすさが違います。初心者でも飼いやすい、人気の熱帯魚を集めました。

ネオンテトラ

メタル感のある青と朱がかかった赤いラインが目を引くネオンテトラ。群れで泳ぐと水槽のなかに幻想的な光景が広がります。
穏やかな性格で、ほかの魚と一緒に飼ってもあまりトラブルが起きません。リーズナブルな価格や水質の変化に強いことも初心者におすすめの理由です。

エンゼルフィッシュ

熱帯魚といえばエンゼルフィッシュを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。優雅に泳ぐ姿は溜息を誘います。品種が多く、好みに合わせて選べるのも魅力です。
性格はどちらかといえばキツいといわれており、ほかの魚と一緒に飼うときには少しコツが必要になります。大きさがエンゼルフィッシュと同程度の魚がおすすめです。

ヤマトヌマエビ

すいすいと泳ぎ回る魚とは違いますが、水槽のなかでマイペースに暮らす姿を楽しみたければエビもおすすめです。ヤマトヌマエビは初心者でも飼いやすいエビとして知られています。
性格は穏やかで水質変化に強く、価格もリーズナブル。そして水槽内に発生したコケや、ほかの魚が残したエサを食べる性質があります。水槽内のお掃除係としてもおすすめですよ。

飼育に必要な重要アイテムを揃えよう

飼いたい魚が決まったら、飼育に必要なアイテムを揃えましょう。熱帯魚の飼育は水質や環境がとても大切です。

水槽

飼う予定の熱帯魚の大きさや数に合わせた水槽を用意します。直射日光が当たらない場所に置きましょう。
小さめの熱帯魚を飼うなら以下の大きさが目安です。

・5~10匹:10リットル
・10~20匹:18リットル
・20~30匹:30リットル
・30~50匹:60リットル以上

魚の種類によって必要な大きさが変わります。判断が難しいときにはアクアショップの店員さんに質問してみてくださいね。

塩素抜き

水道水では熱帯魚の飼育ができません。水に含まれている塩素(カルキ)が魚にとって有害になるためです。水槽に入れる水から塩素を抜く必要があります。
塩素は塩素抜き(カルキ抜き)を使えば除去が可能です。熱帯魚用の塩素抜きがありますので、必ず購入しましょう。製品によっては水質をアップさせてくれるものもありますよ。

ライト

熱帯魚の健康のために必要というわけではありませんが、熱帯魚を美しく観賞したいのならライトの設置がおすすめです。光を受けて輝く熱帯魚の姿に、時間を忘れて魅入ってしまうかもしれませんね。
また、ライトは水草を育てる役割も果たします。より充実したアクアリウムの世界を作り出したければ、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

ヒーター

四季は日本の特徴ですが、熱帯魚にとってはややつらいものです。寒い時期や朝晩の気温差が激しい時期は水温が身体に合わず、負担がかかってしまいます。
水槽の水を適温に保つためにヒーターを導入しましょう。人間が使うような大きなヒーターではなく、水槽の大きさに合わせた熱帯魚用のミニヒーターがあります。
熱帯魚飼育に適した水温は26℃前後です。具体的には25~26℃に保てるヒーターがよいでしょう。もともと決まった温度が設定されているヒーターと、任意で温度調節ができるヒーターがあります。

フィルター

エサの食べ残しや水草の枯れ葉、熱帯魚のフンなどは、水槽内の水を汚してしまいます。水質を悪くしてしまい、熱帯魚の健康に悪影響を与える原因になりかねません。
水槽内にフィルターを設置して水をろ過することによって、飼育に適した水質を保ちやすくなります。
フィルターの種類は大きく分けると7つもあり、どれを買えばよいのか迷うかもしれません。アクアショップの店員さんに相談するのもよい方法です。

水草

水草は水槽内の光景を美しく演出できるだけではなく、水質のコントロールや、二酸化炭素を酸素に変換するなど、熱帯魚の飼育に嬉しい働きをしてくれます。
熱帯魚たちの休憩場所にもぴったりです。産卵する魚を飼う際には産卵場所にもなります。
また、草食好きの魚なら水草をおやつにすることもありますよ。魚がむしゃむしゃと水草を食べる姿が観察できます。

基本を押さえてアクアリウムの世界を楽しもう!

基本を押さえてアクアリウムの世界を楽しもう
熱帯魚の飼育は大変そうなイメージがあるかもしれません。初心者でも飼いやすい魚を選び、飼育に必要なものをしっかり揃えれば安心感が増すでしょう。
分からないことがあればアクアショップの店員さんにどんどん相談してください。基本を押さえて理想のアクアリウムを作りましょう。

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知る・学ぶ 2023-04-28

早く見つけたい! ペットが失踪したときにやるべきことは?

ペットが行方不明になった!心配でたまりませんよね。そんなときにはどうするべきでしょうか。
家を出てしまったペットを探す方法を知っておけば、すぐに対処できます。できるだけ早く見つけてあげられるよう、いざというときにするべきことをご紹介します。

もしもペットがいなくなったら? すぐにするべき飼い主の行動

ペットの失踪に気づいたら、すぐに行動をはじめましょう。心配でたまらなくても、まずは深呼吸して落ち着いてくださいね。

1.近所を探す

ペットの種類にもよりますが、それほど遠くまで行っていないことがあります。そのような場合は近所で見つかる可能性があるため、最初は家の近所を探します。
ご近所付き合いがあればペットが失踪したことを話しておきましょう。ペットの種類、外見の特徴、名前を伝えます。見かけたり保護してくれたりした場合にそなえ、連絡先も教えておくとよいでしょう。
もし可能であれば捜索用のポスターを作り、人目につく場所へ貼らせてもらいましょう。貼ってよい場所を自治体に確認しておくと安心です。
自治体によっては失踪したペットを探すためのポスターを無料で作成できることもあります。貼ってよい場所の確認とともに、そのような制度があるか確認しましょう。
ただ、ポスターに「報酬あります」と記載するのは避けたほうが賢明です。金銭が絡むとトラブルになりやすいためです。お礼をしたいのなら、見つけてもらったときに報酬についてお話しすることをおすすめします。

2.警察へ連絡して遺失物届を出す

警察に連絡し、遺失物届を出します。ペットを保護した人が警察に連れて行ってくれている可能性があるためです。遺失物届を出しておけば、該当するペットが警察で保護された場合に教えてもらえます。
遺失物届を出すときには、できればペットの写真も持って行きましょう。

3.動物に関わる窓口すべてに連絡する

失踪したペットの情報は警察以外にも集まることがあります。警察に遺失物届を出すのと同時に、以下の場所にも連絡してください。

・自治体の動物保護センター・動物愛護センター

各自治体には動物保護センター(または動物愛護センター)が設置されています。保護されたペットが行く可能性が高い保健所や民間の動物愛護団体と連携しているため、情報が集まりやすい場所です。

・保健所

飼い主不明の動物が保護されています。迷子届が出せますので、必ず出しておきましょう。

・区役所・市役所・清掃局

ペットが事故に遭っていた場合、役所と清掃局が対応するケースが多いため、万一のことを考えて連絡しておきましょう。

・動物病院・動物愛護団体

迷子のペットを保護した人が連れて行ってくれていることがあります。もしも見つけてくれた人がいたら心からお礼をお伝えしたいですね。
マイクロチップを装着しているペットなら、動物病院や動物保護センターで飼い主の情報が確認できます。連絡が来る可能性が高くなりますよ。

4.ペット探偵に依頼する

お金がかかりますが、ペット捜索を得意にしているペット探偵に依頼するのもひとつの方法です。料金は業者によって異なります。

迷子のペットを保護したら? 可能なら協力しよう

もしもあなたが迷子のペットを保護して「お家に帰してあげたい」と思ったのなら、できる範囲で協力してあげてください。そのときには次の手順がおすすめです。

1.保護するときに注意すること

迷子になったペットは、不安や恐怖で神経質になっていることが少なくありません。普段は穏やかで人懐こい性格でも、緊張して攻撃的になっていたり、人間の接触を嫌がって逃走したりする可能性があります。
場合によっては保護するときに攻撃されることが考えられるため、近寄るときには十分に注意してください。自分では難しいと感じたのなら、保健所や動物愛護団体などに連絡するのもよい方法です。

2.情報を確認する

保護したペットは飼い主の情報を身につけているケースがあります。首輪をしている犬や猫なら、そのなかに飼い主の連絡先が書いてあるかもしれません。もし書いてあればぜひ連絡してあげてください。
首輪のほか、脚輪、耳標、タトゥーなど、何らかの情報が分かるものを身につけていることもあります。飼い主の情報が書かれていなくても、該当の動物協会に登録されている可能性が考えられます。可能であれば協会を調べ、連絡してみてください。

3.マイクロチップがあれば動物病院で確認を

令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップから迎えた飼い犬・飼い猫にはマイクロチップの装着が義務付けられています。マイクロチップには飼い主の情報も登録されているため、連絡が容易になります。
保護したペットが犬や猫ならマイクロチップを装着しているかもしれません。動物病院や動物保護センターで確認してみてください。

4.情報がなければ各窓口へ連絡を

飼い主の情報が分かるものが何もなければ、対応する各窓口へ連絡しましょう。自治体の動物保護センター、動物愛護センター、保健所などが該当します。

なぜ家を出たの? 考えられる原因とは

「家のドアや窓を開けっぱなしにしておいたから」「犬の散歩中に首輪が抜けてしまった」など、ペットが失踪してしまう原因は複数考えられます。そういった物理的な原因が多いのですが、なかには「試し行為」というものもあるそうです。

ペットも愛情を確認したい? 「試し行為」で失踪することも

試し行為というと、小さな子どもが親の愛情を確認したくてわがままな行動をするようなことを想像しますよね。じつは一部の動物にもあるというのですから驚きです。
とくに理由もなく怒りだした様子を見せたり、楽しく一緒に遊んでいたのに突然おもちゃを投げ捨てたり…など、普段とは違う行動をして飼い主の対応を観察するのであれば、試し行為である可能性が高いと考えられます。
試し行為のなかには「家から出て行ってしまう」というものもあるとのこと。追いかけてきてくれる?探してくれる?と思いながら外へ出る姿を想像すると、いじらしくてたまらなくなりますね。

とはいえ、それで失踪されては大変です。ペットによっては帰り道が分からなくなり、本当に迷子になってしまう場合もあります。早く見つけて思い切り抱き締めてあげましょう。

「何かに夢中になってついうっかり」という場合も

好奇心旺盛なペットなら、家の外にあるものや通りがかる生き物に興味を示すことでしょう。ペットの失踪に好奇心の強さも関係する場合が少なくありません。
見かけた生き物や車などに興味を示し、ついつい追いかけて、気づけばうっかり家から遠くまで…ということもあるそうです。そして帰り道が分からず、迷子になってしまうわけですね。
できれば家の敷地内から出られない対策をして、迷子になるのを防いであげましょう。

失踪に気づいたらすぐ行動を! 早く見つけてあげよう

失踪に気づいたらすぐ行動を! 早く見つけてあげよう
ペットが失踪した場合、スピーディーな行動が必要です。近所の捜索をはじめ、連絡できる窓口にはすべてアクセスし、可能な限り早く見つけてあげましょう。
不必要に家から出ないようにしたり、万一失踪してしまったときのために連絡先が分かるものを身につけさせたりなどの対策も効果的です。大切なペットを迷子にしないよう、できる範囲で対策していきましょう。

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知る・学ぶ 2023-04-21

知っておきたい! 身近なことからできる動物愛護

動物が好きな人のなかには、動物愛護に関心を寄せる人が少なくありません。ペットを飼っていても飼っていなくても、愛する動物の尊厳を守りたいと考えるでしょう。
動物愛護は人間と動物の関係を深める大切な考え方です。

今回は動物愛護の概要や、身近なことからはじめられる動物愛護活動についてご紹介します。

生物多様性の中で育まれた人間と動物の関係

動物愛護は生物多様性と深く関わっています。40億年もの地球の長い歴史のなか、生命の誕生から現代まで、人間を含めた多くの動物などが進化しながらつながりを持ってきました。それぞれの生物が多様で豊かな個性を持ち、いまの社会を作り上げています。
生物多様性が生み出したつながりのなかでも、人間と動物の関係は深いものです。3万年前にはホラアナグマの飼育が行われ、犬(オオカミ)の家畜化が始まった形跡があるほど、長い時間を身近な関係で過ごしています。

人間は食料や働き手として動物と関わるだけではなく、信頼できるパートナー、ペットとしても動物とともに歴史を積み重ねてきました。それは現代社会でも変わることなく受け継がれています。
人間社会が豊かになり、さまざまな考えが生まれることによって、動物に対する見方も変わってきました。動物愛護はその一環です。「動物の尊厳を守ろう」という考えを持つ人々が増えたのです。

犬や猫、さまざまな動物の生命を尊厳への配慮

残念ながら、動物に対してひどい仕打ちをする人は存在します。しかし彼らとは逆に動物を愛し、動物の生命や尊厳を守り、安心した暮らしをさせてあげたいと思う人も多いのが事実です。
そんな人々が動物愛護精神を持ち、さまざまな活動をしています。ペットを大切にする人、望ましくない環境で過ごす動物を保護する人など、動物を愛する人たちはそれぞれの立場でできることをする時代になりました。

現代のペットへの考え方

一般社団法人ペットフード協会の「令和3年 全国犬猫飼育実態調査」によると、調査対象2,000世帯のうち、犬を飼っているのは53.0%、猫を飼っているのは40.3%にのぼりました。
ペットを飼う理由として「生活に喜びを与えてくれる」が多く、生活に欠かせない存在として大切にしている背景がうかがえます。

新しくペットとして犬や猫などを迎え入れた人も少なくありません。ここで注目したいのは、ペットを探す方法の第2位が「インターネットの里親募集を見る」であることです。
日本ではペットショップやブリーダーからペットを迎えられます。しかし、あえて里親を求めるペットを選ぶ飼育希望者の意識は、動物愛護につながる行動ではないでしょうか。里親募集が広く知られるようになった現代ならではの考え方かもしれませんね。
もちろん、ペットショップやブリーダーを通して迎え入れることにも問題はありません。むしろそのような橋渡しをするプロの人々こそが動物愛護に詳しく、また、熱心でしょう。ペットの尊厳と生命を守りながら、新しい飼い主に出会うまで大切に保護する人々がほとんどです。

日本で注目される動物愛護

動物愛護の精神は法律にも影響をおよぼしています。日本では2000年に環境省の主導で「動物愛護管理法」が施行されました。動物愛護管理法では以下の理念と目的が明示されています。

・生命への感謝と畏敬の念を持ち、動物を取り扱うこと
・国民が動物を愛護する気風を構築し、生命の尊重、友愛、平和に対する気持ちを育むこと

この理念や考えをもとに動物愛護を進め、とくに動物虐待を防ぐために機能する法律です。定められた項目を遵守するよう、都道府県では動物愛護団体との連携を行うケースが増えました。国も動物愛護団体の育成に乗り出しています。
各自治体には自治体が運営する動物保護センターが設置されました。諸事情で一緒に暮らせなくなった人からペットを引き取ったり、迷い犬や迷い猫を収容・保護したりと業務は多分野にわたります。保護した犬や猫の譲渡会も業務のひとつです。
さらに、環境省では「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」も発足しました。殺処分ゼロを目指し、人と動物が幸せに共生できる社会を作ろうとしています。

しかし、どの業務もマンパワーが不足している状態です。行政だけでは対応しきれないのも事実です。そこで各自治体は動物愛護団体と連携し、保護活動や動物愛護の啓発を進めています。
お住まいの自治体にも、動物保護センター主催の譲渡会や動物愛護団体の活動があるかもしれません。もしも見かけることがあれば、保護された動物たちの幸せを願ってあげてくださいね。

世界の動物愛護はもっと進んでいる!

世界でも動物愛護は盛んです。日本より進んでいる国もあり、人間から動物への愛情、生命と尊厳を尊重したい気持ちに国境はないのだと実感させられます。

動物保護に関して、世界でもっとも厳しい法律を定めているのはスイスです。たとえば、尊厳が守られる対象には食料になる家畜や魚類も含まれています。残酷な方法で処理をしてはいけない、輸送時間の上限が定められているなど、じつに細かい規定です。
動物実験も非常に厳しい規制があります。あらゆる動物実験(人体実験含む)を禁止するべきだという声は根強く、何度も国民投票がおこなわれているほどです。
ほかにも詳細な規定が定められています。スイスの人々がいかに動物愛護に関心を持ち、幸せに暮らせることに関心を持っているかがよく分かりますね。

スイスのほかにはドイツやイギリスが有名です。どちらの国も動物愛護に関する法律を制定し、その数の多さや厳しさは日本をはるかに超えるのだそうですよ。とくにイギリスは世界最古の動物福祉協会があり、世界に先駆けて動物愛護に着手した国でもあります。

わたしたちにできる動物愛護

動物愛護活動をしたくても、実際に何をすればよいのか…と思う人もいるかもしれません。仕事や家庭が忙しく、思ったように活動しづらい可能性もあります。まずは身近でできることからはじめてみませんか?

動物愛護団体に寄付する

動物愛護団体の多くは、活動資金に恵まれているわけではありません。寄付があれば大きな助けになるでしょう。無理に大金を用意する必要はなく、できる範囲で気持ちを寄付すれば十分な力になります。

動物保護センターや動物愛護団体に支援物資を送る

保護されている動物たちが使える物資を送るのもよい方法です。エサや日用品、消耗品など、無理をせずに用意できるものがあれば送ってみましょう。事前に送り先に「何が必要ですか?」と確認してみると、そのときに必要なものが送れるのでおすすめです。

自分のペットを適切にお世話する

一緒に暮らしているペットを迷子にしない、不適切な環境に置かない、しつけをきちんとする…。「そんなこと当たり前でしょう」と思うかもしれませんが、これらも大切で、かつ、重要な動物愛護です。
清潔な環境で迷子にならずに暮らすだけで、動物保護センターや動物愛護団体に保護される可能性が減ります。しつけができれば社会で快適に暮らしやすくなるでしょう。
そんなあなたのペットを見て、これからペットを飼おうとしている人が「あれがよい飼い方だ、自分も見習おう」と考えるかもしれません。とても重要な動物愛護活動です。

動物愛護は動物と楽しく幸せに共生できる社会を作る

動物愛護は動物と楽しく幸せに共生できる社会を作る
動物愛護は決して難しい考え方ではありません。活動も難しく考えず、できることからはじめましょう。
いまペットと一緒に暮らしている人は、これからも愛情を持ってお世話しましょう。飼っていなくても動物が好きな人は、触れあうときにたっぷりの愛情を注いであげてください。それも立派な動物愛護活動です。

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