犬がなりやすい病気は? 代表的な例と気を付けたいポイント

愛犬と仲良く暮らすなか、ふと病気について気になったことはありませんか?
人間は健康診断で異常を発見できますが、愛犬は飼い主が気を付けてあげなければ徴候を見逃してしまうことも。また、犬にはかかりやすい病気があります。

そこで今回は、犬がかかりやすい病気や自宅でできるチェックなど、飼い主が知っておきたい情報をご紹介します。

犬がかかりやすい病気4選

犬にはかかりやすい病気があるといわれています。なかには命にかかわるような病気もあり、飼い主としては心配になってしまいますよね。
ここでは犬がかかりやすいといわれている主な病気を4つご紹介します。

1.ヘルニア

ヘルニアは椎間板から髄核が飛び出してしまい、脊髄や腰の神経を圧迫する病気です。
強い痛みをともなうことがあり、ときには下半身の麻痺を引き越してしまうケースも。
原因はさまざまですが、とくに老化や激しい運動が影響すると考えられます。椎間板に負担がかかると発症してしまいがちです。

犬がヘルニアになってしまった場合、2種類の治療方法が検討されます。ひとつは外科手術、もうひとつは安静にする方法です。
外科手術は飼い主として心配になりますが、椎間板ヘルニアの原因である部分を除去できるメリットがあります。
安静にする方法は1ヶ月強ほどの期間が必要になり、レーザーによる治療やお薬の投与を並行して行います。

2.膵炎

膵炎は愛犬の衰弱が進みやすいため、できるだけ早くかかりつけの獣医師さんに診察してもらうべき病気です。膵炎は食欲不振をはじめ、下痢や嘔吐、発熱の症状を引き起こし、愛犬から体力を奪ってしまうのです。

膵炎の原因として考えられるのは以下の4つが代表的です。

・高脂肪食過多
・膵臓の損傷
・細菌による汚染
・膵管閉塞

このような原因があると膵液の分泌が過剰になり、膵臓そのものを消化する事態に。
結果として炎症が引き起こされ、膵炎になってしまうのです。

症状の深刻度によって異なりますが、膵炎の治療法は一般的に輸血療法とお薬の投与がおこなわれます。場合によっては一定期間(短期間)の断食や、低脂肪・低タンパクの食餌療法を選択する獣医さんもいます。

3.虫歯

犬でも虫歯にかかってしまうことは珍しくありません。実際、犬全体の5%ほどが虫歯を持っているといわれています。

・歯が変色している
・口臭が気になる
・食事のスピードが遅くなった
・歯周病の合併症

このような様子があれば虫歯の可能性が高いと言えるでしょう。
歯の変色や口臭は気付きやすいかもしれません。食事のスピードが関係するのは、歯が痛くて上手に食べられなくなってしまっているためです。
また、歯周病にかかっているのであれば、その合併症として虫歯になるケースも。

原因は糖分が多い食事や食べカスが歯に残りがちであることなど、人間とよく似ています。治療方法もやはり人間と似ていて、患部を削って詰め物をするのが一般的です。ただ、あまりにもひどければ抜歯が選択されることもあるようです。

4.がん

犬のがんは珍しいものではなく、死因で1位になっています。リンパの腫れや食欲不振が起き、元気がなくなったり、患部の位置によっては触れるとしこりが分かるケースも。
異変に気付いたら決して放置せず、可能な限り早急に獣医師さんの診察を受けましょう。

原因はさまざまな要素が考えられます。

・老化
・ストレス
・ホルモン異常
・遺伝

ほかにも化学物質や紫外線の影響、食品添加物の過剰摂取が関係しているともいわれています。
治療方法はおもに2種類です。ひとつは外科手術でがんを取り除く方法、もうひとつは抗がん剤による化学療法(薬物療法)になります。
また、飼い主の選択や獣医師さんの方針によっては、免疫療法や代替療法が選択されることもあるようです。

犬種別でかかりやすい病気もある? 代表的な犬種と病気

犬種によってかかりやすい病気もあります。
「この犬種だから必ずなる、ならない」というわけではありませんが、もしも愛犬の犬種が該当するようであれば気に留めておきましょう。

外耳炎・耳血腫:ゴールデンレトリバー

もともとゴールデンレトリバーは外耳炎になりやすい犬種です。ペット保険の請求事由でも外耳炎がトップクラスに多い傾向があるようです。
外耳炎にかかると耳がかゆくなるため、頭を振ってかゆみを逃がしたがるのですが、垂れた耳が当たって耳血腫になってしまうケースが見られます。

僧帽弁閉鎖不全症:チワワ、マルチーズ

僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓内の弁が閉じにくくなる病気です。この病気はとくにシニア犬に発症する傾向が見られます。
発症すると肺に負担がかかってしまうデメリットも持っています。加齢によって発症するケースが多いため、シニア犬は注意が必要です。

椎間板ヘルニア:ミニチュア・ダックスフンド

前述のとおり犬がかかりやすいといわれるヘルニアですが、ミニチュア・ダックスフンドの場合はとくに椎間板ヘルニアの罹患率が高い傾向です。
ミニチュア・ダックスフンドは胴が長く、かつ足が短いため、腰に負担がかかりやすい体型です。そのため椎間板もダメージを受けやすく、ヘルニアを発症しやすくなっているのです。

結膜炎・緑内障:ジャックラッセル・テリア、シー・ズー

ジャックラッセル・テリア、シー・ズーともに大きな目の愛らしさが有名な犬種ですが、眼病が多いことでも有名です。結膜炎や緑内障にかかることが多く、仔犬からシニア犬まで年代を問わずに多く発症しています。

どちらの犬種も目が大きい長毛種であることが関係していると考えられます。
長い毛が目に入り、炎症を起こしやすいのですね。点眼薬で改善するケースもあるため、異常に気付いたらすぐに獣医師さんに相談し、重症化を防いであげましょう。

飼い主が気付いてあげたい! 病気を見つけるチェック項目

飼い主が気付いてあげたい! 病気を見つけるチェック項目
犬の病気は早期発見と治療開始で状態が改善することが多々あります。飼い主が日頃から様子をチェックし、健康管理をしてあげましょう。
普段から以下のような項目に注目してみてください。

・瞳に潤いがあり、目やにが出ていないか。眼球は濁っていないか
・耳垢が出ていないか。耳から異臭がしたりかゆそうな気配はないか
・鼻が乾燥していたり、血液混じりの鼻水が出ていないか
・口臭や歯茎の色に異常はないか
・皮膚に脱毛箇所やしこりはないか
・普段と違う歩きかたをしていないか

普段から気にかけてあげたいチェック項目です。いつも一緒に暮らしている愛犬なら、少しの異変でも気付きやすいのではないでしょうか。
「いつもと様子が違うな」と感じたら、あらためてチェックしてみてください。

また、このようなチェック項目にあてはまらなくても、「なんとなく様子がおかしいな」と思うことがあれば、早めに獣医師さんへ相談することをおすすめします。

普段からチェックを! 早期発見で愛犬の健康を守ろう

愛犬は身体の不調を言葉で訴えることができません。病気は早期発見と早期治療の開始が改善への近道です。そのためには飼い主が日頃から気を配り、異変の兆候を発見してあげるのが何よりの予防方法です。
大切な愛犬と末永く暮らせるよう、折に触れたチェックや、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。

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