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知る・学ぶ 2022-08-15

犬・猫へのマイクロチップの装着が義務化! 身体への影響や費用は?

2022年6月1日、動物愛護管理法が改正されました。販売業者は犬・猫へのマイクロチップ装着と登録が義務付けられ、飼い主には装着の努力義務を求める内容です。
努力義務とされているため、装着を考える飼い主さんも多いことでしょう。疑問や不安もあるかもしれません。

そこで今回は、愛犬や愛猫のマイクロチップ装着についての基本的な情報や、装着の際にかかる費用、公的補助の有無などについて詳しくご紹介します。

施行された法律はどんな内容? 必ず装着させなければいけないの?

今回の動物愛護管理法の改正におけるマイクロチップ関連は、おもに犬・猫の販売業者と飼い主に向けられた内容になっています。簡単にまとめると以下のようになります。

・販売業者…販売する犬・猫へのマイクロチップの装着と登録をする
・飼い主…飼育する犬・猫へのマイクロチップ装着と登録を努力する

今後、一般の人がブリーダーやペットショップから犬や猫を新しく迎え入れる場合、その犬や猫にはすでにマイクロチップが装着され、指定登録機関に情報が登録されている状態です。

販売業者が登録した情報は、迎え入れてからは飼い主の情報(犬猫の品種や外見、飼い主の連絡先など)に書き換え、改めて登録機関に変更登録します。
装着は義務ではありませんが、「販売業者から迎え入れたあとの情報変更登録は義務」とされています。迎え入れてから30日以内に変更しなければ法律違反になってしまいますので、すみやかに手続きを進めましょう。

犬・猫を販売業者以外から迎えた場合はどうなるの?

一方、ブリーダーやペットショップのような販売業者以外から犬・猫を迎え入れるケースもあります。知人や動物保護団体から譲り受けると、マイクロチップが装着されていないこともあるでしょう。
この場合、飼い主がマイクロチップを必ずしも装着させる義務はないとされています。しかし動物愛護管理法を管轄する環境省では「できるだけ装着するよう努めてほしい(努力義務)」という考えを示していますので、可能な限り装着を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

また、装着させた場合は指定登録機関への登録が必須になります。装着と登録はワンセットとして考えておいたほうが良いでしょう。マイクロチップの装着は獣医師がおこないます。

マイクロチップはどんなもの?

マイクロチップは直径2ミリメートル、長さ8~12ミリメートル、円筒形をしています。きわめて小さいサイズですが高機能で、アンテナとIC部が内蔵されています。

マイクロチップ内部には15桁の固有番号があり、専用リーダーで読み取ります。読み取った固有番号を指定登録機関の情報と照合することによって、犬・猫の情報、飼い主の情報が分かるシステムです。

マイクロチップ装着のメリットは?

マイクロチップの装着は、飼い主と愛犬・愛猫にとってメリットがあります。代表的な二つのメリットをご紹介します。

メリット1:離ればなれになっても飼い主のもとへ帰りやすい

飼い主の情報が分かりやすくなれば、迷子になってしまったとき、お家に帰りやすくなります。マイクロチップを介して分かる情報には、住所をはじめとした飼い主の連絡先が含まれているためです。

「それなら首輪にメモを入れておけばいいのでは?」と思うかもしれません。それも有効な方法ではありますが、首輪は外れてしまう可能性があります。マイクロチップは身体から離れる心配がないため、いざというときに大いに役立つでしょう。

メリット2:ペット保険の割引対象になる可能性がある

愛犬や愛猫のため、ペット保険に加入している人も多いでしょう。マイクロチップを装着していると、保険料の割引対象になるケースがあります。
すでに一部では「マイクロチップ特約」「マイクロチップ割引」などの制度を導入している保険会社も。ペット保険に加入している人にとっては見逃せないメリットになりそうです。

マイクロチップ装着のデメリットは?

マイクロチップ装着のデメリットと言われる項目として、おもに以下の二つが考えられます。

デメリット1:装着や登録に費用がかかる

のちほど詳しくご紹介しますが、飼い主がマイクロチップを装着・登録する場合には費用がかかります。
販売業者から迎え入れた犬・猫にはすでにマイクロチップが装着されているため、装着費用はかかりませんが、登録情報の書き換えには登録手数料が必要です。

デメリット2:専用リーダーでなければ情報が読み取れない

マイクロチップ内におさめられている情報は、専用リーダーを使って読み取ります。ほかの機材では読み取れません。すぐに情報を照会したい場合、少々時間がかかってしまうことがあるでしょう。

痛みはあるの? 愛犬・愛猫の身体への影響は?

マイクロチップ装着にあたり、どうしても気になる項目は出てくるでしょう。また、愛する飼い犬や飼い猫の身体に悪影響がないかも気になります。飼い主が心配になる項目について詳しく見てみましょう。

装着するときに痛みはない?

マイクロチップは獣医師が専用の注射器で首の後ろの皮下に埋め込みます。注射ですので、どうしても痛みを感じる犬・猫がいるでしょう。
狂犬病予防ワクチン、混合ワクチンと同程度の痛みだと言われています。

体内に埋め込んでも健康への悪影響はない?

東京都福祉保健局によると、マイクロチップの表面は副作用のない材質が使われているそうです。獣医師が正しく施術すれば、動物の身体に負担をかけることはないとのことでした。

マイクロチップが体内で破損する可能性は?

マイクロチップは非常に強い素材で作られています。一般的な犬の日常生活であれば、破損の心配はないでしょう。
ただし、骨折のように大きな怪我をしてしまった場合にはその限りではありません。レントゲンを撮ればマイクロチップの状態も分かりますので、動物病院で獣医師さんにマイクロチップについて相談しましょう。

マイクロチップの装着や登録にかかる費用

飼い主がマイクロチップの装着をする場合、装着費用と登録費用の両方が必要です。すでにマイクロチップを装着した犬・猫を迎え入れるのであれば、情報変更登録の費用のみが必要です。

マイクロチップの装着費用

装着費用はとくに定められておらず、装着する動物病院によって設定されています。一般的には数千円~1万円が相場のようです。かかりつけの病院で相談してみましょう。

装着費用は公的補助の対象になる場合も

自治体によっては、犬・猫のマイクロチップ装着費用に対し、公的補助制度を設けていることがあります。お住まいの自治体で詳しく確認してみてください。

装着後の登録費用

マイクロチップの装着後の登録、あるいは情報変更登録が必要な際には指定情報機関である「公益社団法人日本獣医師会」で手続きをします。

・郵送手続き…1,000円
・オンライン手続き…300円

郵送手続きは銀行振込・コンビニ決済、オンライン手続きはクレジットカード決済、PayPayで納付します。

マイクロチップでできるリスク減少

マイクロチップでできるリスク減少
マイクロチップは愛犬や愛猫が迷子になっても飼い主のもとに戻りやすく、離ればなれになるリスクを減少させることができます。
室内飼いでも室外飼いでも、どんな理由でいつ迷子になってしまうか分かりません。飼い主もペットもお互いにいつも安心していられるよう、マイクロチップの装着や情報登録を検討してみてはいかがでしょうか?

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知る・学ぶ 2022-07-13

メリットや注意するべきことは? 子供とペットの関わり方

ペットとの関わりは子供の情操教育に良い影響を与えると言われています。情緒面や責任感、生命との関わりについての思考が深まるなど、保護者として注目したいメリットがいくつもあるようです。

子供の情操教育に興味がある・動物が好きという方なら、ご家庭にペットを迎え入れたいと考えることでしょう。同時に、子供とペットの共同生活で注意するべき点についても気になります。
今回は、ペットとの共同生活によって子供に与える影響や、注意点について詳しくご紹介します。

注目される子供とペットの関係

ペットと子供との共同生活については、日本だけではなく世界的にも注目が集まっており、研究者による研究発表や自治体のアンケートなどが実施されています。

イギリス:子供の感情や社会認知能力への好影響

2017年、イギリスの研究者たちによって「コンパニオンアニマルと子供/青年期の発達:証拠の系統的レビュー」が発表されました。幅広い研究結果が記載されている論文です。

この論文の中で保護者がとくに注目したいのは「幼少期からのペットの飼育は、子供の感情や社会認知能力に対して健康的な成長をうながす傾向がある」という点ではないでしょうか。
子供の頃のペットとの生活経験は、情緒や社会的スキルの成長に好影響が期待できるということですね。

日本:アンケートで「子供の情操教育」に注目する保護者が多数

2018年には東京都が「東京におけるペットの飼育アンケート」をおこないました。回答者のうち、11.3%がペットを飼う理由を「子供の情操教育のため」と答えています。
東京都に限らず、複数の自治体でも同種のアンケートがおこなわれています。やはり子供の情操教育に強い関心を持つ保護者が少なくない傾向が見られました。
子供とペットのかかわりを重視し、生活の中に迎え入れるご家庭は決して珍しくないと言えるでしょう。

ペットがもたらす子供への好影響とは

ペットと共同生活をすることにより、具体的にはどのような好影響があるのでしょうか。代表的な好影響を見てみましょう。

感情が健康的に成長する

ペットを飼うご家庭の子供は、感情面において健康的に成長する傾向があるようです。
ペットとの共同生活だけが理由ではないかもしれませんが、それでも感情の成長に大きな影響を与えていると考えられます。

・愛情深くなる
・命の大切さを学ぶ

ペットと共同生活をするご家庭では、子供にこのような好影響が見られます。ひとつの生命をはぐくむ環境の中、ペットに対して愛情を持つこと、そしていずれ訪れる別れのときに知る命の大切さなど、さまざまな体験が自然と成長をうながすのでしょう。

社会生活に必要なスキルが成長する

ペットとの共同生活を通し、社会生活に必要なコミュニケーションスキルや自尊心が育つ傾向も好影響のひとつです。

・コミュニケーションスキルが発達する
・自尊心が高くなる

ペットとは会話ができませんが、その分、表情をはじめとした全体的な様子で「何を求めているか」「どう感じているか」を理解するようになります。
その過程で身につけた想像力や分析力が、コミュニケーションスキルに反映されるケースが少なくありません。学校生活や社会生活においてコミュニケーションスキルは重要です。

また、親からペットの世話の仕方を学び、実際に面倒をみることによって、自尊心がはぐくまれます。世話をするうち、子供は「この命は自分が世話をしてあげなければ」と考えるようになるでしょう。それが「自分は必要とされている」という意識を芽生えさせ、自尊心に繋がります。
自尊心も子供の社会的な成長に大切な項目です。ペットとの共同生活で身につけやすいのであれば、間違いなく好影響だと言えるでしょう。

責任感、自立心、忍耐力が生まれる

ペットの世話をする子供は責任感がはぐくまれます。自分の手でひとつの命のケアをする事実と意味に気付いたとき、責任感が生まれるでしょう。
責任を持って世話をするうち、いつの間にか自立心が育つことも珍しくありません。そして言葉や人間の都合が通じないペットを相手に、いつしか忍耐を学ぶようになるでしょう。
責任感、自立心、忍耐力のいずれも、子供に身につけて欲しいスキルです。ペットは可愛いだけではなく、子供の成長を支える大切な存在にもなってくれそうですね。

生活に運動習慣を取り入れやすくなる

外での散歩が必要なペットとの共同生活なら、ペットがいないご家庭と比べ、外出と運動の機会が増加します。毎日の散歩で体力がつき、健康の向上が期待できるでしょう。
運動習慣としても散歩は良い選択肢です。ペットの散歩を通し、子供のうちから身体を動かす習慣を身につけられるのは間違いなく好影響と言えるのではないでしょうか。
また、散歩の途中ですれ違う地域の人々との交流も嬉しいものです。顔見知りが増えるのも子供にとって好影響ですね。

孤独をまぎらわせてくれる

生まれてからしばらくは保護者の腕に抱かれ、守られるばかりだった子供も、いつしか成長していきます。成長過程では、孤独を感じる機会が増えるものです。
反抗期、友人との喧嘩、人に相談しにくい悩み。孤独を感じやすくなるとき、ペットは何も言わずに寄り添ってくれます。成長している子供にとって、あたたかい存在になってくれるでしょう。

子供とペットの共同生活で注意したいこと

良い影響が多い子供とペットの共同生活。しかし、注意する点もあります。ペットをご家庭に迎え入れる前にチェックしておきましょう。

アレルギーの有無をチェックする

動物の毛やフケ、唾液や排泄物が人間にとってアレルゲンになってしまうことがあります。くしゃみや目のかゆみ、じんましん、呼吸器系の問題など、多くのアレルギー症状が確認されています。
ご家庭にペットを迎え入れる前にアレルギー検査をしたり、可能であればペットと数日間一緒に暮らせる「お試し期間」を利用し、家族全員の体質をチェックしておきましょう。

保護者もペットに愛情を持てるかどうか

子供の情操教育に良いからといって、そのためだけにペットを飼うのはあまり良いことではありません。保護者があまり動物に愛情を持てない場合、保護者自身がペットとの共同生活に苦痛を感じるようになってしまいかねないためです。

また、ペットの世話は子供だけでは難しいものです。やはり大人の手も重要になります。ペットの世話はそれなりに時間を割く必要がある上に、病気や怪我をすれば献身的な看病が必要です。愛情を持てない対象に時間を割くことは難しいのではないでしょうか。

「子供のためなら我慢できる」と言う保護者もいるかもしれません。しかし、保護者とペットの関係が良くないと感じた子供は哀しい気持ちになるでしょう。子供だけではなく、保護者もペットを飼いたい、愛したいという気持ちを持った上で、ご家庭に迎え入れるのが大切です。

金銭面で問題が生じないか

ペットの飼育は思った以上にお金がかかります。予防接種や医療費、餌代、生活に必要な雑貨の購入費など、年間で万単位の金額が必要です。
ペットにとって暮らしやすい環境を整えられるかどうか、家計と相談してから飼う・飼わないを決定しましょう。

ペットを飼うからこその恩恵がある

ペットを飼うからこその恩恵がある
感情の健康的な成長や社会的スキルの向上をはじめ、ペットを飼うことによって、子供の情操教育にいくつものメリットが期待できます。子供だけではなく、一緒に暮らす家族全員が望むのなら、ぜひ家族の一員として迎えてみてはいかがでしょうか。

ペットとの暮らしは人にとって癒やしや楽しみを与えてくれるものですよね。情操教育ももちろん大切ですが、何よりもご家族全員がペットとの生活を楽しんでください。それが何よりの情操教育になるかもしれません。

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知る・学ぶ 2022-06-29

古くから姿を変えずに暮らしている「生きた化石」たち

「生きた化石」という言葉をご存知でしょうか?
生きた化石とは、はるか昔から進化をせずに現代でもほとんど姿形を変えないで生息している生き物や植物のことを指します。
地層から発見される化石とほとんど同じ姿のままである場合が多く、私たちの身近にも生きた化石と呼ばれる生き物は存在しています。

そこで今回は、「生きた化石」と呼ばれる様々な生き物たちをご紹介します。

退化した肺があるシーラカンス

生きた化石の中でも知名度が高いのが「シーラカンス」という魚で、通常の魚とは一味違う古代的ロマンが溢れる魚です。
シーラカンスは4億年以上前の化石として多く発見されており、淡水、浅瀬の海、深海に多く生息しているとされ恐竜と同じ頃に絶滅したと考えられていました。

しかし、1938年に南アフリカ沖で漁の網に偶然かかり、ほぼ姿を変えずに生息していたことが判明しました。
その後は別の場所でも発見されるようになりましたが、淡水や浅瀬の海では発見されず、現代では深海性の種類のみが生き残っているようです。

シーラカンスが他の魚と異なる点は、ひれのつけ根に骨があり、動物の脚に似た動きをし、陸上の四足動物に近い内臓を持っているところです。
他にも背骨が発達しておらず、軟骨でできた1本の管が背骨の役割をしていることや、お腹の中で卵をかえして産むことなども挙げられます。

「進化論」では、水の中で生活していた魚が進化して陸に上がっていったと考えられていますが、陸に上がるためには肺が必要です。
シーラカンスは、えら呼吸をしているものの、使われなくなったとみられる肺があることがわかっています。
これは浅瀬で生息していたシーラカンスの祖先が再度海へ戻ったものだと考えられており、恐竜などが絶滅した際に深い海に潜っていた深海性のシーラカンスだけが生き延びたという説があります。

卵を産む哺乳類? カモノハシ

オーストラリアに住む「カモノハシ」も生きた化石と呼ばれています。

他の哺乳類と決定的に異なるのが、哺乳類であるのにもかかわらず卵を産むという、常識を覆した不思議な哺乳類だという点です。
カモノハシは恐竜がいた中生代から生息していると言われていて、哺乳類が地上に多く現れた時代から今とほとんど変わらない姿で存在しているのです。

哺乳類の中で一番古い生き物とされていて、鳥類と同じく卵で子どもを産むものの、哺乳類と同じく母乳で育つため哺乳類に分類されています。
カモノハシは卵内で子どもの栄養を作れない代わりに、母乳で栄養を補うのです。
また、幅広いクチバシがあるものの歯が生えていなかったり、後ろ足から分泌される毒素が爬虫類と限りなく近かったりと、まだ多くの謎が残っているようです。

クモやサソリの仲間・カブトガニ

不思議な姿をしている「カブトガニ」も約5億年も前から姿を変えていない生き物の一つです。

生息地はインドネシアやフィリピンが主ですが、実は日本にも一定数生息しており、瀬戸内海と九州北部に分布しています。
カブトガニは、シーラカンスと同じように海にとどまった種類が絶滅期を乗り越え、ほとんど姿を変えずに生き残ったと言われています。
現在カブトガニは4種で、体長30センチを超える個体も存在します。

「カニ」と名前が付いていますが、甲殻類ではなく、クモやサソリに近い生き物で、血液が青く、穴を掘る習性があります。
食べることも製品にすることもできず、漁の際に邪魔になるとされてきましたが、血液が毒素の検査薬に使われるようになり、今では高価な価格で取り引きされています。
また、日本では数が少なく絶滅危惧種に指定されています。

手軽に飼育できる身近なカブトエビ

カブトガニと似たところでは「カブトエビ」という生き物も存在します。
カブトガニを小さくしたような形をしていますが、カブトガニはクモに近いのに対し、カブトエビはカニなどと同じ甲殻類です。
淡水の田んぼなどに生息していて雑草を食べてくれる有益な生き物として知られ、特に西日本で多く見かけます。

カブトエビは甲殻類の中でも古い形を残したまま、約2億年以上前から存在しているとされています。
大きさは4センチ程度で、裏にはたくさんの脚があり、その姿からも古代生物らしさを感じます。
元々日本には分布しておらず、海外から持ち込まれたとされており、ライフサイクルが田んぼの周期に合っていて、日本の環境に馴染んだとも言われています。

カブトエビは飼育キットも販売されています。成長速度が速く、目に見えないサイズから数日で大きくなり、よく夏休みの自由研究などで使われることもあります。
寿命は2~3ヶ月と短く、孵化から10日程度で産卵が可能となり、水に入れると孵化する不思議な卵は、数年間は持つとされています。
雌雄同体で一匹だけで卵を産むことができる種もいて、これらが古代から生き延びてきた要素とされています。
古代生物を気軽に育てることができるので、興味があれば飼育してみるのも良いでしょう。

イカやタコの仲間・オウムガイ

オウムガイ
初めてオウムガイを見た方の中には、貝なのか、ヤドカリなのか、イカなのか、タコなのかなどと戸惑う方もいらっしゃいますが、イカやタコと同じ軟体動物に分類されていて、大きな殻を持っているのが特徴です。
南太平洋からオーストラリア近海の水深100~600mほどの場所に生息していて、殻がもろく、水深800mを超えると水圧で壊れてしまうため、あまり深くでは生きられません。
約5億年前からほとんど姿形を変えずに生存しています。

殻の直径は約15~20cmで、発見されている化石で最大のものは30cmほどです。口元にある触手は約90本あり、この触手で物に付着したり獲物を捕食したりしています。
主に夜間に活動し、イカやタコと同じく身体から水を噴きだし、その推進力で移動をします。
目はついているものの、イカやタコのようにレンズ機能は無く、視力は良くありません。
巻貝に体を入れていますが、出口に近い場所にのみ体を入れており、その奥にはガスと液体が入っていて、この量を調整して浮いたり沈んだりしています。
なお、オウムガイとよく間違えられる「アンモナイト」はすでに絶滅していて、オウムガイも現在生息が確認されているものは5種類になります。

オウムガイは飼育することができ、海水魚などを扱っているお店やインターネット通販などで販売されていますが、飼育環境を整えるためには10万円ほど費用がかかります。主な餌はエビや魚の切り身になります。
夜行性なので昼間は休んでいることが多いものの、人になつきやすく、自ら寄ってくることもあるようです。
また、記憶を保持することができ、学習できることも判明していて、「学習することが可能な最古の種」とも言われています。
軟体動物にしては寿命が長く、環境を整えてお世話をすれば良いペットになるかもしれません。

たくましく生きてきた「生きた化石」たち

「生きた化石」という表現はダーウィンが著書の「種の起源」の中でカモノハシなどについて使ったのが最初だそうです。
古代の生き物は環境の変化に適応できずに絶滅をしたか、もしくは環境に適応して姿形を変えてきたものがほとんどです。
その点、生きた化石たちは姿を変えることなく、たくましく生き抜いてきました。
考え方によっては、環境に対して変化する必要がない完成された生態だとも考えられます。この先もずっと姿形を変えずに歴史を刻んでいくのかと思うと、なんとも神秘的ですね!

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知る・学ぶ 2022-06-17

愛情こめて作りたい! 愛犬が喜ぶ手作りごはんレシピ

愛犬に手作りのごはんを作ってあげたいと考えることはありませんか?
市販のドッグフードは年齢や健康状態に合わせたものが選べ、とても優秀ですが手作りごはんで愛犬に喜んでほしいのも飼い主の愛情のひとつ。

ただ、初めて作るときにはさまざまな疑問を持つことでしょう。「栄養バランスは?」「使っていい食材は?」「量はどうしよう?」など、愛犬を大切にしたいからこその悩みが出てきます。

そこで今回は、愛犬に手作りごはんを作るときのコツや注意点、手軽にできるレシピの例について詳しく解説します。

手作りごはんのメリットやデメリットは?

市販のドッグフードと比べると、手作りごはんにはメリットとデメリットがあります。それぞれについて知っておきましょう。

手作りごはんのメリット

手作りごはんならではのメリットを見てみましょう。

・年齢、体調を考えた食事を食べさせてあげられる
・食材から水分を取りやすい
・ドッグフードから取りにくい酵素を摂取しやすい
・新鮮な食材を使えるため保存料(添加物)を避けやすい
・ドッグフードが苦手な愛犬でも手作りならよく食べる可能性がある

健康面、栄養面や水分、添加物に関する悩みをクリアしてくれるなどたくさんのメリットがあります。ドライフードにはないメリットを活かせば、愛犬の健康増進に役立ってくれそうですね。

手作りごはんのデメリット

反対にデメリットと感じる部分もあるようです。

・栄養バランスの取りかたが難しい
・作る手間、保存の手間がかかる
・出張や旅行のときは作ってあげるのが難しい

手作りごはんは栄養バランスへの配慮や、保存がきかないため毎回作る必要性、長期の外出時に用意することが難しいという一面があります。

気を付けるべきことは? 食材や温度に要注意!

手作りごはんをあげるとき、愛犬が安心して美味しく食べられるよう、使う食材や温度に注意しましょう。

使ってはいけない食材がある!

犬に食べさせてはいけない食材は決して使わないでください。体調が悪くなったり、最悪の場合は生命にかかわる危険もあります。
代表的なものはネギ類やチョコレート、酒類、尖った形状(喉に刺さる危険)などですが、ほかにも具体的な食材は100種類以上にも及ぶと言われています。
調べきれない、または念には念を入れたいと感じたら、かかりつけの獣医さんに相談し、愛犬も飼い主も安心できる手作りごはんを作ってあげてくださいね。

あげるときには適切な温度で!

犬はごはんを勢いよく食べますよね。可愛らしい姿ですが、ごはんが熱いと火傷をしてしまう原因になってしまいます。適切な温度のごはんをあげましょう。
手作りごはんをあげるとき、人が触れたときに「あたたかい」「ぬるい」と感じる程度の温度が適切です。火傷の心配もなく、同時に消化しやすい温度でもあります。

手作りごはんの栄養バランスや量、味付けは?

手作りごはんは栄養バランスや量のコントロールが重要です。
栄養不足、または反対の栄養過多になったり、食べ過ぎたりしないよう、日頃から注意を払ってあげましょう。味付けの注意点についてもご紹介します。

栄養バランス:たんぱく質・野菜類・炭水化物の比率

まずは栄養バランスです。難しく考えすぎる必要はありません。たんぱく質、野菜類、炭水化物の比率を覚えておきましょう。

・例1
動物性たんぱく質6:野菜類2:炭水化物2

・例2
動物性たんぱく質1:野菜類1:炭水化物1

人間に個人差があるように、犬にもそれぞれ差があります。例1と例2を挙げましたが、あなたの愛犬にベストマッチとは限りません。
あくまで参考にした上で、年齢や体調、運動量などで比率や使用する食材を変えると良いでしょう。獣医さんに相談するのも正しい選択です。

意識的にあげたい栄養素

手作りごはんで不足しがちな栄養素に「オメガ3」があります。
オメガ3はガンの予防効果や血液の流れを良くする効果があると言われており、犬にとって大切な栄養素です。
魚油やえごま油、亜麻仁油からなどが取りやすいため、ごはんに少量混ぜてあげると良いでしょう。

あげる量は愛犬の体型でコントロール

栄養不足・栄養過多を防ぐために、あげる量への心配りも大切です。基本は「手作りごはんの量=愛犬の頭の鉢1つ分」が良いと言われています。
もしこの量で体型が標準よりも大きくなったり、反対に痩せてしまうようなことがあれば、栄養素や量についてチェックしましょう。場合によっては病気が隠れている可能性もありますので、念のため、かかりつけの獣医さんに行くのも視野に入れてください。

味付けは「なし」でOK! 食欲増進に香りを重視

犬は食事中、あまり味覚が活用されていません。そのため、味付けはしなくても大丈夫です。ただ、食事に対して興味を持たせるためには「美味しそうだな」と感じさせる必要があります。
そこで重視したいのが「香り」です。オイルの香りやヨーグルト・納豆などの発酵食品の香りを上手く使い、食欲を刺激してあげましょう。愛犬が好む香りを見つけられたらぜひ活用を。

手作りごはん初心者におすすめレシピ

手作りごはん初心者におすすめレシピ
手作りごはんにトライしたいけれどレシピが分からない…。そんな方に向けて、初心者でも作りやすいおすすめレシピをご紹介します。

おすすめ1:加熱しなくてもOK! 今のフードに「ちょい乗せ」

最初からすべて手作りのごはんを用意するのは大変です。
また、いきなり手作りに100%切り替えると愛犬も戸惑ってしまうかも。今あげているフードを活用してみるのも良い方法です。

1:今あげている市販のフードに食材をトッピングする
2:食材は新鮮な野菜、肉魚、炊いたお米など幅広く
3:飼い主用のごはんの食材を調理前(味付け前)に取り分けるのもOK

愛犬も飼い主もまだ手作りごはんに不慣れな時期は、手軽にできる「ちょい乗せ」を活用し、お互いに慣れるための期間を過ごすのがおすすめです。

おすすめ2:ミキサーやブレンダーで簡単リゾット風

肉魚、野菜、炭水化物など、ごはんに必要な食材をミキサーやブレンダーで食べやすい大きさに砕きます。その上からスープをかければあっと言う間にリゾット風ごはんのできあがりです。
食材にかけるスープは野菜の煮汁(味付け前)や、和風なら鰹節や昆布のお出汁でOK。片栗粉でとろみをつけてあげると食べやすくなり、愛犬の食が進みますよ。
飼い主用のごはんの食材に犬が食べても大丈夫なものがあれば、味付け前に取り分けてあげるのも良いですね。愛犬と同じものが食べられて幸せ感がアップしそうです。

無理なく楽しく! 愛犬と楽しむ手作りごはん

愛犬に手作りごはんを作ってあげるのは、市販のフードをあげるよりも手間がかかります。だからこそ、喜んで食べてくれる姿を見たら感動もひとしおでしょう。
ただし食べて良い食材、食べてはいけない食材、栄養バランスなど、気にする部分は市販のフードよりも多くなります。
また、万が一食後になんらかの体調不良や異常がみられた場合はすぐに動物病院で診てもらうのはもちろんですが、手作りごはんを検討する際はまずはかかりつけの獣医さんに事前に相談してみると良いでしょう。

最初から完璧な手作りごはんを用意するのは難しいものです。慣れるまでは市販のフードに「ちょい乗せ」や初心者向けの簡単レシピを活用して、少しずつ愛犬と楽しめる手作りごはんを作っていってくださいね。

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知る・学ぶ 2022-06-13

ペットに優しい床材は? 選ぶときのチェックポイントと設置の注意点

愛犬の室内飼いが増えている昨今、家の中に使う「床材」にも注目が集まっています。愛犬が暮らしやすい環境を整えるためには、床材の選択も重要と考えられているのです。

しかし、愛犬を優先にしすぎて飼い主や家族の生活を圧迫してしまっては本末転倒です。
最近の床材はバリエーション豊かで、飼い主が望む条件を満たせるものを選ぶことも可能になりました。

そこで今回は、愛犬も家族も快適に暮らしやすい床材の種類やメリット、設置時の注意点などについて詳しく解説します。

床材を考える理由は? 愛犬の安全と環境を守りたい!

犬はダッシュやブレーキのような緩急がついた動きをすることが多く、肉球でしっかりと地面を掴むように歩いています。野外なら肉球や足で掴みやすい土や草の上を踏み締めているため、滑る・転ぶといったアクシデントはあまり起こりません。

しかし室内飼いが増えた今、土や草のような床ではなく、人間の利便性に合わせた床材の上で生活する犬も増えています。ものによっては犬の生活に合わない床材も。

室内飼いの犬は長い時間を家の床の上で過ごします。身体に負担がかかりにくく、安全に生活できるような床材が理想的です。愛犬に適した床材を設置することは、どのようなメリットに繋がるのでしょうか。

転倒による怪我防止に!

犬に適した床材にすると転倒防止に役立ちます。フローリングのようなツルツルした床材は滑りやすく、犬の足では歩きにくく、シニア犬は移動に大きな負担を感じるようになります。若い犬でも勢いをつけた動きのときには転倒してしまうことも。
転倒すれば怪我の可能性もあるでしょう。滑りにくい床材にするとその危険を軽減できます。シニア犬も歩きやすくなりますよ。

集合住宅なら防音に!

ペットとの生活が可能な集合住宅にお住まいの愛犬家もいらっしゃることでしょう。集合住宅では騒音問題が起きることがありますが、実はペットの足音も騒音の原因として取り上げられることがあります。
とくに音が響きやすい床材で、防音対策が不足しているときには、愛犬の可愛らしい足音が階下では騒音のように聞こえてしまうことも。防音性が高い床材を選ぶことにより、ペットの騒音トラブルを減らしましょう。

飼い主にもメリットが? 毎日感じられる快適さ

ペットとの生活に向いた床材を選ぶことは、愛犬だけではなく、実は飼い主にもメリットが生じます。

掃除がラクになる

犬に限らず、ペットは何かと床を汚しがちですよね。イタズラや食べこぼしなど、床を汚してしまうことは多々あります。それもまた愛犬の行動と思えば可愛いのですが、掃除が大変なのは困りものです。
ペット向けの床材には掃除が簡単なものが多く、今までよりも掃除時間をグンと短縮できるようになります。

床材によっては消臭効果も

家族は気にならなくても、友人・知人が遊びに来たときにはペットのにおいが気になるかもしれません。床材によっては消臭効果が高いものもあり、におい対策をしたいご家庭にぴったりです。

床に傷がつきにくい

ペット向けの床材の中には、表面に強加工がほどこされているものがあります。爪あとがつきにくく、ついても目立ちにくくなる効果があります。
また、お掃除もラクになります。爪あとで凹んだ部分には小さなゴミやホコリが溜まりやすいのですが、このような床材ならその手間が減らせますね。

床材ごとに違う! メリットと注意したい設置のデメリット

人が生活する住宅に使われる床材はさまざまな種類があります。愛犬と快適に暮らす環境にするためには、どのような床材が向いているのでしょうか。それぞれのメリットや設置時の注意点となるデメリットについてチェックしてみましょう。

フローリング

結論から言ってしまうと、愛犬との生活にとってフローリングはあまりメリットがありません。人の生活にはとても便利なのですが、犬にとっては滑りやすく、足腰への負担や転倒の心配があります。
ただ、最近はペット用のフローリングがリリースされています。フローリングではありますが、滑りにくい加工が施されています。フローリングの見た目と滑りにくさを重視したい人であれば、選択肢に入れても良いかもしれません。

絨毯

絨毯はフローリングと比べ、滑りにくい・転倒しにくいというメリットがあります。また、入居した家がフローリングでも、その上から絨毯を敷けばフローリングのデメリットをカバーできるのもメリットでしょう。
設置時の注意点としては、粗相の臭いが染み込みやすい・ホコリやダニの発生が心配・爪で傷んだ部分が目立ちやすいなどが考えられます。

畳はクッション性があるため、犬の生活に適しています。足腰や関節への負担を考えてあげたい場合に適しているでしょう。
デメリットとしては、爪で毛羽立ちやすい・防水加工をしていない畳は手入れがしにくいという点です。最近は防水加工をしている畳もありますので、畳を敷きたいときにはそちらを取り入れてみるのも良いでしょう。

コルクマット

コルクマットはクッション性が非常に高く、愛犬のいる家にとって心強い味方になってくれます。フローリングや畳の上に敷けるため、リフォームや大がかりな作業が難しいご家庭でも手軽に取り入れられます。
劣化するとボロボロになりやすいことや、粗相をしてしまったときのお手入れに手間がかかりがちなことがデメリットです。

タイルカーペット

タイルカーペットは1枚の絨毯やカーペットを分割した形をしています。必要な部分に必要なだけ設置できるメリットがあります。
デメリットはほかの床材と一部分だけ印象が変わってしまうことや、多く設置すると費用がかさむことが考えられます。

愛犬のために敷くならどの床材? 選ぶときのチェックポイント

いろいろな床材をご紹介しましたが、実際に選ぶ場合にはどの床材が良いのでしょうか。選ぶときにはご自分やご家庭の好みや意見のほか、以下のようなことも含めて考えてみてください。

愛犬の安全や健康を守れる床材か

床材の性質によっては、犬の健康的な生活に向かないものもあります。室内で多くの時間を過ごす愛犬の安全や健康を守れるかどうか、滑りやすさやクッション性などをよくチェックしましょう。

家全体の床材を愛犬用に変更するかどうか

家中の床を全部変えるのか、それとも愛犬が生活する範囲を決め、その範囲だけにするのかなど、床材を変更する部分や範囲について考えましょう。
床材の変更範囲は費用や見映えに関わってきます。予算と目的のバランスが取れる床材がおすすめです。

シーンに応じた床材を! 設置で変わる愛犬の快適性

シーンに応じた床材を! 設置で変わる愛犬の快適性
愛犬の健康や安全はどの飼い主にとっても大切、そして心配ごとです。家の床材によって愛犬の安全や健康に影響が出るのなら、できるだけ影響が少ないものに変えてあげたいと思うでしょう。家族の生活にメリットがあればなお嬉しいですよね。
最近ではペットが暮らしやすい床材が手に入りやすくなっています。防臭や防音など生活環境や目的に合わせて選べるようになりました。
ペットショップやホームセンターはもちろん、通販でもバリエーション豊かな床材を見つけられます。愛犬との快適な生活のため、ぜひチェックしてみてくださいね!

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